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ダーク・ファンタジー小説
- Re: ERROR_ ( No.2 )
- 日時: 2023/05/20 19:17
- 名前: 神崎 (ID: 4NhhdgqM)
プロローグ
ピピピピッ、という一定の間隔で機械音が鳴っている。
黒町風花は、ゆっくりとベッドから上体を起こす。スマホのディスプレイに映る自分は寝癖のついた、酷く寝ぼけている顔だった。
機械音の正体である、デジタル時計の目覚ましを止める。液晶に映っている時刻は9:10。
「...あ」
風花は一瞬で察した。今日が月曜で、学校があるということを。
慌ててスマホの電源を入れると、案の定同級生である柊木天汰からのメッセージと不在着信が大量に来ていた。
急いで制服に着替え、寝癖も直っていない酷い格好で学校まで走った。
自宅から学校までは5分で着くが、それでも既に1限目は始まっているので、急いでも意味はないのではないかという悪魔の囁きが脳裏をよぎる。
「よって、この式は成り立___」
勢いよくドアが開き、一瞬で教室は静寂に包まれた。
教室の隅の席に座る天汰は、頭を抱えていた。
「...黒町ぃ、お前遅刻とはいい度胸じゃないか...」
「あーいや、先生違うんすよ!だから許してほしいなーって...」
「あんた、今月何回目の遅刻?」
はぁ、と溜め息をつきながら言う。
屋上に二人、青春を感じるような場所かもしれないが、説教されていれば青春など感じない。
「6回」
「あのねー...あんたいい加減にしなさいよ」
「天汰さんだって遅刻してるじゃん」
天汰としては痛いところを突かれたのか、顔をしかめた。
「あ、あんたよりはしてないもん...!」
「してるなら人のこと言えないな。はい、俺の勝ちー」
「なんの勝負よ!?そんなんだったらH.S.C.解雇にするわよ」
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