ダーク・ファンタジー小説
- プロローグ1 ( No.1 )
- 日時: 2023/03/22 18:55
- 名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)
目を開けるとそこは雲一つない青い空だった。
あれ?
僕は今まで何をしていたのだろう?
なんで寝ころんでいたのだろう?
そもそもここはどこだろう?
色んな疑問が僕の中で駆け巡る。
とりあえず僕は体を起こすことにした。
僕「え?」
周りを見て唖然とした。
全く見たことのない景色に全く見たことのない動物。
虹色に光る植物。そして.....アニメなどで見たことがある耳がとがったエルフのような女性。
エルフ「あ、こんにちは」
訳が分からない。
どういう訳か、記憶もない。
いや正確に言うと自分が何者であるかなんかはわかるのだが、
自分の情報とアニメや本などの情報しか思い出せない。
というかこの人は誰なんだ?
エルフ「君…ここら辺じゃ見ない顔だよね?どこから来たの?」
???
この人発言からして、誘拐や拉致などの犯罪に巻き込まれているのではないことがわかる。
しかしだとしたここは本当にどこなんだ?
アニメなどの異世界転生と言われるものなのであれば死んだときの記憶が――とか、
何かしらのきっかけがあってそれを覚えていることが多いはずなのに。
しかし今起きている場面は紛れもなくアニメやラノベの『ソレ』だし、
エルフなどがいるのもより異世界転生説を確信に近づけるものだ。
そんなことを考えていると女の人は少し悩み、閃いたような顔をしながらつぶやいた。
エルフ「もしかして――人なのかな?」
そういうと、女の人はよくわからない言葉を使い始めた。
エルフ「!#$%’’:))%##$$%*#$?」
聞いた感じだと、英語や中国語や韓国語などの言語の発音ではなかった。
というか聞こえるとも言わないのかもしれない。
その人は口を動かしているのだが言葉自体が頭に響いて音としては聞こえないような感じなのだ。
とりあえず僕は女の人に自分の事を伝えることにした。
僕「あの―――」
エルフ「うわ!?喋った!?」
エルフ「っていうかまさか、私と同じ国のトレイト人なのか!?」
女の人はトレイトという聞き覚えのない言葉を言った、それにより僕は自分の身元を言うことよりもトレイト人という新たに聞く言葉に興味が湧きそれについて聞くことにした。
僕「…トレイト人?とは何でしょうか?」
女の人は僕にトレイト人について、やその中に出てくるノブレス人についても説明してもらった。
この世界は人種というものは大まかに二つに分けられている。
その二つがトレイト人とノブレス人だ。
トレイト人はエルフのような見た目の人や、オークのような見た目の人がいて、奇術(僕たちの世界で言う魔法)と呼ばれるものを扱うことができるらしい。
次にノブレス人と呼ばれるものについてだ。
ノブレス人は黒人と白人の見た目をしていて、頭がトレイト人より良く、奇術が使えない代わりにとんでもなく強い兵器を開発しているらしい。
そして全体的にノブレス人はトレイト人を差別する風潮があり、
今現在、あるトレイト人の国とあるノブレス人の国では冷戦状態が続いている。
何となくだが、今僕がどんな状況にあるかを理解した。
ここで一つ疑問が生じる。
僕の見た目は完全にノブレス人なのに、なぜこの女の人は僕の寝ている間に殺したりしなかったのだろうか?なぜとなりにいたのだろうか?
差別をされている対象の子供が目の前にいるのに、何もしないなど少し考えにくい。
そこで僕は女の人に聞いてみることにした。
僕「なんで僕に何もしなかったんですか?差別を受けさせている奴の子供なのかもしれないのに」
すると女の人は一回真顔になってしばらくたった後、ハッとしたかのように
エルフ「確かに…!」
と言った。
この人は頭が弱いのかもしれない…
というか、つまりこの人は何となくで敵を信用する可能性がある。
本当に危なっかしい。
エルフ「…っで!私は知っていることを全部話したんだからあなたの事も教えてよ!」
そういわれて僕は一番最初に言おうとしていたことを思い出した。
そうだった、僕の事を伝えようとしていたんだった。
僕「僕の名前は――――」
第一話 ここはどこだろうか?
