ダーク・ファンタジー小説

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.1 )
日時: 2024/03/10 06:55
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818

 <設定>

 魔界では、すべての人間が魔力を持ち、魔法や魔術が扱えます。
 魔法属性は5種類+α。(火、水、氷、風、雷)
 魔法属性は、家系のものを受け継ぎます。
 武器は杖、ステッキ。防具はローブで、各属性の象徴である色(赤、水、青、緑、黄)
 を身に纏っています。
 王族だけは異属性で、光・闇を扱います。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.2 )
日時: 2024/01/14 11:05
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818

 !百合要素&性的少数者注意

 この世界すべての人間が魔力を持つ魔界。
 そう、私以外の人間はみんな、魔力があるのにね。


 空の色は紫。大きな月が浮かび、コウモリが宙を舞っていく。
 視点を少しずらせば、黒や紫を基調にした大きな城が建っている。
 地面は黒レンガで、道の横には美しい薔薇の花が咲いている。
 大魔法王国____通称、魔界。
 今作はこの魔界を舞台に、様々な奮闘を描いた魔女のお話。

 魔カ検査______約1歳になった子、全員が受ける検査。
 魔力があるか、魔法耐性はあるか、魔法属性は遺伝しているか、魔法使いなのか、魔術師なのかを調べる。
 ほぼ全員が1歳までには魔力をつけているため、早い段階での検査が可能なのだ。

 そこで私は、魔力が1ミリも無い事を伝えられた。
 両親が雷属性なので私もそうだろうと、知人が言っていたのに。
 私の魔力が無いという事が分かっても、両親は変わらず接してくれた。
 ただ、同じ雷村に暮らしていた人達にもその噂は広まり、私が通るたびに影口を言っているようだった。
 でもそれが段々悪化し、終いには面と向かって大人数に罵られ、魔力あげると言われて雷魔法を当てられた事もあった。
 ボロボロになって帰ってくる私に、両親は心配し、もう外に出ない方がいいかもね、と言われて以来、外に出る事は無かった。

 ある日のこと。
 いつも通り村の一角、小さな自宅で両親の帰りを待つ。
 魔力が無いので魔法学校なんて行けないし、将来はのんびり暮らすつもりなので、
 やる事も無く、ただただ時間経過を待つだけ。
 の、はずだった。
 窓の外を眺めていたら突然、可憐な少女が現れた。
 思わず逃げようとしたが、
 「私は国王の娘のローズ。敵では無いので安心して。」
 と言われ、取り敢えず家の中に入れた。
 ローズ姫…を座らせて、お茶を用意しようと立ち上がったら、またまた止められてしまう。
 何の話題かは見当が付く。私は吐き気を必死に抑えながら、ローズ姫と向かい合う。
 「トワ・マディカさんで良いかしら」
 「はい」
 「マディカさん、貴女魔力が無いと聞いたわ」
 「……そう、ですね」
 「私には普通に魔力がありそうに感じるのに、不思議…」
 「…」
 「魔力が無いからって、悪く言われたりもするの?」
 「外に出てた頃は、そうですね。言われてました」
 へぇ、と真面目な顔で呟くと、また明るい顔に戻った。
 「私ね、魔法は才能だと思うの」
 「つまり、私には才能が無いと?」
 「違うわ!私が言いたいのは…」
 ローズ姫は立ち上がって、私の手を握る。
 「才能があれば、魔法は使えるって事よ」
 その時のローズ姫のステンドグラスの様に輝いた瞳を見て、
 私は恋に落ちてしまった。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.3 )
日時: 2024/01/21 09:01
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 __あれから、何年経つだろう。
 ローズ姫はたまに私の家を訪れるようになり、その度に元気を貰っていた。
 活発的で、でも上品で。会う度会う度、好きになっていく。


