ダーク・ファンタジー小説

脱出 ( No.50 )
日時: 2023/06/15 18:51
名前: ミートスパゲティ (ID: 3KWbYKzL)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「うぅ…」
俺はそう唸るような声を出す。
「ここは…」
ようやく意識を戻した俺は何があったのか思い出そうとする。
何者かに睡眠薬を吸わされたのであった。
隣では龍心や陸たちも寝ている。
揺さぶり起こそうとしたが手足を縛られているようだ。
龍心には申し訳ないが龍心の方に倒れこまさせてもらう。
龍心は「うげぇ」と声を漏らし目を覚ます。
「んだよ…」
そう機嫌が悪そうに言っていたのも束の間、だんだん思い出してきたようだ。
「クソっ…」
龍心はそう軽く舌打ちをする。
「とにかく早くほかの奴らも起こすぞ。」
そう俺は提案する。
「あぁ。」
その提案に龍心は潔く納得し次々と皆を起こしていく。(陽汰と宗樹は例外だったが…)
「まずスマホもねぇこの状況でどう助けを呼ぶかだな…」
龍心はそう呟いた。
手足を縛られてる上にスマホも取られているというのはかなりピンチだ。
「とにかく縄が外れればな…」
そう淳平が言う。
確かにそれさえできればかなり簡単に脱出できるはずなのだが…
かなりキツめに縛られてるためそれは難しいだろう。
(まぁ試してみるか。)
そう俺は考え少し力を入れ両手を引き離そうとする。
ーーブチッーー
そう縄がちぎれた音がし両手が開放される。
「皆、これ結構簡単に…」
俺がそう言おうと皆の方を見ると皆口をあんぐりとあけている。
「ゴリラかよ…」
少しムッとしたが今はそんなことをしている暇はない。
「全員のほどいていくぞ。」
俺はそう言い一人ひとりの縄をほどいていく。
外に人の気配はしない。
全員の縄をほどき終わったあと、息を忍ばせ脱出を試みることにした。