次回へ続く…
- プロローグ2 ( No.2 )
- 日時: 2023/03/22 18:59
- 名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)
僕「―――です」
僕は自分の名前を言った後、どこから来たのかわからない旨を伝えた。
すると女の人は驚いたような表情で、僕の顔をまじまじと見つめると、
エルフ「もしかしてあなたは、記憶喪失ってやつなんじゃないの?」
記憶喪失か…否定はできない。
なにせ僕が知らないことはまだまだあるのだから。
転生、または転移にはそりゃ負荷もかかるはず、その負荷に脳が耐え切れず記憶が飛んでしまう
ということもあるのかもしれない。
エルフ「あっそうだ!私の名前を言ってなかったね!私はサリー・ノエドっていうの!サリーって呼
んでね!」
女の人――サリーは自己紹介をするとなんやかんやで自分の住んでいる家へと招いてくれることになった。
家がある街は中世ヨーロッパのような雰囲気で、見る人見る人みんなトレイト人だった。
予想通り、街の人たちは僕の顔をジロジロとみて、ヒソヒソ話していた。
そんなことはつゆ知らずサリーは少し大きめの家の前に止まると、こっちに振り返り、大声で言った。
サリー「ここだよ!私のおうち!!」
周りの人たちの視線が集まり、背中越しからでも見られていることが分かった。
サリーの家は正直に言うと、街の雰囲気とまっっっったく合っていなかった。
この家の雰囲気を一言で言うならば『和』だろう。
すっごい古風な感じだ。
サリーはそんな僕の考えていることが分からないようで、どう?いいでしょう?
みたいな感じで聞いてくる。
僕は笑顔(多分苦笑いだった)で
僕「い、いいと思います…」
サリー「でしょ!!」
サリーはドヤ顔でこっちを見てくる。
そして僕は家の中へ招かれた。
やっぱり中も古風…じゃなかった。
意味が分からない。
中は周りの家の雰囲気に合っていた。
つまり外は和風、中は中世ヨーロッパっぽい家だ。
僕はびっくりしつつも、一つ一つの部屋を説明された。
その中の一つの日差しが入る窓があり綺麗な部屋でサリーは驚くべきことを言った。
サリー「――でここが君の部屋ね!」
僕「え?」
彼女の中ではもう僕はここに住むことになっているようだ。
まるで何か変なことを言ったかのように不思議そうにこちらを見てきた。
サリー曰く、僕を保護をするつもりらしい。
僕は遠慮したが(この人を本当に信用していいのかっていう不安もあった)
子供なんだから大人に遠慮しないで!と言われてしまい
半ば強引に住むことが決定したのだ。
僕の部屋にはいろいろなものが用意されていた。
まず机に椅子、クローゼット、クローゼットの中に入っていた衣服(大きさ不明)、本棚(結構分厚い本多め)、机の上に置いてあった手を置くことができる溝?のようなものがあるひらべったいガラスの何か、…とまぁ思っていた以上になぜか生活必需品が置いてあった。
なんでこんなに用意されているのかものすごく怖いから、何か起きても対処できるように今日は寝ないでこの部屋を調べようか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
部屋のものを見ているとご飯ができたようでサリーが呼びに来た。
ご飯は見たことのないものばかりだが全部おいしそうなものだった。
ご飯に何か入っているかもと気づいたのは口に入れた直後だ。
毒を食らわば皿まで、もうどうでもよくなってたらふく食べた。
お風呂にも入ったがやっぱりとても広く、死ぬほど熱かったため、シャワーだけにした。
すべての事が終わりサリーに寝る挨拶を交わす。
―――――――とここまでが僕が部屋を調べるまでに行ったことだ。
そして僕は今、謎のガラスの溝に手を置いてみてここが異世界であることを確信した。
【ガラス】➡ ○▲ ▽◇ セイベツ;オトコ
所持シテイル奇術 バリア level1 自分の前方に半径1メートルの絶対に割れない
円形のバリアを張る
適正ジョブ ?????????????
