ダーク・ファンタジー小説
- 外伝 異世界転生 『転生』 ( No.21 )
- 日時: 2024/02/10 14:17
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
ドミナター敗北は世界に衝撃を与えた。「え?まじ?」「嘘だろ…」「ガブリエルに勝った奴やばくね」などのコメントがSNSに投稿された。
神谷「…こんなことになるなら、倒さない方が良かったんじゃ…?」
二日前、神谷は世界的マフィアであるドミナターボス、ガブリエルを撃破した。想像以上にSNSやメディアが騒いでおり、軽く後悔している。今日、というか日本に帰ってから少し何でも屋を休んでおり、一週間以上前から何でも屋の事務所が燃やされて出来無い状態になっているのである。
今は公営住宅に住んでいる。あと数日でまた再開できる状態だ。
コーヒーをうまそうにすすりながらテレビを見ていると、那由多がやってきた。
那由多「凄い事になったね」
神谷「ああほんと、いい迷惑だ」
那由多「まあまあ、悠君の実力が世間に知れ渡るのはいいこt」
那由多が言いかけた次の瞬間、神谷の周りに”魔法陣”のようなものが出てきた。如何にもファンタジーに出てきそうな見た目をしている。
神谷「うお!?何だこれ!?」
那由多「え?なになに!?」
二人が驚いている瞬間、神谷が消え、同時に魔法陣も消えた。
那由多「え?悠君?悠君!?」
那由多は消えた神谷がいた場所を見ながら、驚きを隠せないのであった。
神谷「…?」
神谷は消えたわけじゃなく、何処かの部屋にワープされていた。周りを見ると、中世の豪華な服を着た、外国人らしき女性と、神官みたいな老人と、中世の鎧を着た兵士らしき者たちが数十人いる。神谷の姿を見た数秒後、歓声に満ち溢れた。
兵士「「「うおおおお!」」」
神官「聖女様、やりましたぞ!」
女性「ええ、これで我が国は…」
歓声に満ち溢れる兵士、涙を流す女性、神谷は状況が飲めなかった。が、その瞬間、周りは絶望に染まる。
部屋の綺麗な窓ガラスが割れ、見ると羽を生やした人型の化け物がいた。肌は紫色と、人間じゃ思えない見た目をしていた。
兵士「聖女様、神官様、ここは我らに!」
兵士たちは剣を構えるが、がくがく震えていた。
化け物「あいつかぁ、召喚された奴は」
そう言った次の瞬間、化け物は神谷にとびかかってきた。…が。
化け物「ぐぎゃぁ!?」
背中の羽が切られていた。
神谷「おいおい…異世界召喚ってやつか?」
化け物「てめぇ!人間の分際でぇ!?」
神谷「人間は人間でも最強クラスなんだわ」
化け物がどうなったかは想像に難くない。死んだのち、死体は消え去った。
神谷(死体が消えた…?マジで異世界だな…)
女性「あの、ガーゴイルを倒していただきありがとうございます!!」
神谷「あ、ああ…それで、なんで俺はこんなところに?」
神谷はかなりめんどくさくなると予感した。
皆さんこんにちは、monmonです。これからは異世界転生編をやっていきたいと思います。このストーリーは外伝なので、あんまり本編とは関係ないです。
- 外伝 異世界転生 「理由」 ( No.22 )
- 日時: 2024/02/10 23:41
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
神谷「まず質問、ここはどこだ?」
女性「ここはフリーデン王国、私はこの国の聖女のローゼ・ハイリヒゲスです」
思いのほか異世界で神谷は驚くが、話は続く。
ローゼ「貴方を召喚した理由は、この国を救ってほしいためです」
神谷「救う?」
ローゼ「はい、まず千年前、魔王という魔族がいました。魔王は世界を征服するために魔物たちを操り、いろんな国を滅ぼしてきました。人々は召喚魔法で四人の勇者を召喚し、見事に魔王を封印しました」
神谷「封印?倒したんじゃなくて?」
ローゼ「勇者様御一行でも魔王は倒せなかったようで、現在はその魔王が復活しようとしているようです」
神谷はここで分かった。召喚した理由は『魔王を倒してほしい』と。
神谷「分かった。要は魔王を倒してほしいって事だろ?」
ローゼ「はい…」
