ダーク・ファンタジー小説
- 怒り ( No.5 )
- 日時: 2024/05/13 23:24
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「扇公園についたが…。」
先程の4年の情報によるとここに華恋を誘拐した犯人がいるらしい。
だが、周りを見渡す限り誰もいない。
「ほんとにいるんですかねぇ?」
宗樹はスマホをいじっている。
「ん?」
「どうした?」
遊具のてっぺんのあたりに人影が見える。
おそらく、あれが華恋を誘拐した犯人たちだろう。
だが背丈はそれほど高く見えず、拓海達と同じくらいに見える。
「あれか…。」
龍心も見えたようでそう呟いた。
「それじゃあ早速…。」
宗樹がありえないスピードで人影の方に走って行く。
「待て!」
龍心もそう言うと全速力で走り出す。
拓海も走り出した頃にはもう宗樹が飛びかかっている。
華麗に腹にパンチを食らわす。
溝内に入ったらしく殴られた相手はその場でヘナヘナと倒れ込む。
「中嶋!?」
誰かがそう言ったが宗樹はそれを聞かずに襲いかかる。
ひとり何もしないというわけにはいかないので急いで龍心達の方に向かう。
「おらあぁ!」
相手も俺が近づいてきたのに気がついたようで構えながら走ってくる。
「フン!」
むかってきた相手を殴り飛ばす。
後ろを振り向くと宗樹が後ろから狙われていた。
「後ろ!」
「あ?」
そう叫んだが、一足遅かった。
振り向いたと同時に宗樹は顔面を殴られそうになる。
「オラッ!」
龍心が宗樹のことを殴ろうとした相手にタックルをし、吹き飛ばす。
「ナイス!」
「借り、1な。」
龍心がそう言う。
「へいへい。」
宗樹は最後の一人を殴り飛ばす。
だが、もう一人残っていた。
「長澤?」
今まで暗闇で顔が見えなかったがよく見てみると、隣のクラスの長澤だった。
「あいつらの言ってたこと本当だったんだな。」
宗樹がそう言った。
「華恋をどこにやった!!」
長澤の胸ぐらをつかみそう言う。
「ここだ。」
指を指した方に回ってみるとそこにはボコボコにされた華恋がいた。
かなり殴られたようである。
「何でこんなことを…!」
俺の心は怒りでいっぱいになり思わず殴りかかりそうになる。
「やめとけよ。」
龍心に腕を掴まれる。
「お前は強いクセに喧嘩を嫌う。だから何か仕掛けないといけねぇだろ?だから華恋を使ったんだよ。」
ーーブチッーー
俺の中で何かが切れる音がする。
「清々しいほどのクズ野郎だな。」
宗樹が髪を掻きながらそう言った。
「お前を殺してやる。」
華恋をあんなふうにしておいて全く持って悪く感じていない。イかれている。
龍心の手を振り払い殴りかかろうとする。
だが横の道で警察が見えた。
その一瞬のスキを涼は見のがさなかった。
一瞬のスキをつき逃げ出す。
「お前ら逃げるぞ!」
「はい!」
そう言い涼と他の仲間達で逃げ出す。
「俺はお前に勝つ。」
それだけ言うと走り去って行く。
「おい!」
もう走って追いかけたって追いつけないようなところにいる。
今はそんなことよりも華恋だ。
急いで病院に連れて行く。
幸い、目の前に病院がある。
華恋の診察をされている間に俺はずっと考えていた。
ーー俺はお前に勝つーー
その意味が理解できない。
また華恋を誘拐するつもりなのかそれか別なのか。
どちらにしろ涼は絶対に許さない。
そう思ったのであった。