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バグっているのか知らないがガラスは意味不明な文字を羅列し始めた、そしてガラスは音もたてずに静かに割れてしまった。
興奮が冷めない僕は理解した
ここが異世界であると。
まぁもともとおかしいところもあったけど…
ようやくわかった。
僕は異世界に来たのだ、しかも奇術を僕が使える、そのことを考えていると僕はワクワクが止まらなかった。
しかし、転移または転生はたまた食事の影響だろうか、急激な睡魔に襲われ、部屋の中央に置かれた机に突っ伏して寝てしまった。
朝起きると僕はベッドで寝ていた。
そして
僕の隣でサリーが血を流し、床にあおむけで倒れているのだった。
プロローグ2 確定していた結末、
次回へ続く…
- プロローグ3 ( No.3 )
- 日時: 2023/03/22 18:59
- 名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)
酸っぱいような生臭いようなにおいが僕の鼻をつつく。
僕「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
一体ここでは何があったのだろう。
よく周りを見ると部屋は血の海だった。
そしてサリーの他にも何人かの人が倒れていた。
その人たちは全員…
トレイト人だった。
なぜサリーは殺されたのか。
そう考えると一つしかない。
僕の所為だ。
そう理解した瞬間に僕は昨日食べたものを吐しゃ物として吐き出す。
もうだめなんだ。
ここにいてはいけない。
僕はこの街には住めない。
僕は血で湿った床を口を押えながら、踏みしめその部屋から出た。
部屋の外はもっとひどかった。
血で水たまりができている。
僕「うわぁfjgaowjgeow;iugihewl!」
また僕は枯れたはずの胃の中のものを吐き出す。
吐き出したものは血だった。
僕「jah;iwehinblahiawg」
その血を見て、僕は気が狂いリーの家を飛び出した。
その判断は間違いだったんだ。
なぜなら、
街の人たちが、家の前で倒れていたからだ。
そこで僕の中での何かが壊れてしまった。
そうだ。
全部僕の所為だ。
いや、僕以外のみんなの所為だ。
そうなんだ。
いや違うんだ。
サリーが、
街の住人が、
死んだのは、
僕は笑っていた。
涙も、吐しゃ物も何も出なかった。
そこで僕は気を失った。
??「おい」
誰かが呼んでいる、声は女の人のようだった。
??「おい」
誰だろうか、サリー…ではないか…
??「おい」
いったい何なんだ。
??「起きろ」
女の人から一瞬で男の冷たい声に変わる。
僕は目を覚ます。
青い空…ではなかった。
赤い空だった。
血のように真っ赤に燃えていて、
空には戦闘機のようなものが飛んでいる。
??「起きたか」
僕のそばには誰かが立っている。
その人はゲームでよく見るイノシシのような顔のオークだった。
オーク「早く体を動かせ、もうそろそろここにもあれが落ちる」
僕は体を起こすと、周りを見渡す。
サリーの家も周りの人たちの家も、何もなく、火の海だった。
周りの状況を瞬時に確認し、オークの指さす方を見る。
戦闘機から爆弾が何個も何個も落とされている。
その様子は歴史の授業などで見る、戦争中の戦闘機だった。
オーク「立て、早くしろ」
そういって僕を立たせると、両肩に手を置いて
オーク「いいか、絶対に今から体を動かすな、何があってもだ」
と言った。そして、何かをぶつぶつつぶやき始めた。
しかし、僕たちの真上の戦闘機から爆弾が投下された。
オークは焦っている様子もない。
爆弾は近づいてくる。
そして僕たちのところに落ちる、と思ったその瞬間、
僕の目の前には、花畑が広がった。
意味が分からない。
オークはふぅ…と一息ついてから僕に
オーク「もう動いていいぞ」
と言う。
一体この一瞬で何があったんだろうか。
さっきまで戦場にいたのに急に花畑だ。
なにがなんだか。
オーク「?なんだ、奇術見たことがないのか?」
奇術…まさか、
オーク「奇術っていうのはな―――――――――――」
そういうことか、僕はやっと理解した。
僕はそこである疑問が浮かぶ。
そして奇術について説明しているオークにこういった。
僕「あの、なんで僕を助けてくれたんですか?」
オークは話をやめて少し間を置くと、
オーク「…サリーに頼まれたんだ」
と悲しげに言ったのだった。
プロローグ3 頼まれたんだ
次回へ続く…
- プロローグ4 ( No.4 )
- 日時: 2023/03/22 19:03
- 名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)
サリーと出会った場所とは少し違う花畑の中、僕は確信した。
あぁ、やっぱりだ。
もう涙が出ない。
サリーを思い出すのにも体が抵抗する。
がたがた震える。
サリーは本当にいい人だったことはこの人の顔が物語っているのに。
オーク「今更だが…俺の名前はルソア・モルト、ワープの奇術を持っている。スキルのレベルとし
ては3で、サリーとは幼馴染の関係だ」
ルソア「お前は、サリーと同じハーフか?」
サリーと『同じ』?ハーフ?いったい何のことだろうか?