神谷「いいぜ、その魔王ってやつを倒してやるよ」
ローゼ「本当ですか!?」
神谷「ただし、倒したら俺をもとの世界に返すこと、それが条件だ、いいな」
ローゼ「ありがとうございます!!」
ローゼは深々と頭を下げた。フリーデン王国にとって、神谷を返すことは簡単なのだ。
神谷「頭を下げるのはいい、それで、俺はこれから何をすればいい?」
?「それについては私が」
神官らしきいとこが話に入ってきた。
?「私はドルイド、神官にございます。まず貴方は今日は休んでください。明日は貴方の実力を確かめるために、我が国の兵士たちと戦ってもらいます」
神谷「別にいいが、俺は強いぞ?」
ドルイド「強ければ強いほど良いのです」
神谷「なるほど」
その他諸々説明を受けた神谷は、王の間を兵士に案内され、王と謁見する事となった。
?「よく来てくれた。私はフリーデン王国のフリーデン十三世だ。まずは協力に感謝する」
神谷「俺は神谷悠です。よろしくお願いします」
十三世「うむ、今日は王城に滞在してくれ。明日の予定は分かるか?」
神谷「ドルイドさんに聞きました」
十三世「分かった。お前たち、部屋に案内せよ」
神谷は緊張しつつ謁見を終えると、自分の部屋に案内された。
神谷「豪華だな」
兵士「神谷様に最上級の部屋を用意しましたので」
神谷「サンキューな」
兵士「後もう夜なので、食事室に案内します」
今度は食事室に案内された。部屋には王とローゼ、その他の大臣がいた。食事は豪華である。
神谷「……で、俺はガブリエルを倒した」
十三世「ほう、神谷殿は強いのだな」
神谷の話を聞きながら食事をし、終えて風呂に入った。
神谷「凄いな…」
その広さに驚きつつ浸かり、終えて部屋に帰った。
神谷「やっぱ異世界転生なんだなぁ。食事は豪華で風呂も広くて、魔王もいて…。」
根落ちした神谷。明日は試合、フリーデン王国の精鋭兵と戦う事になる…。
- 外伝 異世界転生 『御前試合』 ( No.23 )
- 日時: 2024/02/11 15:11
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
なんか別の作品にフリーデン王国がありましたが、全く関係ありません。
アナウンス「間もなく御前試合が始まります!」
なんとフリーデン王国の国民に見られる試合となった。今はその会場にいる。
アナウンス「それでは、この国で最強と言われ、神の才を持つ聖騎士アティス様!」
観客1「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
観客2「アティス様素敵ー!!」
観客3「結婚してー!!」
鎧をまとったイケメンの聖騎士という男の登場により、貴族の娘やマダム、一般の国民はアティスを見て興奮している。アティスは中央部付近まで進み、神谷の説明となった。
アナウンス「それでは次に、ガーゴイルを一人で討伐した、召喚された異界の者、神谷悠!」
観客4「えぇ!あれが?」
観客5「なんだあの服?汚らしい!」
観客6「本当にガーゴイルを一人で?」
観客7「これはアティス様の圧勝ね!」
何の根拠もなく、アティスの勝利を予想する観客たち。神谷は中央部付近に行くと、アティスに話しかけられた。
アティス「やぁ。この時を迎える事が出来て、うれしいよ」
神谷「ああ、俺もだ」
アティス「私はね、ライバルという者がいなくなってしまった。強すぎるというのも孤独なものさ」
神谷「そうか、俺はライバルだらけだ」
アティス「ハハハ、凡人は大変だね」
アナウンス「それでは、試合を開始します!」
試合が始まった瞬間、アティスは剣を抜き、炎をまとい突撃してきた。が、神谷はナイフで受け止める。
アティス「やるね、でも、これはどうかな?『氷剣 アイスブレード』!」
炎は吹雪をまとい、力強く上段から神谷を切ろうとするが、また防がれた。上から剣を振り下ろすため、対処は簡単である。
そのまま神谷はアティスの腹に蹴りを入れる。
アティス「ぐっ!?」
バランスを崩し、剣を落とす。立て直すのには時間がかかるが、アティスは受け身を取りつつ横に転がり剣を取り立て直す。
アティス「や、やるね…」
神谷「その回避は見事な物だ。賞賛に値する」
