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ダーク・ファンタジー小説
- 予想外の助っ人 ( No.45 )
- 日時: 2023/05/08 22:43
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
ーープルルルルルーー
龍心のスマホから数回コール音が鳴り響くが、そのまま切れてしまう。
「クソっ…!」
龍心はそう何も持っていない左手を強く握りしめた。
綾也達の方での抗争が長引いてしまっているのだろう。
「一つ考えがあるんだが…」
そうそれまで黙っていた連が話し出す。
「祐希に頼んでみたらどうだ?」
「「「!?」」」
あまりにも予想外の言葉だったので一瞬皆が固まる。
「確かに、いいかもしれんませんねぇ。」
少しの間を開け宗樹がそう言った。
「…やらないよりはマシか。」
そう龍心が言った。
「そうと決まれば急いで大阪市に戻るぞ!」
そう宗四郎がタクシーを手を上げて呼び乗り込む。
「そうだな。」
それに続いて続々と乗り込む。
「待ってろよ…」
そう呟く龍心の瞳には何かメラメラと燃えるものを感じた。
「ここか…」
俺は「池田」と書かれた表札を前にポロリとそう呟いた。
思い切ってインターホンを押して見る。
ーーピーンポーンーー
数秒後、扉がガチャリと鳴り開いた。
「どちら様で…って宗四郎!?それに皆も…」
そうテンパっている様子である。
「今日はお願いしたいことがあってな。」
そう宗四郎が言った。
「俺のできる範囲なら何でもするけど…」
そう祐希が頬を掻きながら応えた。
「怜のGPSを辿ることってできるか?」
「…!?」
龍心が横から口を挟む。
少しの間、間が開いた。
「扇會や豊崎連合のときもお前の仕業だったんだろ?」
淳平がそう追い打ちをかけるように行っ言った。
「……。」
祐希は案の定黙り込んでしまう。
「今はそんなことはどうでもいいんだ。やってくれねぇか?」
そう龍心が言った。
「…わかった。やってみる。」
そう少し間を開けて俺たちを部屋に案内しパソコンを操作しだす。
俺はそれ眺めながら無事でいてくれと思うことしかできない自分を情けなく思った。
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