ダーク・ファンタジー小説
- 50vs1 ( No.62 )
- 日時: 2023/07/19 22:56
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「ふぅ…」
レオたちが戦い始めた頃、もう智は半数以上を殴り倒していた。
「おらああぁ!」
何回やられてもくじけず拳を大きく振り上げかかってくる。
その根性だけは認めてやろう。
「学習しろっつってんだ。」
智はそうバッケステップで振り上げられた拳を避ける。
そのまま勢い余って地面に衝突した男は無様に気を失ってしまった。
「そろそろ終わらせるか…」
俺はそう言いそこに落ちていた角材を拾う。
「死ねええぇ!」
そう3人ほどがまとめてかかってきた。
「何で同じ方向からかかってくんだよ。」
俺はそう言い角材を振り回した。
角材は男たちに当たり皆当たった場所を抑えている。
「クッソっ…!」
相手はもうどうしていいかわからないという様子だ。
「かかってこねぇならこっちから…」
俺はそう相手の方に向かっていこうとする。
が、俺は足を止める。
異様な気配を感じたのだ。
気配の方向を見てみると男が一人、立っていた。
「てめぇ…何者だ?」
俺はそう男に尋ねる。
おそらく並の者ではないだろう。
「俺かい?俺は…」
そう男はフラフラっと俺に近寄ってくる。
「八苦座の山下っていう男だ。」
そう言うと山下は思い切り地面を蹴り猛スピードて詰め込んでくる。
山下の手には木製のドスが握られていた。
(かわせねぇ…!!)
俺はそうとっさに判断し避けることを諦める。
胸元に隠しておいたドスを持ち山下の斬撃を受け止めた。
「へぇ…やるやないの。」
山下はそう言い一度後ろに引き下がる。
「関西連合特攻隊長、舐めんなよ。」
俺はそう余裕そうに笑って見せる。
が、本来そんな余裕などなかった。
斬撃を受け止めてみてわかったことがある。
こいつは"普通の人間"じゃないということを。
智もかなり戦ってきた歴戦の猛者だが、こいつは比べ物にならない。
(レオたちが来るまで…粘らねぇと。)
俺はそう思いもう一度ドスを強く握り直した。