ダーク・ファンタジー小説
- 忍び寄る不穏な影 ( No.37 )
- 日時: 2023/04/21 22:10
- 名前: ミートスパゲティ (ID: Rn9Xbmu5)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「スティンガーねぇ…」
レオの隣でそう呟いたのは6年の山本遥輝だ。
「軽犯罪法ガン無視だな。」
その隣の同じく6年の国崎智がそう言った。
「よっと。」
何か少し考えた後、レオはひょいと積み上げられたダンボール箱から飛び降りて着地を決める。
「そいつらはこっちでやっとくからお前らは関わんな。」
いつもは飄々としているレオがそうかなりキツめの口調で言った。
何かあるのか気になるが、傘下に入ってる以上逆らえない。
「で?どこのチームなんだ?」
そう宗四郎が聞いた。
「えーと…これだ。」
綾也がページをパラパラとめくりとあるページで手を止めた。
「「狩屋」か。…ッチやっぱりか。」
そう綾也は顔をしかめて舌打ちをする。
「何かあったのか?」
そう淳平が尋ねる。
「ん…あぁ。あいにく奴らの傘下でね。」
「奴ら?」
そう荒が頭にハテナマークを浮かべる。
「関東連合か。」
龍心が横からそう小さな声で呟いた。
「あたりだ。」
そうレオが指をパチっと鳴らす。
だから警戒していたのか。
「まぁ、ともかく奴らには手を出すなよ。」
そう綾也が言った。
「あ!」
俺は思わず声を上げる。
「どうかしたか?」
智がそう尋ねてきた。
「あー…いや。ハッカーとか載っていかなーって。」
豊崎連合のときのことを聞きたかったのだが、族の資料なのでハッカーが載っているはずがない。
「それなら心当たりがある。」
「「「!?」」」
そう聞き覚えのない声がする。
倉庫の奥からまた一人出てきた。
「そいつは誰なんでぃ?」
そう宗樹が綾也に聞く。
「泉幸太郎。情報屋だ。」
そう綾也が説明すると男は軽く会釈する。
「で?知ってんのか?」
連がそう尋ねた。
「当たり前だ。確か名前は…池田…祐希?だった気もするが…」
「その話本当か!?」
宗四郎がそう興奮気味に聞く。
「確かそうだった気がする。」
幸太郎は頭を掻きながらそう答えた。
池田祐希というのはクラスメイトの一人で宗四郎とも仲が良い一人だ。
だが、なぜ祐希が豊崎連合につくのだろう。
「まぁ、また情報が入れば教えてやる。」
そう幸太郎はまた奥に消えていく。
「じゃあその件、頼んだぞ。」
レオがそう俺の肩を叩いた。
「わかった。」
俺はそれだけ言い残しまた倉庫を出た。
「準備できてるね?」
男は何かを握りそう言った。
「もちろん。いつでもいける。」
そう仲間らしき人物が言う。
男は黙ったまま頷き楽しそうに言った。
「さぁ。楽しい狩りの時間だ。」
男はそう言い不敵な笑みを浮かべた。