ダーク・ファンタジー小説

まさかの援軍 ( No.87 )
日時: 2023/09/23 23:38
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「ぐ…おぉ…。」
体を起こそうとするだけでも激痛が走る。
あれから俺達はなすすべもなくボコボコにやられている。
「今日はこいつを殺れば終わりだ。」
そう言い瑠騎にチャカを向ける。
「やめろおぉ!」
そう達規が後ろから折れた槍の破片で刺そうとする。
だが、そんな攻撃が効くわけもなく、男は後ろ蹴りを達規にいれる。
「おっらぁ!」
進はコンクリを持ち男に投げつけた。
男はひらりと見を躱すとコンクリは地面に当たり砕けた。
何の意味もない攻撃のように見える。
だが、それはチャンスでもあった。
この男は毎回自分が攻撃を受けないように必ず躱していた。
それがわかっていた俺はスタートを切りドスで脇腹を刺そうとする。
「いい加減死ねや!」
そうすべてを賭けた一突きをくらわせる。
だが、現実は無慈悲であった。
男は俺の手首を持ち、一回転させる。
「うがあぁぁ!」
その激痛に絶えれず俺は思わずドスを離す。
「先にお前から死ね。」
そしてそのドスを俺に向かい振り下ろす。
「やめろおおおぉ!」
そう龍心が叫びチャカを乱射する。
その内の一弾が上手く当たり、男はドスを離す。
「ちょこまかと…。」
そう男は少しキレ気味で言う。
「お前らが時間を稼いだところで誰も来やしねぇ!」
そう男が懐からまたもや大量の爆弾を取り出す。
「させねええぇ!」
マフラー音と共にそう聞き慣れた声がする。
綾也だ。
その後ろには虎徹も乗っている。
綾也はバイクから片手を離し、チャカを撃つ。
その弾は男の持っていた爆弾に当たりその場で爆発する。
「すげぇ…!」
そう淳平が思わず声を漏らしていた。
土煙が舞い、男が見えなくなる。
その煙から徐々に人影が見えてくる。
「酷いことすんねぇ。」
そうまた男の口角が上がる。
「おっと、来たのは俺達だけじゃねぇぞ。」
そう綾也が言う。
後ろからは大量の隊員達が来ていた。
それは男と他の隊員たちを合わせたとしても遠く及ばないほどの人数だった。
「ッチ…。」
分の悪さを理解したのか男は背を向け歩いていく。
「待て!」
そう蓮が叫びチャカを撃つ。
男は見向きもせずにその弾を全て避けた。
「あいつは…!」
綾也が男の後ろ姿を見て何かを呟く。
「知ってんのか?」
俺はそう聞いた。
「何で奴らがここに…。」
だが俺の言葉など聞いていないようでずっと独りでぶつぶつ何か言っている。
「てか、何でここがわかったんだ?」
そう龍心が虎徹に尋ねている。
確かに、魔異鼓の護衛をすることがわかっていてもここで野宿するということは知らなかったはずだ。
「それは佑樹がお前らのスマホをハッキングしたんだよ。」
ハッキングという言葉には少し抵抗があったが、助かったので文句は言えない。
「とりあえず、帰るか。」
そう綾也が言う。
俺はその言葉の通り怪我をした仲間を連れ、ヤサに帰った。