 でもその日は急に訪れた。

 ある日を境に、ローズ姫は来なくなった。
 もう大丈夫だと思われたのだろう。でも、そんな訳がない。
 私は、____私は、ローズ姫が好きだったから。

 あれから、何年経つだろう。
 あの日、ローズ姫がローズ女王に変わった。
 莫大な魔力を持ち、ついにその手で抑え込む事が出来なくなった彼女。
 その手の中にある物は黒く光り、部屋中を覆う。
 心配して部屋を覗きに行った執事や兵士はその光に呑まれ、帰って来なくなった。
 どうしたものかと王や妃が見に行くと、胸を押さえて泣きながら何かを叫ぶ彼女の姿が。
 「___で」
 「__いで」
 「_ないで…!」
 「来ない…で…!」
 そこで王と妃は亡くなった。
 今になっても終わらないローズ女王の暴走。



 ……って言うのを聞いた。
 最初はびっくりしたけど、少しずつ受け入れる事にした。
 点と点が繋がる。
 私の家を訪れなくなったのは、彼女自身、違和感を抱いていたのではと思う。
 きっとローズ女王の事、迷惑かけたくないと思ったのではないか。
 それで彼女は城の外に出なくなったのだろう。
 でも現状は悪化し、最後には部屋を出るのも困難になったのだと思う。
 彼女が私を見捨てた訳ではないと思いたいのか、考察が捗ってしまった。
 でも、ここまで予想できてしまうと、どうしてもこう思ってしまう。
 私に光をくれたローズ女王のように、私もローズ女王に光をあげたい。
 無理だとは思う。だって、私はこの魔界で唯一、全く魔力が無いんだから。
 それでも助けたい。助けてもらった私だから、助けたい。
 何か方法を考えよう、私が女王を助ける方法を。
 そうか、私だけで無理なら、仲間をつくればいいんだ。
 雷属性の人達は私の事見下してると思うから、他の属性の仲間を集めよう。
 「これなら、きっと……!」
 私は白いローブを羽織り、外へ向かった。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.4 )
日時: 2024/01/28 08:46
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 仲間……か
 火、水、氷、風、雷__。
 雷は無いとカウントして、まずはどの村に行こうかな?
 仲間は何人くらい居ると良いんだろう。
 とりあえず私含め4人かな。水と氷はほぼ同じだし、どっちかって事で。
 じゃあ近い村から訪ねようかな、まずは炎村に行こう。
 「大丈夫…私はもう…何も怖くない…!」
 女王の苦しみと比べると、私の事なんてちっぽけだ。
 ローブのフードを深く被って雷村から炎村に歩き出した。


