ダーク・ファンタジー小説
- 急襲 ( No.81 )
- 日時: 2023/09/19 22:57
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
飯を食い終わった後は少し魔異鼓の皆と話した。
話はかなり盛り上がり、もうとっくに1時間は超えていた。
「まだ寝ねぇのか?」
そう宗四郎が言う。
俺も時計で時間を確認してみるともう11:00は過ぎていた。
「いや、そろそろ寝るわ。」
そう言い瑠騎が寝転がる。
「俺もそうしよー。」
そう進も同じように寝転がった。
「じゃあ俺も…」
そう宗樹が同じように寝ようとする。
俺はそれをすかさず止める。
「お前は寝れねぇよ。」
そう俺は言う。
「何でですかぃ?」
そう宗樹は俺に問いかける。
「寝てる時に襲われたらどうするんだ。」
そう俺は宗樹に言う。
「寝ながら戦う。」
「アホなこと言うな。」
俺はそう言いこのアホな会話を終わらせる。
「とにかく、起きとけよ。」
俺は宗樹にそれだけ告げテントから出て外を見張っておく。
テントの中では魔異鼓の皆が寝息をたてて寝ていた。
「何も起こらなければいいけどな。」
そう隣で龍心が呟く。
「変なフラグたてんなよ。本当に何か起こったらどうするんだよ。」
そう蓮が言った。
「まぁ、大丈夫だろ。」
淳平がそう能天気なことを言っている。
まさかこの後、蓮の言っていたことが実現するなんて、夢にも思っていなかった。
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「眠ぃ…」
見張りを始めてからもう3時間も経った。
結局あれから何も起こらず平和な時を過ごしている。
「暇だな…。何か起こらねぇかな。」
そう宗四郎が川に向かって石を投げる。
その石は水面で3回跳ね、そのまま沈んでいく。
「ッ!」
俺は突然ただならぬ殺気を感じ咄嗟に振り向く。
振り向いた方向では月の光を反射した黒いチャカが見えた。
「全員隠れろ!」
そう俺は皆に指示を出す。
「撃て!」
その次の刹那、一人の合図を初めに、「ダダダダダ」と一斉射撃が始まる。
皆物陰に隠れているため幸い弾が当たることはないが、これだけ撃たれていたら流石にチャカで反撃するということも難しい。
「何だ何だ!?」と魔異鼓の皆も起き上がる。
「そういや、拓海。お前ライト持ってたよな。」
そう岩越しに龍心の声が聞こえてくる。
「持ってるけど…こんな時に何すんだよ。」
俺は龍心に尋ねる。
「いいから。お前らは俺の合図で一斉に撃つんだ。」
そう龍心が全員に指示を出す。
皆その指示を聞き、手にチャカを握る。
「3…2…1…今だ!」
その合図と共に俺達は岩陰から思い切って頭を出す。
その瞬間だけ銃声は鳴り止んだ。
「眩しい!」
そんな声が聞こえる。
恐らく龍心のライトで目潰しをされたのだろう。
ーーーーーーーーーダダダダーーーーーーーーー
今度はこちらの反撃が始まる。
皆一心不乱にチャカを撃っている。
龍心のライトのおかげで相手がこちらからは見える。
だが、相手もプロらしい。
絶対に頭を見せないようにしている。
当たったとしても全て急所は外されていた。
ーーーーーーーーーパキッ!ーーーーーーーーー
突然何かが割れた音が鳴り目の前がまた真っ暗になる。
撃ってきていた相手の弾がライトに当たったのだろう。
「やべぇ!」
岩陰から飛び出ていた宗四郎がそう言いすぐさま岩にまた隠れる。
「キリがねぇ!」
そう言う声が聞こえる。
それと同時に大勢の敵が橋から飛び降りこちらに走って近づいてきた。
「クッソ!」
そう俺は思わず言う。
遠距離戦もたが、近距離戦にもこちらに分はない。
「死んどけ!」
俺はそう襲いかかってきた相手の一人を殴り飛ばす。
だが、次の刹那には相手からの反撃の拳が飛んでくる。
(相当鍛えられてるな…。)
多分今まで対峙してきた中で一番の強敵だろう。
これは一瞬でも集中力を切らせたら負ける。
俺はそう思いただ目の前の相手と戦うことだけに没頭する。
だが、ここから事態は更に深刻化していく。