ダーク・ファンタジー小説

接触 ( No.49 )
日時: 2023/06/06 22:44
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「それでね…」
そう陸が話しかけてくる。
歳は同じらしいが、陽気な性格のせいなのかどうしても陸の方が年下感がでてしまう。
「てか何でレオ達は八苦座を後にしたんだろうな。」
宗四郎が頭の後ろで手を組みながらそう言った。
「ただ忘れてただけじゃねぇの?」
そう宗四郎の問いに陽汰が応える。
「あんな真面目なやつが忘れてるはすねえだろ。」
そう龍心は言った。
確かに、レオはともかく綾也はそんなことないと思うが…
「ついたぞ。」
そう淳平が言う。
ちょうど西成の街についたようだ。
「わぁ…」
何と言っていいのかわからず俺は思わず声を漏らした。
平気で道路で寝ていたり、ポイ捨てが酷かったりなど
、かなり治安が悪いようだ。
それにたして警察も何もしない。
「こりゃ、どっかが
絡んでるな。」
そう龍心が呟く。
「八苦座か。」
俺はそう尋ねる。
龍心は黙ったまま首を縦に振った。
「っし!」
そう宗四郎が口の前で指を立てる。
宗四郎の見る方にはガラの悪い連中が並んで歩いていた。
背中には「八苦座」と縫われてある。
「あいつらか…」
陽汰がそう小さく呟く。
「とにかく後を追う…」
そう淳平が言おうとする。
だが、途中でその言葉は途切れた。
不思議に思った瞬間、後ろから鼻元をハンカチで押さえつけられる。
「ぐぉっ!」
俺は後ろを見ようと振り向こうとするが力が抜けて思うように動けない。
(睡眠薬か!)
俺はそう思ったがそのときにはもう遅かった。
薬を吸いすぎておりすぐに眠りについてしまった。