ダーク・ファンタジー小説

2人を追って ( No.137 )
日時: 2024/04/24 13:32
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)

「おい!綾也、どうすんだよ!?」
そう丁度電話をかけ終わった頃に宗四郎達が駆け寄ってきた。
「まぁ見とけって。」
俺はそう言う。
「見とけって…5分経つまで後1分もねぇぞ?」
そう陽汰が聞いてくる。
「まぁまぁ、落ち着いて見てろ。」
俺はそう皆をなだめる。
そして約束の5分は刻一刻と近づいてくる。
「おい!残り10秒だぞ!さっさと降伏しろ!」
そう高松が大声を出す。
(頼む…間に合ってくれ!)
俺は内心焦っていた。
思ったよりも3人の合流が遅いからだ。
「5…4…」
ついに地獄のカウントダウンが始まってしまった。
「3…2…」
(頼む!!)
俺はそう唇を噛みしめる。
その時だった。
「1…」
「ゼロおぉ!」
そう叫びながらレオ達が山下達の後ろから出てくる。
「何でお前らがここに…!」
そう山下は焦っている。
「どりゃあぁぁ!」
焦っている山下を無視し、遥輝は山下を殴り飛ばした。
「総長!」
そう高松が吹き飛ばされた山下を救出しにいこうとする。
「お前の相手は俺だよ!」
そう智がチャカを取り出し、高松の急所を的確に撃ち抜いていく。
「ぐっ!」
高松は痛みで一瞬動きが止まる。
「死ね!」
そう智は高松の腹をドスでえぐった。
「ぅ…!」
高松は抉られた場所を抑えて倒れ込む。
「お前ら!撤退や!」
そう山下が指示を出す。
すると全員が戦闘をやめ、逃げる準備を始める。
そして驚くほどのスピードで、逃げ去って行った。
「おい!拓海と龍心がまだ連れ去られたままだ!」
そう虎徹が声を上げる。
「俺達も追うぞ!」
そうレオが皆に指示を出し、それぞれ自分のバイクに乗る。
悪英雄のメンバーは俺達の後ろに乗る。
「幸太郎、場所は?」
「このまま真っ直ぐ行って次の信号を左だ。」
幸太郎は片手にタブレットを持ちながら、そう言う。
「ここを左…。そんでそこで右だ。」
幸太郎の指示通りに進んでいると狭い路地の近くに着いた。
「この奥の建物みたいだな。」
そう幸太郎が言う。
そこには小さな雑居ビルのような建物が建っていた。
「お前らは待っててくれ。」
俺はそう関西連合、悪英雄の幹部以外にそう伝える。
あまりに人数が多すぎたら、狭い建物の中で戦いにくいと思ったからだ。
そうしてレオを先頭として狭い路地を進んで行く。
建物中に入り、人の気配がする1つの部屋の前まで来た。
その部屋の扉の前でそれぞれが武器を構え、中に入る準備をする。
レオはこちらを向く。
俺達が首を縦に振ると、レオは扉を蹴破った。
「関西連合だ!」
そう言い、俺達は中に入り込む。
するとそこには驚きの光景が待っていた。