ダーク・ファンタジー小説

プロローグ3 ( No.3 )
日時: 2023/03/22 18:59
名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)







酸っぱいような生臭いようなにおいが僕の鼻をつつく。
僕「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
一体ここでは何があったのだろう。
よく周りを見ると部屋は血の海だった。
そしてサリーの他にも何人かの人が倒れていた。
その人たちは全員…
トレイト人だった。
なぜサリーは殺されたのか。
そう考えると一つしかない。
僕の所為だ。
そう理解した瞬間に僕は昨日食べたものを吐しゃ物として吐き出す。
もうだめなんだ。
ここにいてはいけない。
僕はこの街には住めない。
僕は血で湿った床を口を押えながら、踏みしめその部屋から出た。
部屋の外はもっとひどかった。
血で水たまりができている。
僕「うわぁfjgaowjgeow;iugihewl!」
また僕は枯れたはずの胃の中のものを吐き出す。
吐き出したものは血だった。
僕「jah;iwehinblahiawg」
その血を見て、僕は気が狂いリーの家を飛び出した。
その判断は間違いだったんだ。
なぜなら、




街の人たちが、家の前で倒れていたからだ。
そこで僕の中での何かが壊れてしまった。
そうだ。
全部僕の所為だ。
いや、僕以外のみんなの所為だ。
そうなんだ。
いや違うんだ。
サリーが、
街の住人が、
死んだのは、
僕は笑っていた。
涙も、吐しゃ物も何も出なかった。
そこで僕は気を失った。












??「おい」
誰かが呼んでいる、声は女の人のようだった。
??「おい」
誰だろうか、サリー…ではないか…
??「おい」
いったい何なんだ。
??「起きろ」
女の人から一瞬で男の冷たい声に変わる。
僕は目を覚ます。
青い空…ではなかった。
赤い空だった。
血のように真っ赤に燃えていて、
空には戦闘機のようなものが飛んでいる。
??「起きたか」
僕のそばには誰かが立っている。
その人はゲームでよく見るイノシシのような顔のオークだった。
オーク「早く体を動かせ、もうそろそろここにもあれが落ちる」
僕は体を起こすと、周りを見渡す。
サリーの家も周りの人たちの家も、何もなく、火の海だった。
周りの状況を瞬時に確認し、オークの指さす方を見る。
戦闘機から爆弾が何個も何個も落とされている。
その様子は歴史の授業などで見る、戦争中の戦闘機だった。
オーク「立て、早くしろ」
そういって僕を立たせると、両肩に手を置いて
オーク「いいか、絶対に今から体を動かすな、何があってもだ」
と言った。そして、何かをぶつぶつつぶやき始めた。
しかし、僕たちの真上の戦闘機から爆弾が投下された。
オークは焦っている様子もない。
爆弾は近づいてくる。
そして僕たちのところに落ちる、と思ったその瞬間、
僕の目の前には、花畑が広がった。
意味が分からない。
オークはふぅ…と一息ついてから僕に
オーク「もう動いていいぞ」
と言う。
一体この一瞬で何があったんだろうか。
さっきまで戦場にいたのに急に花畑だ。
なにがなんだか。
オーク「?なんだ、奇術見たことがないのか?」
奇術…まさか、
オーク「奇術っていうのはな―――――――――――」
そういうことか、僕はやっと理解した。
僕はそこである疑問が浮かぶ。
そして奇術について説明しているオークにこういった。
僕「あの、なんで僕を助けてくれたんですか?」
オークは話をやめて少し間を置くと、
オーク「…サリーに頼まれたんだ」
と悲しげに言ったのだった。
























プロローグ3 頼まれたんだ






次回へ続く…