ダーク・ファンタジー小説
- 同盟成立 ( No.138 )
- 日時: 2024/05/03 23:25
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
部屋の中に入るとそこには如何にも高級そうなソファーが綺麗に並べられており、その上に拓海、龍心、山下、高松の四人が座っていた。
まぁ龍心に関しては気絶しているの方が正しいかもしれない。
「関西連合様ですね。お待ちしておりました。」
部屋の一番奥にある社長が座ってそうな椅子に腰掛けている男が立ち上がり、俺達に話しかけてくる。
「まずはこれまでの数々のご無礼にお詫び申し上げます。今までの関西連合様に対する攻撃はこの場に集まってもらう為でした。」
男はそう言い深く頭を下げる。
「そもそもお前は誰なんだよ。」
智が男にそう尋ねた。
「申し遅れました。私、『八咫烏』天神隊若頭、四條千手と申します。」
そう四條と名乗る男は再び深々と頭を下げる。
「八咫烏?そんな組聞いたことねぇが…。」
横で綾也がそう呟く。
レオ自身も地方連合レベルとなればほとんどの組を覚えているが、その中に『八咫烏』なんて組が無かった筈だ。
「八咫烏…!?」
そんな中、幸太郎が一人驚いたような声を上げる。
「知ってるのか?」
俺はそう聞いてみる。
「知ってるも何も、情報屋界隈で『八咫烏』を知らねぇ奴なんていねぇよ!」
そう幸太郎は言う。
「そんな有名なのか?」
淳平が幸太郎にそう尋ねる。
「有名レベルの話じゃねぇよ。四国・中国地方の地方連合だよ。」
「ん?」
俺は幸太郎の話で引っかかる所があった。
「けど四国地方の地方連合は「讃岐連合」だろ?それに中国地方だって「三本之矢」がいるじゃねぇか。」
そう綾也が言う。
そう。俺が引っかかっていたのはそこだった。
四国地方も中国地方も別の地方連合が支配しているのだ。
「それは一年前の話だ。今は「八咫烏」が支配してる。」
確かに。俺達が作った書類は去年のデータを基に作った物だった。
だが、地方連合が一年もの間で滅ぼされるものなのだろうか?
それにもし地方連合程の大きなが滅ぼされたとしたならすぐに情報が入ってるくるはずなのだが…。
「私達も有名になったものですね。」
俺が色々考え込んでいる時に男は再び話し出す。
その時の男の表情は少し嬉しそうにも見えた。
「さて、さっそくですが本題に入らせて頂きます。」
そう男が言うと同時に全員な息を呑む。
「単刀直入に言います。我々と同盟を結んで頂けないでしょうか。」
そう男は思いも寄らない事を言ってくる。
「何であんた達みたいな二地方も治めてる組が俺達なんかと同盟を組もうと思ったんだよ?」
そう綾也が四條に問いかける。
「我々も関西連合様と同じ目的だからです。」
「同じ目的?」
「はい。我々も平和の世を創りたいと思っております。その為に関西連合様と協力し、平和な世を創る為に暴走族を殲滅しようと考えております。」
確かに。平和な世を築くという点では目的は一致している。
だが、それ以上に圧倒的な戦力を持ち合わせているという点がかなり大きい。
ここで味方につけられれば天下泰平の世を築くのもかなり楽になる。
「良いでしょう。これから共に協力していきましょう。皆もそれで良いな?」
俺はそう聞くと誰も首を横に振る奴はいない。
俺は四條の手を握った。
四條も握り返してくる。
こうして、関西連合と八咫烏の同盟が成立したのであった。