ダーク・ファンタジー小説

最悪の事態 ( No.39 )
日時: 2023/04/25 16:42
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「っと…」
レオに言われた通り適当にそこら辺のチームを片っ端から潰していく。
「これでやっと5チーム目か…」
蓮はそう言い額の汗を拭く。
幸い全て構成人数が5〜10人程度なので、潰すのにそこまで時間はかからない。
「さて、次のところに…」
「ようやく見つけたぞ。」
荒が立ち上がって次のチームの場所に行こうとしたのだが、そこで誰かの声が入る。
聞き覚えのある声だ。
俺は最悪の事態を予想する。
が、本当に最悪なことにその予想は見事に的中してしまった。
「狩屋」だ。
人数は30人程度だろうか。
「さぁ。狩りの時間だ。」
そう総長らしき男が言うと全員が拳を構え殴りかかりに来る。
「クソっ!」
今から逃げようとしたところで間に合わない。
仕方ないので綾也から言われていたある"作戦"を実行することにする。
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「ちょっと来てくれ。」
レオがいなくなって、俺らは倉庫から出ようとしたところで綾也に止められる。
「何だ?」
俺達は言われた通り綾也に近づく。
「はい。これ。」
そう服らしきものを渡された。
「何だこれ?」
宗四郎がそう尋ねる。
「防弾チョッキだ。」
そう綾也は答えた。
「こんなもん何に使うんだよ。」
そう淳平がチョッキを手にとってくるくる回している。
「そうだ。それにレオはやめとけって…」
そう荒まで加勢する。
「あれはお前らのことを心配してだ。それにお前らはそんなヤワな奴らじゃないってわかってる。」
少し間を開けまた話し出す。
「これがあればスティンガーやメリケンサックの威力をある程度防げる。それに…」
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「ふんっ!」
相手はやはりメリケンサックを握っていた。
だが、防弾チョッキを着ているため綾也の言う通り効果はない。
「オラッ!」
相手に反撃のボディを入れて吹っ飛ばす。
他の奴らも同じように戦っている。
「何だこいつら!?」
相手はメリケンサックが効かないことにより驚き、士気が低くなっている。
「へっ!」
気づけば宗四郎が相手の総長の懐まで入り込んでいた。
「ッチ!」
そいつは動揺しながらもポケットから何かを取り出す。
スタンガンだ。
スタンガンとは内蔵している電源回路で高電圧を発生させ、電極部分から放電光や放電音を発生させることができる護身武器だ。
その代わり、メリケンサックやスティンガーのように攻撃のために使うこともできる。
「死ねええ!」
そういい男はスタンガンを振りおろす。
「危ない!」
俺はそうとっさに叫んだが、間に合うはずもない。
「ああああああ!」
スタンガンを腹に当てられて宗四郎は大声で叫ぶ。
激痛だろう。
「ははっ!」
そう男は楽しそうに言う。
「なんてな!」
「何!?」
宗四郎は何もなかったように立ち上がる。
「なぜ動ける!?」
男は逃げることも忘れて問いかける。
「こいつのおかげだよ。」
そう宗四郎は服をめくり腹に仕込んでおいた防弾チョッキを見せる。
ー「最悪、スタンガンくらいは防げるはずだ。」ー
綾也がそう言っていたことを思い出した。
「武器を使っても勝てないお前はただの雑魚!ソリーゾ!お前は俺に負ける!」
そう言い宗四郎は見事に右ボディを入れ、グルリと拳を一回転させる。
「ガバッ!」
男はそう言い吹っ飛ばされ倒れた。
「総長が…負けた?」
他の奴らが動揺している。
総長が負けたのならば動揺するのは当然だろう。
「うわあぁ!」
一人が逃げだし、それに続いてまた一人が逃げ出した。
「これで終わりか。」
そう言い宗四郎は手をパッパッと払う。
「さて。レオに報告しに行くか。」
こうして俺達はまた名を挙げていくことになった。