ダーク・ファンタジー小説

新発見 ( No.9 )
日時: 2023/02/19 23:46
名前: ミートスパゲティ (ID: LQINEF0U)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「ふああぁぁ…。」
俺は大きく口を開きあくびをした。
昨日、結局あのことが気になりあまり寝られなかった。
幸い、今日は休日なので二度寝することだって許される。
背中に縫われてあった「堀川軍」というのも調べてみたが結局何も分からず終いだった。
『ピーンポーン』
布団に潜り直し二度寝しようとしたとことでインターホンがなる。
どうせ宅急便だろうと思いそのまま無視する。
『ピーンポーン』
『ピーンポーン』
(なんだよ…。)
あまりにもしつこくなり続けるため一度カメラを確認する。
そこに映っていたのは宅急便でもない、龍心と宗樹だった。
わざわざ玄関まで行って扉を開ける。
「よっ!」
そう言い宗樹が勝手に家の中まで入ってくる。
止める気力もないので放っておく。
「おもしれぇことがわかったぞ。」
そう言って龍心も入ってくる。
「おもしろいことって?」
気になり食い気味になって聞く。
「まぁそう焦んなって。」
龍心はそう言い床に腰を下ろした。
「昨日のやつの素性を調べててな…」
龍心はそう言いながら手に持っているスマホをスクロールする。
「これ。」
龍心は一つのサイトを開きそれを俺に見せてくる。
「大阪の暴走族一覧…?」
「あぁ。」
こんなサイトをどこで見つけたのだろうと思いながらも見続ける。
「武道」や「八苦座ヤクザ」など有名な暴走族の名前もあれば、「豊崎連合」や「天満隊」など聞いたことの名前の暴走族の名前などが載ってある。
見ているうちに思ったことはやはり多いということだ。
かなりの量があり軽く150は超えていそうだ。
一番下に近づいてきたころに見覚えのある名前を目にする。
「堀川軍」
間違えない。あのときの暴走族の名前だ。
「な?あったろ?」
龍心はそう自慢げに言ってくる。
詳細も載っているみたいなのでそちらも見てみることにする。
結成年度は2022年、つい最近だ。
総人数も30人とそう多くないらしい。
「堀川ってここですかぃ?」
宗樹はそう言いスマホでマップを開いて見せてきた。
そこには堀川小学校が映っていた。
堀川がつくのはここくらいしかない。
そのため、ここと断定していいくらいだ。
だが一つ気になることがある。
「何でこいつらは俺たちを狙うんだ?」
淳平、荒、龍心。襲われているのはいつも一緒にいる面子メンツばかり。
偶然と言ってもあまりにもおかしい。
なぜそこまでして俺たちを狙うのかわからない。
「俺たちに恨みを持つ奴らなのか、それとも…。」
龍心がそう言い変に焦らす。
「早く言えよ。」
「推測に過ぎないが涼たちと関係があるのか、だ。」
確かに、涼ならば俺たちに恨みを持っている。
だが、なぜ堀川軍がそれを手伝うのだろうか?
涼も確かだが暴走族のチームを創っていたはずだ。
普通ならば敵対しているだろう。
「何で手伝うんですかねぇ?」
宗樹が俺の言いたかったことを言った。
多分、誰に聞いても同じ考えなのだろう。
「同盟を結んでいたとしたら?」
「「同盟?」」
宗樹と俺の声がシンクロする。
「一つの目的に向かって一時的に同盟を結んでいるのかもな。」
俺たちは涼に勝った。涼は俺たちに復讐をする。
だが今のままでは勝てないことが明確。
だから堀川軍を頼った。
堀川軍にメリットがあるのかは知らないが、おそらくはそういうことなのだろう。
「どうするかな…。」
涼の時みたいに3人でやり合っても人数差がありすぎて勝つことは難しそうだ。
「他のやつも誘ってみるか?」
宗樹がそう提案してきた。
「そうしてみるか。」
龍心も頷いた。
「そうと決まればな…。」
そう言い宗樹は立ち上がり靴を履く。
「俺たち、聞いてくるんで」
龍心も同じように靴を履いた。
「集まり次第連絡するわ。」
そう言い出て行ってしまった。
急に来て急に帰る。
なんとも迷惑な奴らだと思った。
おそらく戻ってくるまでかなり時間があると思う。
俺は二度寝することを決心した。