ダーク・ファンタジー小説
- 武器 ( No.69 )
- 日時: 2023/09/07 18:34
- 名前: ミートスパゲティ (ID: 16oPA8.M)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
宗樹が依頼をこなしていたその時、龍心はあることを考えていた。
(武器がほしい…)
そう考えていた。
武器があるだけでかなり戦闘が楽になる。
大人数の場合ならなおさらだ。
そこで拓海に相談しようと考えていた。
『プルルルルル…』
電話をかけてみたものの数回コール音が鳴り響くだけだった。
音を消しているのだろう。
そう思い、拓海の家まで行き、インターホンを鳴らしてみることにした。
「……。」
やはり反応はない。
出かけているのだろうか。
待っている時間もないので、一人で行くことにする。
俺が向かうのは関西連合のヤサだ。
倉庫のシャッターをノックするとすぐに綾也が出てきた。
「どうした?一人で。」
そう綾也は俺に尋ねる。
「武器について知りたい。」
俺がそう言うと綾也は黙って中に入れてくれた。
ヤサの中は案外広い。
リビングのように使っているところもあれば武器庫のために使っている部屋もある。
作戦会議のための個室もあった。
「レオは?」
俺がそう尋ねる。
「今は一人で喧嘩ふっかけに行ってる。」
一人でって…。
相変わらずやることが恐ろしい。
「で?どんなことが知りたい。」
綾也はある部屋の前で立ち止まって俺にそう聞く。
「種類、数、値段とかだな。」
俺はそう言う。
「そうゆうの系なら実際に見てもらった方がいいな。」
そうその部屋の扉を開け中に入れてもらう
「やべぇな…」
俺はその景色を見て思わず呟く。
部屋の中にはありとあらゆるところに拳銃が落ちていた。
単純にピストルのようなものもあればアサルトライフルのようなものもあった。
もちろん全て木製だが、黒塗りにしてあるためパッと見なら本物に見える。
「種類はこんなもんだ。」
扉の前で立ち尽くしていた俺に綾也が話しかける。
「だいたい何丁くらい持ってんだ?」
俺はそう綾也に聞く。
「これでも200丁あるかないかだ。もちろん、壊れたら即処分だ。」
これでもって、200丁もあれば十分すぎる。
「値段は…買うならアサルトなら安くても3000くらいはするな。」
思っていたよりは安かったが、それでもまだ高い。
まぁおそらくそれほどの高度な技術が必要なのだろう。
「ん?」
そこで俺に一つの疑問が浮かぶ。
「そんな金どこでも仕入れてんだ?」
中学生でもバイトはできるが、生活費や食費、その他諸々合わせてかなりの額になる。
バイトだけなら稼ぎきれると思えない。
「こっちだって売ってるからな。」
そう綾也が俺の問いかけに答える。
「売ってるって…作れるのか?!」
俺がそう驚いて尋ねる。
「俺らアホにそんな大層なことはできねぇよ。他の奴がしてんだ。」
そう綾也が言う。
「他の奴って?」
俺は気になり問いかける。
「俺らの仲間だよ。腕のいい奴がいるからな。」
これを作れるとは相当な腕の持ち主なのだろう。
まぁ何はともあれ勉強になった。
一度してみるのもありかと思う。
「まぁ少し譲ってやってもいいが…。」
そう綾也が言い出す。
「本当か!?」
俺は思わず食い気味に聞く。
タダほど良いものはない。
「あぁ。いいぞ。その代わり…」
そう綾也がニヤリと笑う。
そして大量の資料を持ち出してくる。
「これ、よろしくな!」
そう言いその資料とパソコンを俺に渡してきた。
まとめろという訳か。
まぁ何もせずもらえるわけないよな。
そう思い俺は渋々その仕事を始めた。