ダーク・ファンタジー小説

2日目 行方 ( No.7 )
日時: 2023/10/22 22:40
名前: オコボ ◆TVCSPRoRFE (ID: jo2UR50i)


震えが止まらない
非常に寒い






うららかな日差しがあり
過ごしやすい気温
ではあるはずだが

寒さを感じる。





周りの人間は…
涼しげな恰好の者もいれば
布を重ねたような恰好の
厚着の者もいる。

暑くないのだろうか…

まぁ、それはそれとして。



低血糖かもしれない。


朦朧モウロウとする


急に青くなって震え始めた私に
嗜虐心をそそられたのか
縄を持っている男から蹴りが
飛んでくる

私は
この男を"蹄"と呼ぶことにした
なぜなら、鼻が目立つ顔で
後ろ足が痒い様子であるからだ
野生に帰って
存分に泥でも浴びたらいい


そんなことより。

回復魔法では
疲労?
までは癒せないのは残念だ。

魔法で癒してくれた女性を
敬意を込めて
"殿"と呼ぶことにした
決して
棒を頭に載せたことには
起因きいんしない

なぜか"殿"が隣の男を殴っている
よく見ると親しげだ
ぞんざいにしつつも
邪険じゃけんにしていない

てっきり
リーダーの情婦かと思っていた。

ますます
この集団が分からなくなった。

「*****」

内容は聞き取れないが
必ず相手の名前を呼ぶはずだ
少し、会話に
集中してもいいかもしれないが

意識を保つだけでもつらいところ
名前の抽出ちゅうしゅつ
正直キツイ。


ふと、疑問が芽生えた

縄で縛られた裸の男と
並んで歩いて不快感は無いのか?
16人もいて
余分に着られるものの一枚でも
所持していないものか

それは、都合良すぎるか。



そんなこんなで
もくもくと
北西を目指して進んでゆく。






やがて、川に到着した。

やたらこじんまりした丘が多く
十分近づくまで
川の存在に気づかなかった。

いきなり川が出現したかのような印象を覚える。

ここまで、村の周りのような
穴だらけの地形は見なかった。
村の人間が掘った
ということなのか?


そういえば、
何処に向かっているのだろうか。


しばらく、休憩して
川に沿って下流に向かうようだ。

両側は石灰質の白い崖で
村周辺の様子と一変して見える

丸い河原の石の
白くてつるりとした質感に
エロスを感じるのは
間違っているだろうか。

変態だろうか。


まぁ、変態であろう

白昼堂々、縄で縛られて
全裸キャニオニングする人間は
変態でない訳がない
純然たる、完全ムケツの変態だ。

私の、変態センサーが
洞窟でもありそうな予感がする
と言っている。






30分程下ると
やはり洞窟が見えてきた。
川は右側に偏って
洞窟へ流れ込んでいる。
高さはざっと50m位か

手前100m位から急激に落ち込み
レキ場となっている
洞窟の天井が漸次崩落ぜんじほうらくした結果か

凹凸が激しいため
一概には言えないが
45度以上に
傾いて見える急な坂となっている
洞窟入り口を見下ろす形だ

地上の流れは地下河川となって
地中深くへ
染み込んでゆくのだろう…。



洞窟のほうから冷たい空気が
吐き出される
昼夜の寒暖差で洞窟が呼吸しているかのように思える


ターコイズブルーとか言いたくないのでそろそろ
情景描写を打ち切る

ところで、そろそろ
足の裏が限界なのだが
どうしたものか。


連中が集まっている。
ここが目的地なのだろうか

こちらから目を離しているので
逃げられないかと
辺りをうかがうと
視界にハエが一匹飛び込んでくる

ふと
一角にハエがたかっているのに
気づいた。

岩の窪みに
枝葉や流木が溜まっている場所が
あるのだが
生き物の死骸が挟まっていたのだ

どうやら。人間の死体らしく
服をまとっている

私は、窪みに降りて
足を使い
死体から靴の取得を試みたが
上手くいかず足をつってしまった
やはり、回復魔法ではミネラル分
補填ほてんできないらしい。

私は、残骸の位置関係を
確かめるべく
窪みを注意深く観察した

すると、窪みの奥の岩の隙間の
甌穴オウケツに輝く鉱物を発見した
ちょうど、谷に差し込む日差しで
光を反射する位置であったのだ。
岩陰に見切れて
うんちょこP せしめている

水晶だろうか。

とても、足が届きそうにないが
そもそも、届いたとしても
取れるかどうかわからないが
また、足をつりそうだ。

あきらめて
残骸撤去にとりかかろうとした
矢先、"蹄"にドナドナされて
いってしまったのであった。

一行は、松明を準備しいよいよ
洞窟へ向かうようであるが



そこで
衝撃的なものを目撃してしまった




公衆の面前で、
大便を垂れているのだ
しかも複数で
私はその英雄的行為に対して深い畏敬の念を抱くとともに天を衝くがごとく積みあがった堂々たる偉大な業績の数々に感動のあまり立ち尽くし滂沱のご