ダーク・ファンタジー小説

第一話(その4) ( No.8 )
日時: 2023/04/09 10:18
名前: 味海 (ID: qWWiRdBA)





ビット「君は絶対守るよ!」
壁は跡形もなく消え去り、砂煙が立ちこむ中、軍服たちがまた姿を現した。
しかし今回の軍服は一味違った、なんと確認できる限りでも百人以上いるのだ。
今までの軍服たちはせいぜい十人いるかいないか…それが、いきなり百人以上だ
これは、仕組まれたな。
その中の両腕と右足が機械の者がビットの発言に対し
義手軍服「フン、たかだかトレイトごときが私たちから守り切れるとは思うなよ?」
その言葉の後に奇声を上げ、先ほどの軍服が持っていた銃とは違う散弾銃のようなものを構えた。
義手軍服「撃てぇぇぇぇ!!!!」
軍服たち「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ガッシャン!
その散弾銃の音が鳴る『すこし』前にビットは僕を抱え込み(お姫様抱っこのように)、撃った音が聞こえた瞬間ビットと僕は軍服たちの後ろにいた。
義手軍服「なに!?消えた!?」
軍服「え?」
ビット「君はここにいて、秒で終わらすからね」
ビットは僕を軍服たちの後ろに置くと、一番後ろの軍服たちが振り向く前に、一人の軍服の首をねた。
そのまま次々と首を飛ばしていくビット、態勢たいせいが立て直せない軍服たち、そして見る間もなく、ロボット義手と義足の軍服以外の首をねてしまった。
ビット「ふぅ、さて最後の人はぁ~誰かなぁぁぁ?????」
義手軍服「ヒッ!?ヒィィィィ!?!?!」
ビット「お前はどうしようか?首を飛ばそうか?胴体を飛ばそうか?それとも目玉を抉り出そうか?…」
血だらけのビットは軍服からはさながら悪魔に見えたのだろう。
そこから僕は見てられなかった。
義手軍服「ヒィッ!?あ、あく、あくまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!」
そのまま義手軍服が銃を構えた瞬間、
ギャァァァァァァという声が聞こえ、僕は悪魔ビットに前にやってこられ話しかけられる。
ビット「君は僕と似ている部分があるから生きてほしいんだ、此処にもすぐ援軍が来る、一緒に逃げるよ」
そう言うとまたビットは抱え込み、颯爽さっそうとルソアの家から離れていった。
ビットの体は生暖かく、僕は吐きそうになる臭いを抑えることしかできなかった。

しばらくして、ビットに抱えられた僕は全く見覚えのない場所に着いた。
ビット「よし!もう降ろすよ!」
僕「あの、此処は一体…?」
ビット「あ~ここ?ここはトレイト人に虐げられているトレイト人が住んでいる【オシャッシー】という場所だよ」
僕「オシャッシー…?」
ビット「まぁ言わば『奴隷の奴隷』の国だね」
そこはあまりいいとは言えない街並みだった。
焼け果てた家にボロボロの布を屋根代わりに住んでいる人がたくさんおり、現代の裏路地と同じものを感じる。
要するにスラム街っぽい。
僕「…大丈夫ですか?此処…」
ビット「大丈夫大丈夫僕の出身地だからさ~」
そんなことを言ってると一人のローブを着た禿げた中年男性(耳がとがっているためエルフ)が近づいてくる。
おじさん「お前は…リトロか…?」
僕「リトロ…?」
ビット「あぁ、僕の昔の名前ね、」
おじさん「やっぱりか…こっちにこい、」
おじさん「ルピフォ様が呼んでおる」
僕「???」
ビット「…そうか、わかりました、行きます」
色々、新しい単語が出てきて混乱するが、
オシャッシーはこの国の事
リトロはビットの昔の名前
ルピフォ…おそらくこの国の王様なのか?それとも地位が高い人物なのか?
っとこんな感じだろうか。
とりあえず僕はビットについていくことにした。

ついていった先は…城だった。
しかも結構な大きさの。
そしておじさんは何十メートルあるのかわからないほど大きい扉の前に立つと、
おじさん「この扉を開けなさい、ん?そこのガキは何用だ?」
ビット「あぁ、弟子ですよ、ね?」
そう言いながらビットは僕の目を見て、必死に誤魔化せと伝えてくる。
僕はとにかく首を振った。
おじさん「…そうなのか、おい小僧お前はこっちにこい」
ビット「さ、行ってこい」
ビットは僕の背中を優しく押しながら、耳打ちした。
ビット「…頑張ってね…」
頑張る…?
いったい何のことだろうか?
そんなことを考えながら、おじさんについていくと、僕は写真でしか見たことない闘技場?のような場所で止まった。
おじさん「…お前さんはリトロの『本当の』弟子なんだよな?」
僕「は、はい」
おじさん「…じゃあわしを納得させてみな」
僕「え?」
おじさん「…さぁ…行くぞ!」
そう言うとおじさんは僕のほうに一瞬で近づいてきた、そして拳を振り上げると…








第一話(その4) 謎のおじさん





次回へ続く…