ダーク・ファンタジー小説

パンチングマシーン ( No.31 )
日時: 2023/04/09 22:16
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「見ろ!これ!」
そう宗四郎が自慢げに何かを見せてくる。
これからのことを相談する会議中だったのだが突然大声をあげるので皆の視線がそっちに向かった。
「そんなもんどこで拾ってきたんですかぃ?」
宗樹が呆れたそうにそう言う。
「買ってきたんだよ。フリーマケットでな。」
宗四郎は宗樹に中指を立てながらそう言う。
「せっかく出しやろうぜ!」
淳平がそう言い出した。
「じゃあ俺から!」
そう荒がパンチングマシーンの前に立つ。
「ちなみに小学生男子の平均は50程度らしいぞ。」
龍心がスマホを見ながらそう言った。
「オラッ!」
『68kg』
「「「おぉ…!」」」
平均より18も上だ。
「雑魚だなぁw」
淳平がそう煽る。
「じゃあお前もやってみろよ!」
荒がキレ気味でそう言った。
「おりゃっ!」
淳平がそうヘナヘナのパンチを繰り出す。
『42kg』
「雑魚おつううぅ!」
荒が全力で煽る。
「くそがあぁぁ!蓮!仇取ってきてくれ!」
「え?俺…?」
蓮はそうめんどくさそうに言った。
「早く行け!」
そう淳平が後ろから押す。
「ハッ!」
『52kg』
「平均は超えてるけど…まぁ普通だなw」
荒がまた煽る。
「こいつ殺してぇ…」
蓮がそう小さく呟いた。
「じゃあ次は俺でぇ。」
宗樹がそう言う。
「…!」
ーーーバシン!ーーー
そうパンチングマシーンは大きな音を立てて倒れる。
『78kg』
「「「おお!」」」
全員の大きな歓声が上がる。
「まぁこんなもんでさぁ。」
髪の毛をサッとかいてカッコつける。
「どけ。俺がやる。」
そう言い宗四郎が前に出る。
「龍心!あれ!」
宗四郎はそう龍心に言う。
「へいへい。」
龍心は紙のようなものを取り出して殴る場所に貼った。
「これって…」
そう。それは宗樹の写真だったのだ。
「え?」
当の本人も動揺している。
「死ねえええぇ!宗樹いいいぃ!」
そう勢いよくパンチングマシーンをぶん殴る。
「俺なんかしたっけ?」
宗樹はそうへこむ。
『83kg』
「どんなもんよ!」
そう宗四郎が叫ぶ。
「次龍心やれよ!」
そう淳平が言う。
「あ、面倒くさ。」
そう龍心がソファに横になる。
「頭いいだけで弱いんじゃねぇの!?」
そう荒が煽る。
確かに。力が強そうには見えないが…。
「…んだとてめぇ!」
龍心はそうキレる。
「…ッ!」
そう思いっきり殴る。
『85kg』
「ぐおおおお!負けたあぁ!」
そう一人宗四郎が叫んでいる。
他のやつが喋らないのはあまりに強さに圧倒されたからだろう。
「次は陽汰だな。」
「うーい。」
そうパンチングマシーンの前に立つ。
「えーい。」
陽汰はそう言って適当に殴る。
『89kg』
「すげえ!」
蓮が思わずそう叫ぶ。
「流石ですねぇ陽汰。デブなだk」
「ごめーん。手が滑ったー。」
陽汰はそう言って宗樹に思いっきり右ストレートをブチかます。
「次俺やっていい?」
そう虎徹が出てくる。
「いいけど100以上は出すなよ。壊れるからな。」
そう宗四郎が警告する。
確かに虎徹のパンチなら壊れかねない。
「ハアァッ!」
『94kg』
「「「…」」」
皆声が出ない。
すごすぎるのだ。
「あれ?俺まずいことしたかな…?」
そう虎徹が一人焦っている。
「すげぇじゃねぇですか。「喧嘩屋」。」
そう戻ってきた宗樹が虎徹に向かって言う。
「だからその名前は…」
そう虎徹が恥ずかしそうに言う。
「じゃ、最後だな。」
そう宗四郎がこちらを振り向く。
「え?」
俺は思わず変な声を漏らしてしまった。
「頑張れよ。「総長」。」
陽汰までもがそう言ってくる。
「わかったよ…」
本当はあまりやりたくないのだな皆やっているので仕方がない。
「オラッ!」
そう勢いよく殴る。
だが、それがすべての間違えだった。
「…あれ?」
いつまで経ってもパンチ力が表示されない。
「あ…あ…」
宗四郎がそう今にも崩れ落ちそうになっている。
「てめぇ100kg以上だしやがったな!?」
そう宗四郎が胸ぐらを掴んでくる。
「え…?」
わけがわからず動揺する。
ーー「いいけど100以上は出すなよ。壊れるからな。」ーー
思い出した。
そういえば100kg以上を出したら壊れるのだった。
『測定不能』
驚異的なパンチ力に皆が驚く中、宗四郎はただひたすら叫んでいた。