ダーク・ファンタジー小説
- 族絡み ( No.2 )
- 日時: 2025/10/19 00:01
- 名前: ミートスパゲティ (ID: xrNhe4A.)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
何とか学校に着いた頃、教室は何やらザワ付いていた。
「何かあったのか?」
クラスメイトの永瀬龍心にそう尋ねる。
「谷が暴走族との関係性が発覚、それがPTAにも伝わって猛抗議。学校側はその対応で手一杯。だから今日は授業なしだとよ。」
龍心はそう簡潔に教えてくれる。
谷というのは俺達、1-1の担任である。
別に好きだった訳では無いが、自分達の担任がそんな事をしていたと思うとかなりショックである。
「遂にあの老いぼれが消えましたか。せいせいしますねぇ。」
そう宗樹が荷物を自分の机に置き近づいてきた。
「お前嫌われてたもんな。」
龍心は笑いながらそう言う。
「本当に。何もして無いんですけどねぇ…。」
宗樹の言葉の通り、学校では何もしてない。
そう、本当に何もしていないのだ。
授業中、試験中、掃除中でも。
嫌われて当然だろう。
そう思っても口には出さない。
何をしてくるかわからないからだ。
「と言うより、これが初めてじゃあないでしょう。」
宗樹の言う通り、教師が暴走族と絡んでいたという事例はこれが初めてでは無かった。
以前にも、2回程同じような事が起こっている。
「ってことは担任変わんのか。」
「そりゃぁそういうことになる。」
例え学校側が谷を許しても、PTAがそれを許さないだろう。
「俺は美人の先生がいいっすね。できたらボン…」
「お前は黙っとけ。」
宗樹が横から口を挟むが龍心に黙らせられる。
「そのうち宗四郎とかも暴走族になるんじゃないですか?」
宗樹が言う宗四郎と言うのは、クラスメイトの一人だ。
かなり自分勝手なところから一部からは恐れられている。
「あいつ人のこと殴ったり、すぐ物取ったり凶暴ですからね。」
「お前も相当だがな。」
自分の事は棚に上げて、こいつは何を言っているんだ。
そう考えていた時だった。
「大ニュースだぜ!」
廊下から叫び声が聞こえる。
「噂をすればだな。」
そう龍心がニヤつく。
「大ニュースだ!」
そう言い、勢い良くドアを開けたのはクラスメイトの渡辺宗四郎だった。
「うるさいんですよ。このクソキノコボケマッシュ。」
宗樹がそう不機嫌そうに暴言を吐き散らす。
「うっさいのはお前じゃ、茶髪ボケクソピアス。」
宗四郎も宗樹に暴言を浴びせ返す。
この二人は犬猿の仲だ。
「そんな事はどうでもいいんだよ。それより、長澤達が暴走族デビューだってよ。」
宗四郎は馬鹿にしたようにそう言った。
長澤達と言うのは、教師たちでも手がかかる程の問題児集団である。
「言った側から…。」
龍心は頭を抱えてうんざりしている。
「まぁ俺らに被害与えないんだったら何でもいいけど。」
宗四郎はそう言った。
「そうだな。」
だが、後に大事件を起こすことなど、この時はまだ誰も予想しなかっただろう。