そもそもサリーはどうやってこの人に伝えたんだ?
僕の話は聞いてないのか?
とりあえず僕は一番気になっているハーフについて聞いた。
僕「サリーさんがハーフ?ってどういうことですか?」
ルソアは驚いたような顔をすると、少し悩み眉間にしわを寄せつつ僕に聞いてきた。
ルソア「…聞いていないのか…本当に聞きたいか?」
僕はルソアの目を見て力強くうなづいた。
ルソア「そうか…」
そこで僕はとんでもないことを知ることになる。
サリーはノブレス人の父とトレイト人の母から生まれたというのだ。
そして3年前両親二人とも殺された。
父親の親友であったルソアの父によって。
ルソアの父はその際、国にもこのことを報告したらしく、
サリーは逃亡生活を余儀なくすることになる。
最近引っ越してきたあの街の人たちも薄々気づいていたらしく。
この街から出ていけなどと脅迫じみた手紙を何通も送っていたようだ。
そして、僕がサリーの家に止まった時、ノブレス人の敵国が『たまたま』あの街に夜明けの時間帯に毒ガスを落としたようだ。
ここからはルソアの考察らしいが、一つ一つ説明してくれた。
まず、なぜ街の人たちがサリーの家に集まっていたのか。
おそらく、サリーへの怨み文句を言いに来たのだと思うそうだ。
しかしみんな言う前にサリーの家の前で死んでしまった。
唯一言えた人も、サリーも家の中で死んでしまった。
そこで疑問に上がるのがなぜ僕は毒がそこまで効いていなかったのか、
それはおそらく…
ルソア「サリーの奇術のおかげだろう」
ルソアは冷たい声で言う。
サリーの奇術は触った相手の運気を跳ね上げる、というものらしい。
最後の力を振り絞って僕に触ったおかげか僕は生きているのだろうとのこと。
その運のおかげか戦闘機の落とした爆弾が、
ほとんど僕のほうには当たらず家のみが周りの火によって燃えたんだろう。
その家が燃えている時にルソアが到着し、ワープして今に至たった。
とルソアは考えているらしい。
僕「…」
言葉が何も出なかった。
サリーは全世界の人の悪と戦ってたんだ。
それを僕が知らず、サリーを殺してしまった。
全部僕の所為だ。
いや違う。
ノブレス人の所為か?いや違う
ルソアの父の所為か?いや違う
悪いのは
優しい人、何もしてない人に対して差別を許し、その人たちを殺した悪人がのさばるこの世界だ。
僕の所為じゃない。
この世界だ。
いやだ、違う。
僕の所為じゃ。
ない。
僕「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
気づいた時には僕は絶叫していた。
突然の絶叫に耳をふさぐルソアが見えたのを最後に、
一つの決意を胸にまた気絶したのだった。
プロローグ4 一つの決意
次回へ続く…