ダーク・ファンタジー小説
- 内通者 ( No.88 )
- 日時: 2023/09/26 23:03
- 名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
「結局あいつは誰だったんだよ。」
そう俺は綾也に尋ねる。
あの男との戦闘を終え、瑠騎達を北野病院まで連れて行った帰り道のことだった。
「死酢苦…何であいつらがここに…。」
そう綾也は呟く。
「死酢苦って…関東連合の傘下じゃねぇか!?」
そう龍心が声を上げる。
「あぁ。よく知ってるな。」
そう綾也が言う。
龍心いわく、「無限労働時に見つけた。」らしい。
「てか、何で魔異鼓の総長を連れてくんだよ。」
そう綾也が俺達に言った。
「え?俺らに来るようにって綾也さんからメールで来てたんすけど…。」
そう魔異鼓の中で唯一軽症だった進が言う。
「あ?俺は使者を送るようにって言ったが…。」
そう言いながら綾也はスマホをいじり「ほら。」と言い俺達に画面を見してくる。
確かにそこには「使者を送るように」と書いてある文章が映っていた。
「けど俺の方では…。」
そう進もスマホを操作し始める。
「ほら。これ…。」
その画面を見ると今度は「直々に来るように」と読み取れる文が書かれてあった。
「何だ、バグか…?」
そう陽汰が言う。
「いや、他のところでは正常に使えてる。誰かがわざとやってんだろ。」
そう綾也は言う。
「それはつまり…内通者がいるってことか?」
淳平がおそるおそるそう聞く。
「あぁ。恐らくそうだろう。」
綾也は冷静に答えた。
なぜ冷静でいられるのかは謎である。
「関西連合に所属している兼インターネットの扱いが得意なやつと言えば…。」
そう綾也が言う。
「おい。それは佑樹のことを言ってんのかよ。」
そう宗四郎がキレ気味に言う。
「そいつだけじゃねぇよ。」
そう龍心が横から口を挟んだ。
「じゃあ誰…」
「情報屋、幸太郎か…。」
俺は思わず声を漏らす。
「「「!?」」」
その言葉には皆が驚く。
「おい、幸太郎はお抱えの情報屋じゃねぇのかよ?」
そう荒が聞く。
「それでも裏切る可能性がないとは言えん。」
そう綾也は冷酷に言う。
確かに、幸太郎が裏切っていないという証拠はどこにもない。
「このさいハッキリさせるが一番だな。」
そう蓮が言う。
「そーだな。」
そう綾也が言った。
だが、その言葉は少し悲しそうに聞こえた。
「ガキはさっさと帰って寝ろ。」
そう綾也は俺達に言う。
「ガキって…。綾也はどうすんだよ。」
俺はそう問いかける。
「ヤボ用だよ。」
そう綾也はこちらを向いて言う。
暗いため表情は見えない。
だが、その声は何かを決心した声だった。
俺はなんとも言えない不安を感じながら家へと帰った。
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(火) お悩み相談室復活!龍心と拓海で後輩の頼みを聞く。(前編)
(水) お悩み相談室復活!龍心と拓海で後輩の頼みを聞く。(後編)
(木) 関西連合の中での内通者を探す。思わぬ人物が…!?
(土) 関西連合の皆で寿司パーティ!!