アティス(どうする…相手は格上、だが武器はナイフだ。剣ならリーチがある…)
その瞬間、剣の上部で神谷を切りつけようとしたが、ナイフで受け止められた上に、剣を取られてしまう。
神谷はナイフを突きつけ、こう言った。
神谷「剣のリーチを生かして攻撃しようとしたのはうまいが、実力が足りなかったな。俺の勝ちだ」
会場は騒然となった。ここで王はこんなことを言い出す。
十三世「会場に集まった臣民よ。知っての通り我が国は創設以来、魔物に怯え続けた生活を余儀なくされている。しかし!!我々は1人では無かった。そう、もう気付いた者もいるだろう。今聖騎士アティスと戦った兵は、異界の戦士だ。魔王討伐のため、少しの間協力されることとなった。私は民が平穏な暮らしを取り戻せるよう、全力で国を導く事をここに誓う」
会場は王の言葉で大歓声が響き渡った。
- 外伝 異世界転生 魔王の側近 ( No.24 )
- 日時: 2024/02/16 22:42
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
御前試合が終わり、神谷は騎士に謁見室に案内された。中には王が座っており、その横に立っているのは魔物討伐隊隊長のレイクルがいた。神谷は王たちと話し合う。現在の状況としては、
・現在魔物二千体とフリーデン王国騎士団一万人が地方都市カイールで交戦中
・その中に『魔王』らしき魔族が発見される
・既に地方都市ミールが陥落。守備隊三百人が捕らえられている
というものだった。実を言うとアティスと神谷の試合が始まる前魔王が復活しており、試合が始まると攻勢を仕掛けていた。その為この様な事が起きている。
隊長「…という事だ」
神谷「なるほど、状況はやばいな」
十三世「オーグルを倒せれば何とかなるが…」
神谷「オーグル?」
隊長「オーグルとは強力な魔物で、身長は五メートルと巨体のくせに素早い。奴らは鋼鉄製の棍棒を使う。我々にとって脅威なものだ。倒せるのは聖騎士くらいだ」
神谷は聖騎士と聞いてアティスを思い浮かべてくる。
会議はいったん終わり、各自の持ち場に行こうとする。その時、黒い物体が1体、窓から飛び込んで来た。
パリん!!と、天窓のガラスが砕け散る。物体は漆黒の羽を生やし、白い服を着て会議室に降臨する。
隊長「なっ…!あれは!」
隊長が叫ぶと同時に騎士たちは剣を鞘から抜く
物体「千年で人間をここまで行くとは…見くびっていましたよ」
王に向けて手のひらを向ける。魔力によるものか空間がゆがみ、黒い炎が顕現した。そして…その炎は王に向けて放たれる。
物体「ヘル・ファイア」
副隊長「させるかぁぁぁ!!」
副隊長がかばったが炎をくらい、断末魔と熱風が感じる。
副隊長「ぎぃあぁぁァァ!!!」
神谷はすぐにナイフを出し、物体をめった刺しにする。
物体「がっ……」
物体は崩れ落ち、静寂が部屋を支配する。
十三世「神谷殿、こいつは魔王の側近、タグトリース。討伐をしていただきありがとう」
神谷「いや…副隊長が…」
隊長「何をいう、彼は残念だったが、神谷殿がいなかったら、我らは全滅していた。それほどまでにこいつは強力な魔獣だ」
神谷は話が終わったのち出撃の準備ができ、最前線にワープされ魔物たちとの戦いという名の蹂躙を開始する。
- 外伝 異世界転生 『無双』 ( No.25 )
- 日時: 2024/02/16 22:41
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
数時間前、地方都市カイールでは魔物とフリーデン王国騎士団との戦闘が起きていた。一般人は逃げ遅れており、百人が魔物側に捕らえていた。今は魔物が管理している建物へ捕らえられてる。
魔物「魔王様は、今日はあっさりしたものがいいと言っていたな」
魔物「だったら、野菜をメインにしよう」
百人に安堵の空気が流れる。
魔物「味付けに若い女をドレッシングに使おう。おばえだ」
女性「イヤァァァァァァァァァ!!!助けてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
魔物「うるさいぞ、あばれんn」
