ダーク・ファンタジー小説

護衛任務 ( No.77 )
日時: 2023/09/16 22:51
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「よし。集まってくれたか。」
そう綾也は皆の前で言う。
ちなみにだがレオはと言うと、後ろで大いびきをかいてすっかり寝ていた。
実は関西連合からもらっていた休みが今日丁度終わったのだ。
「実はさっそくしてほしい事があってな。」
そう綾也は例のチームが詳しくかいてあるサイトを見せてくる。
「「魔異鼓まいこ」…?」
俺はそこに書かれている文字を読みをあげる。
「そうだ。今回はこのチームの護衛を頼みたい。」
何かと思えばそういうことが。
護衛なら侵攻などよりも楽だろう。
「わかった。その任務、受けよう。」
俺はそう言うと綾也はニカッと歯を見せ笑った。
「何だよ…戦わねぇのかよ…。」
宗四郎は一人そう残念そうに呟く。
平和が一番なのにな。
あいつの平和は大好き日本人の魂はどこに行ったのやら。
「おっと。そろそろ時間だ。頼むぞ。」
そう言うといかつい奴らが俺達を囲んだ。
「あ、そうだ。」と言い綾也がこっちを振り返る。
「行きはそいつらの後ろに乗せてもらってくれ。」
それだけ言うとまた歩き出した。
俺達は綾也の言われた通り一人ひとり単車バイクの後ろに乗せてもらう。
そのまま京都まで突っ走ることになったのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「着いた…。」
蓮が思わず声を漏らした。
京都につくまでの道のりは思ったより快適だった。
すぐに付いたし何よりも風があたって気持ちよかった。
まぁ、スピード違反で警察に追っかけられたりしたこと以外は。
たが流石というかそんな時は冷静に対応していた。
素晴らしいと思う。
「「魔異鼓」との合流地点はここだ。」
そう一人が説明してくれる。
「ありがとう。」
そう龍心が礼だけすると、皆それぞれ帰っていく。
「さて、何をするか…。」
俺はそんなことを呟きながらもスマホで例のサイトを開く。
魔異鼓についてもう少し調べてみようと思ったのだ。
ーーーーーーーーーー十分後ーーーーーーーーー
調べてわかったことを発表しよう。
とりあえず関西連合の傘下らしい。
だが、参加というところは同じだとしても俺達とは治めている面積が違った。
魔異鼓は京都をほとんど平定しているらしい。
一県を治められるなんて普通に凄いと思うが。
まぁ、その凄いチームを傘下に引き入れる関西連合がどれだけすごいのかな皆さんもうおわかりだろう。
「それにしても遅いなぁ…。」
そう淳平が愚痴をこぼす。
「まぁまぁ。気長に待とうぜ。」
そう陽汰がなだめる。
「すまん!遅れてしまった!」
そう聞き覚えのない声がする。
「噂をすればなんとやらだ。
そう龍心が言った。
目の前には大きく「魔異鼓」と書かれた服を羽織っている人物と、その部下らしき者が何人もいた。
だが、皆名前の割には顔が優しい。
「今回は護衛、感謝する。」
恐らく総長の男がそう頭を下げ、何か手土産のようなものを渡してこようとする。
「いやいや。礼など受け取れません。」
そう龍心が丁重にお断りする。
(龍心はこういうの得意だからな…。)
俺は内心そんなことを思う。
今日の任務の具体的な内容は魔異鼓を大阪の関西連合のもとまで送り届けることらしい。
「ささ、行きましょう。」
そうその総長らしき男の隣りにいた者が皆をリードする。
俺達もついていくが忘れてはいけない。
今日は護衛という任務のために来たのである。
他の皆もピリピリとした空気を漂わせている。
「ここらへんは大丈夫だと思います。」
そう俺の隣から急に声がする。
そこには一人の男が立っていた。
(こいつ…!気配がなかった!)
内心そう焦るが極力顔に出さないようにする。
「どうしてですかぃ?」
宗樹がそう尋ねた。
「ここら辺は魔異鼓が治めている土地なんで。なかなかそういう輩はいないと思います。」
そう、優しく言った。
この男、一見優男に見えるが恐らく凄い戦闘センスの持ち主だ。
「まぁ、そんな奴らがいても俺達がぶっ飛ばすがな!」
そう宗四郎が言う。
そんな宗四郎の一言で皆笑い、少し場の空気が和んだ。
これなら案外楽に終われるかもしれない。
そう思った俺が馬鹿だった。
この任務が恐らく、今までに一番キツかった。