ダーク・ファンタジー小説
- 釣り野伏 ( No.44 )
- 日時: 2023/05/01 22:42
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「クソ!こんなので本当に勝てるのかよ!」
俺は思わずそう呟く。
ーー「とりあえず突っ込め。勝てないと思ったらすぐに戻ってこい。」ーー
そう龍心から伝えられた作戦を実行しているところだった。
「他に作戦があるわけでもねぇし、仕方ねぇ!」
俺はそう言い相手の本陣に突っ込んだ。
「何だ!?」
いきなりの奇襲に流石の相手も驚いている。
が、それもつかの間。
すぐに体制を立て直し反撃してくる。
(やべぇ…!)
このままなら全滅すると思った俺は引き下がる。
だが、戻ったところで龍心達はいなかった。
(見捨てられたのか!?)
俺はそう考える。
「ぶっ殺してやるよ。」
そう一人が俺に向かって銃を向ける。
まさに絶体絶命だ。
「敵の罠にわざわざかかりに来るなんて、残念だよ。"武道"。」
奥からそう龍心が現れる。
「てめぇ!舐めてんのか!」
そう標準が俺から龍心に変わる。
「今だ!」
龍心がそう大声で叫ぶと横から隠れていた宗樹達が現れる。
「な!?」
側面から突かれた武道はすぐに壊滅状態に陥った。
「クソっ!」
武道の総長が逃げようとする。
「待て!逃がすかっ!」
俺達はもちろんそれを追いかける。
が、急に男がニヤリとした。
男の視線の先には怜達がいた。
「逃げろ!」
そう宗四郎が叫んだ。
おそらく人質にとるつもりだろう。
そうなればこちらも下手に動けなくなる。
宗四郎の声に反応したが、気づくのが少し遅れた。
怜は男に首を絞められたまま連れ去られる。
「やめろ!」
淳平がそう叫ぶもやめるはずがない。
「動くな!動いたらこいつにこの銃をぶっ放す!」
そう仕込んでいた木製のチャカを取り出して、怜のこめかみに当てた。
「……!」
いくら木製とはいえ、あんな至近距離で撃たれてしまえばただではすまない。
仕方なく俺達は命令に従うしかない。
男はそのまま怜を単車に乗せて連れ去る。
「クソっ!」
龍心がそう地面を殴る。
「こんなことして暇じゃない!今すぐ綾也達に連絡するぞ!」
そう龍心は言う。
俺は連れ去られた怜が心配でならなかった。