魔物が若い女性を連れて行こうとしたとき、見張っているオーガは首から血を流しており、声を出さずに倒れた。
倒れた音で魔物たちが振り返る。
魔物「な、なんだおばえ!!」
神谷「お前な」
神谷は女性の手首をつかんでいた魔物の手首を切った。
魔物「いでぇぇぇぇぇぇ!?!?」
魔物「「「野郎ぶっ殺してやらぁぁぁ!!!」」」
何処かで聞いたセリフを言いながら魔物たちは棍棒なり剣なり持って突撃してきたが数秒の命だった。
駆け付けた騎士に任せて神谷は外に出て、魔物と戦う。
大通りにいるオーグルにむかってナイフを投げつける。
オーグル「グゥゥゥゥゥグォォォォッォ!!!!!」
神谷「おーおー怒ってる」
尻にナイフを刺されてキれない生物はいない。オーグルは例のごとく突進してきた。が、攻撃を避けられ太くも筋肉がよく見える腕を豆腐のように切られ、青い血が流れる。
オーグル「グォォォォォォォォ!!!!」
神谷「ばーいばい」
そのまま頭を切られ糸人形の糸が切れたかのようにオーグルはその場に倒れ込む。
駆け付けた騎士団と共に大通りを進むと身長が二メートル半の青鬼が現れた。
市民「ブルーオーグルだぁぁ!!」
市民「逃げろぉぉぉぉぉ!!!」
市民はパニックに陥った。
神谷はブルーオーグルに近づき戦おうとする。周りの騎士や市民たちは神谷の死を確信した。
神谷「ふっっっ!」
ブルーオーグル「?」
何と神谷のナイフが効かない。キンッ!と、金属音がなる。
神谷「!まじかよ…」
ブルーオーグル「グォォォォォ!!」
ブルーオーグルが鋼鉄の棍棒を神谷に振りかざしたその時、神谷は赤眼を使い、攻撃力が上がったナイフで連撃。伝説の魔獣、ブルーオーグルはあっけなく切り刻まれ死んだ。神谷は赤眼を解除する。次の瞬間、周りから歓声が響き渡った。
市民「うぉぉぉぉ!!」
騎士「すげぇぇぇぇ!!」
神谷は照れつつ、更に気配の大きい場所に進む。
- 外伝 異世界転生 『魔王の力』 ( No.26 )
- 日時: 2024/10/14 22:32
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
ブルーオーグルの撃破後、魔王がカイールの城門から広場の間の大通りに単身で出現した。顔は怒りに満ち溢れていた。
騎士「ウォォォォォォォォ!!」
ドドドドドドド・・・と、馬の走り出す音と、騎士による気合の入った声が聞こえる。フリーデン王国騎士団の約200名が城門から討って出たようだった。
騎士団隊長のミリングは相手はたったの1体、今なら数で押しつぶせると確信していた。
魔王「人間がっ!」
魔王はフリーデン王国騎士団に対して手をかざす。手の先からは、タグトリースとは比べ物にもならない黒い炎が出現する。
魔王「魔王の名のもとに命ずる。獄炎の炎よ、我の命により我に逆らいし愚かな敵を焼き尽くせ。
邪王煉獄拳、煉獄黒龍波!!!」
黒い獄炎で作られた炎の龍が騎士団に向かい飛んでいく。
ミリング「なっっっ!!!」
騎士「ぎいぁぁぁぁぁ!!!」
炎の黒鳥は大きくなり、拡散して騎士団に襲い掛かる。騎士たちは、1人残らず、馬もろとも黒い炎に包まれ、消し炭となり、絶命した。
市民「うそだろ…」
騎士「勝てっこない…こんなの…」
城門の上で一部始終を見ていた者たちは、魔王の力に唖然とする。
魔王「大いなる大地の魔人よ、その絶大なる力を解放し、我が配下となりし古の魔人を呼び覚ませ。
ドレッドゴーレム!!!!」
大地が盛り上がり、鋼鉄は人の形をなし、動き始める。魔王の魔力で大量に作られた、身長が十メートルあるドレッドゴーレムは城門に進撃を開始する。フリーデン王国兵は、城が迫ってくるかのような圧倒的な大きさ、なす術が無いほどの質量に絶望する。
騎士「通常のゴーレムでさえ、大軍での対応が必要というのに…。これが…魔王の力か!!」
その時、白いローブを羽織る十人の男が魔王とドレッドゴーレムの前に立ちはだかる。
彼らは『王国魔導特戦隊』であった。その技量は超エリート中のエリート。
男「いくぞ!古代魔法だ!」
リーダー格の男が指示する。特戦隊の隊員たちは詠唱を開始する。
隊員「雷よ、舞え!その大いなる力を解き放し、眼前の敵を滅せよ!!!!
