ダーク・ファンタジー小説

Re: 命懸けの人狼ゲーム 第7話 ( No.9 )
日時: 2023/05/29 00:01
名前: Riaゆく (ID: u983PnDc)

〈朝になりました。近藤勇斗と中田孝介、上原奏多は死体として発見されました。議論を開始してください〉
【美味しいパンが焼けました】
近藤が、死んでいる。
今晩ヴァンパイアは俺を狙っていたしハンターはすでに死亡しているからその可能性もない。
つまり…
(猫又!)
俺がふと佐倉の方へ目をやると、どうやら同じことに気づいたらしく、彼女もまた俺の方を見ていた。
「三死体出ているけど、どうする?」
俺はあくまでも冷静を装い尋ねた。
すると、一人の女が口を開いた。
「一応囲っている可能性もあるかと思ったので、私は上原さんを占いました。ですがその結果は白でした…」
岡田美奈。
彼女は9割方本物の占い師なので、この発言は信用していい。
占い先がすでに死亡しているあたり、おそらく妖狐を呪殺したのだろう。
だが、この情報を開示すれば役職が透けかねないので伏せておこう。
と、俺がそんなことを考えている間に松尾は言った。
「時間がないから、早くもう一人の占いと霊能者の結果を出して欲しいんだけど」
「そうですね、僕の占い結果は黒川さんが白です。占った理由は岡田さんと同じく囲いの可能性があるから、以上です」
相馬がそう述べた後、霊能結果がそれぞれ開示されていった。
無論、全て白だったわけだが。
それから少し、これからの流れについての話し合いがなされた。
要約すると、いつまでもグレランをしているわけにはいかないため、占いが黒っぽい人をどんどん占って白位置と黒位置をはっきりさせようとのこと。
そして、今日もこの時がやってきた。
〈議論時間終了です、投票時間に入ります〉
投票すべきは役職coしていないもしくは占い師に白を出されていない、人狼陣営でない人物が最適。
その候補は水無瀬、山根、鹿野、篠崎、そして…天堂。
この5人であればおそらく誰に入れても怪しまれないだろうから、とりあえず天堂にでも入れておくとしよう。
〈投票時間終了です〉
後藤→天堂 天堂→後藤
黒川→山根 佐倉→篠崎
水無瀬→黒川 岡田→佐倉
竹田→鹿野 相馬→篠崎
山根→篠崎 松尾→山根
藤原→天堂 鹿野→後藤
篠崎→藤原
〈投票の結果、3票で篠崎美空さんが処刑されます〉
〈篠崎さん、遺言をどうぞ〉
「特にありません。それが民意であるのなら、私にはそれに従う義務があります」
そう言い残した彼女は、無惨な死体へと成り代わっていった。
少ししてから俺が辺りを見渡すと、そこにはもう誰も残っていなかった。
もしかしたらみんなはもうこの現状に染まりつつあるのかもしれない。
そんなことを考えながら家に戻っている俺もまた、この現状に染まっているのだろうが。