 「わぁ」
 幼い頃以来外に出てい無かった事もあり、雷村とは違う雰囲気の炎村に胸が高鳴る。
 近未来的でモダンな雷村とは違い、南国のような賑やかで爽やかな風景が美しい。
 そんな炎村に着いてすぐ、案内人と思われる男の子に話しかけられた。
 「はじめて来たの?どう?炎村。楽しいでしょ」
 言動が意外と可愛らしくて驚いたけど、炎村はこんな感じだろうなって性格でもあった。
 「本当だね、明るくて楽しい」
 雷村とは180度違う。優しそうだし話しやすい。
 科学者にならないとみたいな雰囲気も全くないし。
 「僕はフィア・リエイム!君はどこの村の子?名前教えてよ」
 「あ、えっと…私はトワ・マディカ。雷村から来たんだ」
 「へぇ、雷村ねぇ…」
 何?怖い。震えが止まらない。ねぇ、何か言ってよ…
 「雷村ってさ、魔法に厳しいよね」
 「そうだね…科学者にならないとだから、出来ないとすごい言われる」
 怖かったな、あの時。
 「トワも、そういうのに厳しいの?」
 「え?」
 「あ、ごめんね!僕魔術師だからさ、この村で1人だけ」
 「……そうなんだ」
 「才能が無かったっぽくて。魔力はあるけど魔法使えませんって感じなんだよね」
 「他にもいろいろあって、周りは責めてないけど、僕が気にしちゃってる」
 「___それでも、魔力はあるんだから、良いじゃん」
 「?!」
 怒った訳じゃないし、妬んでいる訳じゃない。
 ただ、昔の私みたいな思いをしているのなら、あえて強く言う必要があると思った。
 「雷村は魔法社会だよ、確かに。そこでは魔力の多い人が上、少ない人が下」
 「私だって一緒だよ、魔界で1人だけ、魔力が1ミリも無いんだ」
 「え…」
 「びっくりでしょ、でも居るんだ。あんな村で酷く差別され続けた私が」
 「でも、ここは炎村でしょ?雷村じゃない。」
 「私は差別されたけど、フィアは何も言われずに普通にしてもらってるんでしょ?」
 「フィアの話を聞いて、私も炎村に生まれたかったって思った」
 「周りが気にしてないなら気にしなくて良い………と思う」
 ペラペラ余計な事を話しすぎてしまった。でも気付くのが遅かった。
 「……!」
 フィアは泣いてた。
 「フィア、ごめん!キツく言い過ぎたよね、」
 「ううん…!ありがとう、僕、大切な事に気付いた」
 「これからは気にしないようにするよ!」
 にこっと笑う姿は太陽のように眩しくて、その眩しさに反射するかのように私も笑顔にならざるを得なかった。
 「ねぇフィア、お願いがあるんだけど」
 「いいよ!何でも聞く」
 そんな感じで魔術師・フィアと仲間になった。
 どこまでも適当で軽いけど、それくらいが丁度良いのかもしれない。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.5 )
日時: 2024/02/11 15:12
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no


 ※体調が優れず先週の投稿をお休みしていました。

 フィアがメンバーに加入して、私達は次のメンバーを探しに行く事にした。
 「トワ、次の人はどの村の人にするの?」
 「そう……だねフィアが火だから火属性はもう十分だけど…」
 「決めてる?」
 「特には決めてないよ」
 フィアに何か案があるとみて、私はその案に身を委ねてみようと思う。
 「なら____氷村に行こうよ!」










 「わぁ」
 フィアの推薦する氷村に着いた。
 一面の雪景色、大きく聳え立った氷の山。
 雷村とも炎村とも違う、何か異質がここにはありそうだ。
 「すごいすごーい!何か…何かすごーい!」
 フィアも興味津々だし、案内人いないし、勝手に入っちゃうか。



 「卜ワ見て!村の人いるよ!こんにちわー!!」
 「あ、ちょっとフィア!」
 村の人は苦笑いを浮かべたと思ったら、すぐさま元の様子に戻ってしまう。
 冷たいなぁ…
 「トワ」
 「?」
 めずらしく真面目な声がして、反応が遅れた。
 「あれ」
 あれ、とだけ告げて指を指す先を見てみると、そこには1人の少年と、複数の人が囲うように何か話していた。
 少年は気にしてないようだけれど、周りがクスクスと笑っているのが分かった。
 「ねぇあれどーする?助ける?」
 フィアは助けたいんだ、でもね、私は知ってるんだ。
 「無理だよ」
 「?!」
 私の声と周りの人達の声が重なり、フィアは猫のように驚いている。
 「あの人はシャノ・フローズ、この村一番の実力者」
 「強いけど冷たいし、他にもあって、避けられてるんだ」
 またクスクスと笑いはじめる。
 あ、何か居づらいな。シンプルにそう思った。
 でもそのお陰で、さらりと流れた実力も知る事ができた。
 「ねぇ」
 「___何だ」
 「私達と一緒に旅をしない?ローズ女王を助けにいくの」
 「…は」
 意味わからんといった顔でこちらを覗いているが、そんなのとっくに承知済みだ。
 「この村にいるより過ごしやすいと思うんだよね、私達も訳ありだし」
 「___僕も!君みたいな人探してたし、来てほしいって思うかな」
 「……」










 「改めまして!シャノ・フローズさんでーす!」
 「今のお気持ちは?」
 「俺は何でコイツらに乗せられたんだろうなと」
 「あっはは!何それ~」
 「改めてよろしくね、シャノ」