サンダードラグーン!!!」
雷を交えた強烈な竜巻がドレッドゴーレムと魔王のいた位置に発生する。騎士たちは勝利を確信した。しかし…。
リーダー「ば、馬鹿な!!全く効いていないのか!!」
隊員たちは魔力を使い果たし、崩れ落ちる。
魔王「魔法か…小賢しい!ドレッドゴーレムよ、ゆけ!!」
圧倒的な物量で城壁は破られ、最悪魔王軍が国中になだれ込む。誰もが絶望したその時だった。
ドレッドゴーレムの内一体が…その頭が跡形もなく吹き飛んでいた。
- 外伝 異世界転生 『魔の王と聖騎士』 ( No.27 )
- 日時: 2024/02/16 22:44
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
破壊されたドレッドゴーレムの頭の周りを見ると、ある剣を持つ一人の男が宙に舞っていた。
騎士「あ…あれは…!」
騎士「アティス様だ!」
アティスは魔力をまとっている剣でドレッドゴーレムを粉砕。その剣はどちらかというと切るより叩く方が正しいが。魔王とドレッドゴーレムたちはアティスに顔を向ける。
魔王「人間の分際でドレッドゴーレムを破壊するとは!小癪な!」
アティスは地面に着地しもう一体に攻撃する。足を粉砕したのち、背中を登り撃破する。
だが、それに見かねた魔王が動く。
魔王「人間よ、やるな。だが所詮人間だ。我には勝てぬ」
アティス「悪いけどあがいてもらうよ
オーラブレード!!!」
アティスは自身の必殺技である『オーラブレード』を使用する。この技は古代魔法でも傷一つつけられなかったドレッドゴーレムを砕く攻撃を魔王に向けて攻撃する。だが…。
魔王「甘い!」
アティス「!?!?」
なんと防御魔法で防がれてしまった。並みの魔導士の防御魔法なら容易く破壊できただろう。だが相手は魔王だ。そこらの魔導士とはわけが違う。魔法の練度も魔力量も桁が一桁どころか四桁違う。
魔王「ヘル・ファイア!」
アティス「ちっ!」
ヘル・ファイアでアティスを燃やし尽くそうとしたが剣で塞ぐ。そのまま後ろに飛び間合いを取る。
アティス(どうする、オーラブレードは防御魔法で防がれる。なら解除魔法で…)
アティスは地を蹴り魔王に一気に近づき、オーラブレードで切りかかる。
魔王「なら防ぐまでよ!!」
魔王は防御魔法を展開、防御態勢に移った。が、バリアに当たった瞬間、なんと防御魔法を突破した。理由は簡単、アティスはなんと剣に解除魔法を『流していた』。これによって攻撃が当たるようになる。
アティス「もらったぁぁぁぁぁ!!!!」
アティスは勝利を確信した。このまま切り込めば必ず勝てる。はずだった。
魔王「所詮は人間か。残念だったな」
アティス「が…なん……で……」
…魔王は魔力で手を保護しつつオーラブレードがまだ発動している剣を左手で粉砕。右手でアティスの鎧を粉砕し、腹を貫通した。魔王はアティスを投げ捨てる。そこには血の池が広がっていた。
神谷「……まじか…」
神谷はその光景に絶句していた。すると、アティスが生きているので近づいた。
神谷「大丈夫か!?」
アティス「もう…駄目みたいだ…最後に…一つ…」
神谷「…なんだ?」
アティス「絶対に…絶対に…勝ってね…」
大陸最強である聖騎士アティスは…魔王との戦いに善戦するも、奮闘むなしく戦死した。
魔王「はっはっはっはっはっ!!!所詮は人間、聖騎士といえど我にかなう事は無い!安心しろ、今すぐその聖騎士の元へ送ってやる」
神谷の左目は…赤く光っていた。その光は怒りが混じっているようにも見えた。
- 外伝 異世界転生 『赤眼と魔の王』 ( No.28 )
- 日時: 2024/02/17 15:26
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
魔王「!!ヘル・ファイア!」
