ダーク・ファンタジー小説
- 2日目 覚醒 ( No.5 )
- 日時: 2023/10/22 22:08
- 名前: オコボ ◆TVCSPRoRFE (ID: jo2UR50i)
ひどく気分が悪く
頭に激痛を感じる。
自分は岩の隙間に逆さにはまっているらしい。
そして
岩の隙間から太陽がまぶしく覗く
半日近く気を失っていたようだ。
逆さになった体を慎重に動かして
隙間から這い出る
眩暈がして、吐き気を感じる
頭にはこぶが出来ていて
乾いた血の跡が剥がれ落ちる
瘤の周辺の血は触らないでおこう
まずい、寒気を感じる。
熱もありそうだ
手ごろな杖にできそうな
枝を見つけたので補助にしながら岩場を歩く。
よく考えれば、近くにそんな都合よく落ちているわけもないのだがいまはそんなことに気を回す余裕など失っていた。
頭が内側からガンガンと痛む
意識がもうろうとして
足元がおぼつかず
遅々として進まない
ふと 耳障りな声? を聞いた。
音のするほうへ警戒しながら
様子を伺うと
緑色の肌の腹の出た小柄な人影が3人
ゴブリン
その単語が頭に浮かんだ。
気づかれないように ゆっくりと岩陰に身を隠す。
馬鹿馬鹿しいなにがゴブリンだ
げんなりとする気分を感じながら
息を落ち着かせることに務める
しかし
これからいったいどうすべきか。
村に入るのは危険。
だからと言って、
文明の恩恵にあずかれない
というのは、まずい。
特に今の状態では
死亡リスクを意識せざるを得ない
ダメだ、考えがまとまらない。
喉が渇く。
じりじりと、
日差しに焼かれている感覚。
本格的にまずいかもしれない。
いや、「かもしれない」ではなく
端的にまずい。非常に
というか、さっきから
まずいの堂々巡りだな…
というか、ふと気づいた。
血の匂いが野生動物を引き寄せるのでは、と。
一か八か村を目指すべきだな
というか、血の匂いが野生動物を引き寄せるなら
村の前にあった死体が食い荒らされていないのは何故なのか
さらに、私がここに至るまでさんざん血の匂いをまき散らしていた
肉食獣を誘引して襲われていてもおかしくなかった。
肉食獣が村を避けてる?
なんで?
というか、というか祭りだな
やばい。テンションがオカシイ。
と、ゴブリン達の様子が
慌ただしいことに気づいた。
見つかった?
いや、そんな雰囲気ではない
ふと、私を挟んで反対方向に大勢の気配を感じた
物陰からでは見えないが村から人がやってきたのかもしれない
ゴブリンたちが隠れている場所を横切って集団へ突貫していく様子がちらっと見えた。
ゴブリンの装備は貧弱だ
まず基本ZAENRA。
仲間か
そして、申し訳程度のこん棒
石斧、先を尖らせた木の棒
集団の装備はわからないが確実にコレよりはマシであろう
ほどなく
戦闘? が開始されたようだ
が、鎧袖一触。一瞬で終わった。
どうする
顔を見せるか?
しかし、
荒事を生業としている連中だ。
ろくなことにならない
そんな予感を強く感じる。
「***」
「あ。」
岩陰を覗き込んだ男と目が合った