ダーク・ファンタジー小説

増援 ( No.43 )
日時: 2023/04/27 20:05
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「待って!」
その場から離れようとした俺達を怜が呼び止める。
「その、ありがとう。」
そう怜が言うと後ろの3人も頭を下げた。
「いいよ。次からは気をつけろよ。」
そう何もしていない淳平が言う。
「武道ねぇ…」
横ではそう龍心が呟いている。
「あんな高度な技術を持ってるなんて、何者でさぁ。」
宗樹もそう呟いた。
確かに、拳銃を木で作るなどかなりの技術がないとできない。
「それもだが、人数もわかってないからな…」
龍心の言う通りなんの情報もなしに来たのである。
「それならこれに載ってるんじゃないか?」
蓮がそう書類を出した。
それは綾也からもらった資料である。
「えーと人数は…100人!?」
横から覗き込んだ荒がそう驚きの声をあげる。
いつもなら一蓮托生を狙ってアタマを潰していたが、今回は桁違いの人数だ。
こちらは7人しかいないのに、そんなもので勝てるはずがない。
「借りるか?」
そう龍心が俺に問いかける。
「ああ。」
借りるというのは人のことである。
綾也によれば、「戦いに行ってくれるかわりに電話をしてくれればいつでも人を送る」ということらしい。
「じゃあ、電話するな。」
そう言い宗四郎が通話ボタンを押し、コール音が数回鳴り響く。
『もしもし。』
そう誰かが出た。綾也だ。
それもかなり息が荒れている。
「援軍頼めるか?」
宗四郎が手早くそう言う。
『すまねぇ。今こっちもってんだ。20人くらいしかできない送れねぇ。』
少し少ないと思ったが、来ないよりはマシだ。
「ああ。それで頼む。」
そう俺が応えた。
『わかった。数十分あればそっちに着くはずだ。』
それだけ伝えられ電話を切られた。
とにかく、援軍が来るまで待つことにした。

早いことに、援軍は本当に十数分で来た。
が、かなりガラが悪そうだ。
「早く移動するぞ。」
龍心が待っている間に調べた「武道」の拠点に向かう。
歩いている途中で「こんな奴らで大丈夫かよ。」「弱そ。」そんな声が聞こえる。
舐められても仕方ないだろう。
それに今は歯向かっている場合ではない。
少し歩くと「武道」の拠点の目の前まで来ていた。
「三部隊にわかれてくれ。」
突然龍心がそう言い出した。
「ふざけんなよ。そんなもんで勝てるわけ…」
そう一人が反抗する。
が、その続きを話すことはなかった。
「いいから別れろって言ってんだ。」
そう龍心が腹に響き渡るような声で言う。
そいつもその威圧に押されて反抗することができない。
その後、全員すんなり別れた。
「お前ら二部隊はここで待機。後の一部隊は俺の言う通り行動しろ。」
そう龍心が言う。
「さぁ。すぐに終わらせてやる。」
そう龍心はニヤリと笑った。