神谷の気配が一気に変わったことにより、魔王はタグトリースより威力があるヘル・ファイアを弾幕で撃ってきた。アティスでもこれほどの弾幕は防げない。だが神谷は赤眼を持つ。赤眼を発動した瞬間、視界に映るヘル・ファイアが一斉に停止し、ナイフを振るったその瞬間、視界に映るヘル・ファイアがガラスのように崩れ落ちた。
魔王「なにぃ!?」
魔王が驚く隙を神谷が見逃すはずもなく、地を蹴り一気に魔王に近づく。魔王は防御魔法を展開し攻撃を防ぐ。
魔王「人間のくせに小癪な!!」
神谷「言っておくが、俺はただの人間じゃない。世界で四番目に強い奴を殺した人間なんだよ」
神谷のナイフに赤いオーラが流れ出す。ナイフを受けていた防御魔法がオーラに触れた瞬間、防御魔法が解除される。そのまま魔王の左腕を切る。
魔王「がぁぁぁぁぁ!!」
神谷「まだまだだ!」
魔王「ぐはぁぁぁぁ!!」
痛みに悶える魔王の腹を蹴り吹っ飛ばす。魔王は五十メートル先でようやく止まった。が、さっきの姿とは程遠い姿になっていた。切られた左腕からは血が流れ、吹っ飛ぶ過程で何度かバウンドしたせいか、体中から血が流れ、打撲の跡が出来上がっていた。
神谷は”それ”に近づきこう言った。
神谷「…無様だな」
魔王を侮辱する言葉を呟いた瞬間、突然魔王から魔力がさっきの比じゃないほど溢れ出していた。一般人が感じ取るだけでもその恐ろしさで失禁し、気絶するほどだ。
これだけじゃない。魔王の姿がさっきの頭に角が生えている人間の姿から更に角が巨大化し、肌も緑色になった。魔王は後方へ飛び、こう言った。
魔王「この姿は…我にとっては醜く美しくない姿だが、いかしかたがない。この町ごと焼き払ってくれる!!」
そう言った瞬間、魔王は天に両手を掲げ、魔法陣が出現。魔法陣は天高く空へと昇った。
次の瞬間、地響きが鳴り響く。
騎士「なんだ…?」
市民「地震…?」
騎士や市民が戸惑っていると、カイール上空に”隕石”が現れた。隕石は燃えながら接近していく。
魔王「はーっはっはっはっ!どうだ、国家崩壊級魔法『隕』は!”あのお方々”より威力は遥かに下だが、それでも人間には十分すぎるよ!」
魔王が放った隕石はカイールに向けて落ちてゆく。このままカイールは消滅し、魔王は世界を征服する。なんてことはもう永遠に来ないだろう。
魔王「ば…ばかなっ!!そんなことがあるわけが!!」
神谷はそこらの石ころに赤眼を発動、オーラを石に流し、なんと隕石に『投げつけた』。超音速で飛んでいく石は隕石にぶつかり、赤眼の力でガラスのように砕け散った。
神谷「ふぅ、流石に隕石は危なかったな。さて」
神谷は魔王に視線を向けこう言った。
神谷「お前の切り札らしきあれは防いだ。さぁ、楽しい時間は終わりだ」
魔王「…くそ!くそ!くそ!崇高なる魔王の我が、こんな人間ごときにいぃぃぃぃ!!!」
神谷は飛んでいる魔王にジャンプで近づき、首を切った。
魔王「かっ……」
異世界を震え上がらせた魔王は、神谷によって、討伐された。
皆さんこんにちは、monmonです。次回は外伝 異世界転生の最終回です。長かった…。最終回の後は本編をまた再開します。と言いたいところですが、まだストーリーが決まっていないんですよ…。ストーリーが決まり次第、投稿するので、ぜひこれからもとある町の何でも屋の無能力者を見ていってください。
- 外伝 異世界転生 『帰還』 ( No.29 )
- 日時: 2024/02/17 23:25
- 名前: monmon (ID: Jolbfk2/)
魔王が討伐され、神谷は謁見の間に来ていた。というよりかは呼ばれたという方が正しいが。
十三世「神谷殿、魔王を討伐していただき、誠にありがとう。アティスも、天国で喜んでいるだろう」
神谷「…そうであるといいですね」
十三世「神谷殿の世界に返す、と言いたいところだが、是非とも戦勝の宴に参加してほしい」