 私達の旅に、新しい仲間が増えました。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.6 )
日時: 2024/02/18 08:32
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 私、フィア、シャノがパーティーを組んだ今。
 私は、氷村最後に行けばよかったなと痛感してます。
 「まともに魔法使えねぇのが居んなら、もう1人魔法使いともう1人風属性が良いだろ」
 「トワはすごいんだよ!だから風だけでいーじゃん!」
 火と氷、情熱と冷徹、合う訳も無く。
 「ま、まぁ…風属性連れてくのは確定みたいだし、まずは風村行こっか」
 私が纏めるしか無いようで__?!





 「ひゃー!!見て、春みたい!」
 「変わんねぇな、昔っから」
 「すごいね、炎村とも氷村とも……雷村__とも、違うね」
 本当に違う。国が変わったかの如く違う。それが、本当に面白い。
 「こんにーちはー、風村へようこそ」
 「皆さんはじめて?あ、シャノ君だぁ、こんにちは」
 案内人かな、陽気で話しやすい。
 「……ちわっす」
 「ちょっと~?!シャノ君?!素っ気ねぇですわよ!!」
 「ちょっと、フィア?お口が悪いですわよ?」
 「トワ、丿るな!」
 「っははは、とっても仲が良いんですねぇ」
 仲が…良い…?これが、仲が良いって事なの?
 たちまち私は嬉しくなって、笑いが止まらなくなった。
 するとフィアも笑い出し、案内人も笑い出し、シャノも明るい顔をした。
 「仲が良いのはいいですねぇ。風村もみんな、仲が良いんですよ」
 「是非楽しんできてくださいね」
 「はーい!さ、シャノも挨拶できるかな~?」
 「うっせー……じゃあ、また」
 ははは、と私はずっと笑いが止まらなかった。





 適当に滞在するつもりなので宿を取り、各自買い出しに行く事にした。
 私とシャノは早めに終わったので、2人で生産性のない世間話をしている。
 「___あのさ、」
 「何?」
 「トワ、魔力が無いんだよな?」
 「……そうだよ」
 「俺には、魔力があるように見える…ってのはおかしいよな」
 「__昔、今の女王にも同じ事聞かれて、魔法は才能って言ってた」
 2人とも、魔法に関しては一人前だ。だからって…私に魔力、はやっぱり変だな。
 「才能…今のお前にはぴったりな言葉だな」
 「え?ちょっと、シャノ!くわしく教えてよ~!」


 ドッカーン

 「?!」
 嫌な予感しかしない。でも大丈夫だと…信じたい。けど…
 「遂に風村に来たか」
 「だ、だよね……」
 「あ、フィア!フィアは大丈夫かな?!」
 「アイツの心配してられっかよ、村の人の避難を最優先して戦うぞ!」
 私達は大急ぎで外に出て、同じ対応を取っていたフィアと合流する。
 「トワ、大丈夫?」
 「__うん、平気」
 目線の先には兵隊と、その長のような人物が見える。
 「貴様ら、この村の奴じゃないな?お前らに用は無い。どけ」
 「俺達こそお前らに用は無い。死にたくなけりゃ早く帰れ」
 「火傷するよ?僕達に歯向かうならさ」
 2人共怖い。平気だって言ったけど、実はめっっっちゃ怖い!!
 でも、怖いけど、女王はもっと怖い。頑張れ、私…!

