ダーク・ファンタジー小説
- 次の司令 ( No.140 )
- 日時: 2024/05/13 23:19
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
「神戸に行ってほしい?」
「あぁ。」
俺と龍心と宗樹、そして宗四郎は土曜日の昼に綾也に急に呼び出され、そう告げられた。
「『八咫烏』と同盟も結んだ。俺達が足引っ張る訳にもいかねぇ。だから完全に関西を統一する事にした。」
そう綾也は言う。
「完全に関西を統一って…。まだ統一できてなかったのか?」
そう宗四郎が尋ねる。
「まだ"完全"には出来てないだけだ。大阪は『大大阪連合』の件で、京都は『魔異鼓』が完全に統一したが、残りの兵庫、奈良、滋賀、和歌山の四県が統一出来てない。そこでお前達に兵庫を統一してほしい。」
「別に構わないが…兵庫なら『八咫烏』と挟んで簡単に潰せるんじゃないか?」
そう俺は尋ねる。
俺達が東側、『八咫烏』が西側から攻撃したら簡単に潰せる筈だ。
「『八咫烏』も俺達と同じでまだ四国と中国完全には統一出来てないらしい。まだ『讃岐連合』の奴らや『三本之矢』の元幹部達が暴れ回ってるらしい。」
讃岐連合も三本之矢も地方連合だ。
八咫烏がいくらでかい組とは言えど、地方連合二組を相手にするのはかなりキツいだろう。
「向こうも大変だな。」
宗樹が他人事のように言う。
その視線は明後日の方向を向いていた。
「あ、それとここに寄って行って欲しい。」
そう言い綾也は俺達にスマホの画面を見せてくる。
「どこだ?ここ。」
そこにはマップで映し出された一つの店が映っていた。
見た感じ洋食屋っぽい感じだ。
「まぁいいから。損することはねぇよ。」
綾也はそう俺達に言う。
「で、神戸の何て組潰してきたらいいんだ?」
そう龍心が聞く。
「『神奈』。神戸、姫路、丹波そして淡路島を拠点として活動する『大大阪連合』に次ぐ巨大な組だ。気をつけてほしいのはあいつらは武器の使いに慣れてる。慎重にいけよ。」
そう綾也が言う。
「ま、取り敢えずぶっ潰してきたらいいんだろ?」
そう宗四郎が言う。
「そういうことでさぁ。」
宗樹がそう答える。
こいつらは何も分かっていないようだ。
「明日にでも行っていいか?」
そう俺は綾也に尋ねる。
「あぁ。もちろん。だがそこに寄るのは忘れるなよ。」
余程大切なのか年を押してくる。
「分かったって。」
俺はそう言い、他のメンバーに明日神戸に行けるかをメッセージで聞く。
幸い、誰も用事がある人はいないようで明日行くことになった。
「まぁ、取り敢えず頼むわ。」
そう綾也は俺達に伝える。
「任せろ!」
そう宗四郎が返事をする。
「なら帰りますか。」
そう宗樹はもう入ってきたシャッターに向かって歩き出していた。
「あ!ちょ待て!」
宗四郎がそう急いで宗樹を追いかける。
俺も宗四郎の後を追いかけるが、途中で龍心が追いかけて来ていないことに気づいた。
「龍心。帰ろうぜ。」
そう俺は龍心に声をかける。
「すまん。先帰っといてくれ。」
そう言われた。
何やら綾也と話している。
俺は言われた通り、先に宗四郎達と一緒に帰ることにしたのであった。