十三世からパーティーのお誘いが来た。神谷的には断って帰りたかったが、頭を下げられてしまい渋々参加することに。そして…数時間後、宴が始まった。
パーティーは賑わい、十三世や聖女ローゼ、神官ドルイドは勿論、貴族や一部の一般人、更には他国の人間までが参加していた。そして…神谷は今、台の上に立っていた。神谷にはさまざまな人の視線が向けられている。十三世曰く、『神谷殿、宴に向けて演説をしてほしい』という事だ。
従者「これを」
神谷「これは?」
従者「魔導拡声器です」
神谷に渡された石のようなものは拡声器だという。どうやらフリーデン王国は技術力(魔法力?)が高いらしい。
魔導拡声器を渡された神谷は台に上がり、演説を始める。
神谷「あー、あー、俺が魔王を討伐した神谷悠だ。ここに居る皆さんは俺を英雄だと思っているだろう。だが真の英雄は俺じゃなく戦場で散っていった騎士だ。地方都市ミールにいた騎士三百人は魔物に捕らえられ、全員が死んだ。だが俺たちが魔王に勝利できたのは散った英雄だ。決して俺じゃない」
会場の人々は動揺する。続いてこう言った。
神谷「騎士の死者は3451人、聖騎士は12人、民間者は17264人が亡くなった。決して少なくない被害だ。この戦争で大切な人が亡くなって悲しみに明け暮れている人も多くいるだろう。だが、俺たちはやり遂げたんだ。恐怖から開放されたんだ。この出来事は歴史書に残り、後世に語り継がれるだろう。俺が言うのもおかしいかもしれないが、」
一拍置いてこう言う。
神谷「乾杯!!」
言い終えた瞬間、会場から拍手が鳴り響いた。宴が始まり、うまい飯を食って笑顔になる者や市民と飲み比べをする十三世、酔って歌う騎士がいて、楽しいものになった。神谷は少し離れた場所にいて、一人酒を楽しんでいた。すると、聖女ローゼがやってきた。
ローゼ「隣いいですか?」
神谷「…あぁ、いいぞ」
隣に来たローゼはこう言った。
ローゼ「どうしても…帰りたいんですか?」
神谷「…どういうことだ?」
ローゼ「貴方はこの国、いや世界で英雄です。確実にいい生活が出来ますよ?あわよくば王位につけるんですよ?」
神谷「興味がないからだ」
ローゼ「…興味がない?」
神谷「俺は国のトップになる器じゃない。どうせ失策の連続で最後は処刑台だ。それに…何でも屋が楽しいんだよ。大変だけどな。後は友人がいるし」
ローゼ「あっ…」
友人の部分は完全に盲点だった。神谷は続けてこう言う。
神谷「だから、俺はここには残らない」
ローゼ「…そうですか。貴方がそこまで言うなら反対はしません」
宴に関しては、十一時になると流石に帰りだす人が出始め深夜になると、ほぼ全員が帰った。こうして、宴は終わった。
翌日、神谷はついに帰る時間が来た。周りには騎士や神官ドルイド、聖女ローゼ、十三世が並んでいた。
十三世「神谷殿、そちらでも元気にやるんだぞ」
ドルイド「短い間でしたが、ありがとうございます」
騎士1「俺はあんたを応援しているぞー!」
騎士2「尊敬しているぜ、神谷さん!」
感謝の声が聞こえる中、ローゼが近づいてこう言った。
ローゼ「今後は貴方はその強さゆえ、苦難の道を歩むかもしれません。ですが、貴方は必ず困難を乗り越えるでしょう。短い間、本当にありがとうございます」
神谷「あぁ、俺も本当にここは楽しかった。そっちも元気にやれよ」
ローゼ「ありがとうございます。それではこれより儀式を始めます!!」
神谷の足元に魔法陣が出来る。次の瞬間、神谷は消え去った。
神谷「おっ、戻ったか」
那由多「あっ、悠君!心配したよ~」
神谷「あぁ悪い悪い」
すると、やっていたニュースのアナウンサーがこう言った。
アナウンサー『という事で、列強一位のアグネス氏は、神谷悠氏を列強会議に参加させる趣旨を示しました』
神谷はまためんどくさくなると確信した。