ダーク・ファンタジー小説
- 共同任務 ( No.47 )
- 日時: 2023/05/21 22:56
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「できたよ。」
祐希がパソコンを操作し始めてから数分後。
祐希は急に手を止めた。
「本当か!?どこだ!」
龍心が真っ先に聞く。
「ここは…柏原市か?」
横から画面を覗いた蓮がそう言った。
ーープルルルルルーー
突如電話の着信音がなる。
俺はすぐに電話に出た。
『もしもし。何かあったか?』
電話をかけてきたのはやはり綾也だった。
俺は今までのことをすべて話した。
『そのことなら心配ない。既に幸太郎が調べてある。奴らのアジトは柏原だ。』
既に調べられていたらしい。
どうやら無駄足だったようだ。
「今から行ってく…」
『その必要はないぞ。』
そう電話口の声が急に変わる。
レオの声だ。
「何でだよ。」
淳平がそう聞き返す。
『もう既に別の奴らを向かわせてある。』
そうレオは言ってきた。
「別の奴らって…」
『ただ今戻りました。』
そう電話の向こうからまた新しい声がする。
『おぉ。お疲れ。今から来れるか?』
そうレオは尋ねてきた。
「まぁ行ことうと思えば…」
『なら来てくれ。頼んだぞ!』
まだ言いかけていただけなのに。
「あの人は本当に…」
そう呟きながらもしぶしぶ倉庫に向かうことにした。
「おーい!来たぞー!」
倉庫に入るやなんや宗四郎がそう大きな声で叫ぶ。
だが、返事はない。
そこにいたのは暴走族らしきチームが立っていた。
「あんたらがあのクソババ四天王を助けてくれたんでぃ?」
宗樹がそう聞く。
「クソババ四天王というのは先程の女子のことかい?」
総長らしき人物が苦笑いしながらそう言った。
口調も優しく悪そうには見えない。
「あぁ。その件はありがとう。」
龍心がそう言った。
「ああ。いいよ。ところで君たちは?」
そう男は聞いてくる。
「俺らは悪英雄。お前らは?」
そう聞き返す。
すると男は表情を明るくして応えた。
「君たちが悪英雄!?兄さんから話は聞いてるよ!」
そうニコニコの笑顔で応えた。
「兄さんって…」
荒が苦笑いしながら呟いた。
「僕達はHD。兄さんがこの名前にしろって言うからさ。」
「さっきから兄さん兄さんって…。誰のことだよ?」
そう淳平が一番気になっていたことを聞いた。
「綾兄だよ。」
そう男は答える。
「りょ、綾兄って…」
そう荒がワナワナとした声で言う。
おそらく考えていることは皆一緒だろう。
「坂元綾也のことだけど…あれ?人違いだったかな?」
そう男は頬を掻く。
「「「ええぇ!?」」
全員の声が重なる。
まずまず、綾也に弟がいることさえ知らなかった。
「ところで、レオと綾也は?」
そう陽汰が聞く。
「二人ならあっちの部屋で話してると思うよ。」
そう倉庫の中にある一つの部屋を指差す。
「おけ!ありがと!」
そういい宗四郎が走り出す。
ドアノブを回してみたが、鍵が閉まっているようだ。
「こりゃ、どうしたものか…」
そう宗樹が言う。
何かそんなに大切な会話なのだろうか。
だとしたらもっと気になる。
「おらあぁ!どけえええぇ!」
そう宗四郎がすごい勢いで走り込んでくる。
思わず俺は飛び退いた。
そのまま宗四郎はドアにぶつかり無理やり開ける。
「うわぁ!!」
そう中でレオが驚いている。
「なんの話ししてるんだよ。」
そう淳平が聞く。
「い、いや?なんにもないけど?」
いかにも怪しい。
「と、いうより綾也弟がいたんだな。」
そう蓮が言う。
「……まぁな。」
少し間を開けてそう言った。
歯切れが悪い答えだ。
「ところで次はどこを潰せば良いんだ?」
そう龍心が聞く。
「あぁ。そのことだが…」
そうレオが何かを言おうとする。
「おい。本当にやらす気かよ。」
そう綾也が言う。
「もしかしたらやり遂げてくれるかもだろ?」
そうレオがいたずらっぽく笑った。
綾也はもう止めることを諦めている。
「今回は陸達と一緒に行ってもらうぞ。」
そうレオが言う。
「陸って?」
そう淳平が尋ねる。
「さっき会ったんじゃないのか?綾也の弟のことだぞ。」
名前を陸というらしい。
「まぁ!とにかくがんば!」
この人はいつでも本当に適当だ。
俺達は仕方なく行くことにした。
が、この抗争が後に大きく悪英雄を変えるということをまだ誰も思っていなかっただろう。