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.7 )
日時: 2024/02/25 11:53
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 爆発音と共に現れたのは、この国の兵士。
 兵士達ではローズ女王の暴走を止める事は出来ない。
 それに国の為にもあまり多くは犠牲に出来ないので、攻撃技の無い風村の住民を徴兵しに来たのだ。

 「兎に角、これ以上村に入るな、帰れ」
 「言っておくけど、僕達雑魚じゃないからね」
 すると、今まで黙っていた兵士長が口を開いた。
 「引く気は無いみたいだな?なら容赦なくやらせて貰う」
 その合図で、兵士達は続々とこちらへ向かって来る。
 「トワ、安心しろ!兵士は基本は魔法を使わない!」
 「僕とシャノで片すから、無理しないでね!」
 はーい、分かった、うん。
 言葉はいくらでも思い付いたけど、言えなかった。
 やっぱり目下に見られてるのかぁ、そうだよね、私、魔力無いもんね。
 ちょっと泣きそうだけど、今は、守るものがある。
 女王のために、今まで通りの国であるために。
 ぎゅっと涙を振り払って、目の前の敵に集中する。
 「アイシクル・ブレイド!」
 「グレイダスランス!」
 シャノの剣で、フィアの槍で殆どの兵士は倒れる。
 それを繰り返すうちに、残るは兵士長だけとなった。

 「氷と火のお前らは、そこそこといった所か。嫌、氷の方はもう上級のようだな」
 「火の方は俺の知らない技を使っていたな。魔術師か」
 「で、そこのお前は何が出来る?」
 「!!」
 魔法の分析が早い。そして何もしなかった私への質問。
 この人、きっと___
 「私?そうだなぁ、私は何も出来ないよ」
 「ッおい!」
 「トワ?!」
 「そうか、何も出来ないのか。ならお前は連れて帰ろう」
 雷属性だ。
 今まで何もしていなかったのは、“あの技”を使う為だ…!!
 「チャージド・ストライク!」
 「2人共逃げて!」
 どうしよう、これ風村壊れるんじゃ__?!
 こういう時、私はどうすれば良い?
 私しか状況を把握していない時。
 私は何も……出来ないのに……!






 ドカーン



 「これで、アイツらと…風村は全滅だな、身を引こう」
 兵士長は閃光の如く去って行った。








 「___か」
 「大___ですか」
 「大丈夫ですか?!」
 「…え」
 気が付くと私は村役場に来ていて、フィアとシャノが苦い顔をしていた。
 「トワ……大丈夫?!」
 「何があったか覚えてるか?俺達が分かるか?」
 みんなあ然としていて、そんなびっくりする事したかなぁと考える。
 「トワ、魔法使えないんじゃなかったの?」
 え?
 「落ち着いて聞け、お前…」










 『超上級魔法使ったんだぞ』

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.8 )
日時: 2024/03/03 16:05
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 私…が?超上級?
 「え、使ってないよ?多分それ兵士長の奴…」
 「それに、私に魔力なんて無いよ」
 自分でも動揺は隠しきれないけど、技の一つも知らない私が魔法なんて、嘘。
 数秒の沈黙を切り裂いたのはフィアだった。
 「光…って言うのかな、バチバチィッ!って雷の波動を包んで消したの」
 「そこでお前は倒れた。単なる魔力切れか、それとも____」
 え。
 正直、フィアの説明じゃ特徴が掴みづらい。
 それに、シャノが言ってる事は一般の魔力がある人用の対応だし、よく分からない。




 ヒュオーーーーッ




 ???
 風が、嫌、大きな竜巻が、球状に回転している。
 目にも留まらない程の速度で落下、再度空中に浮かび、弾ける。
 その頃には潰れたはずの地面が元に戻っていて、思わず拍手したくなる。
 この魔法を使ったと思われる魔法使いが、私の方を見て口を開いた。
 「貴女のはもっと大きくてピリピリして速くて、もっと凄かったんですけどね」
 「そうそう!ビュ~バッピカァ~!!って言う感じの!淒かったんだよ!」
 「多少相違点はあるが風でここまで再現できるなんて……」
 「え、私(がやったとするなら)こんなの使ったの?!」
 本当にびっくり。違うと思うけど、私がやったなら魔力…があったり…?
 「はい、貴女様はこのワタクシでも真似できない超上級魔法を使ったのです」
 「申し遅れましたがワタクシはネイト・ウィンガという者です」
 「ネイ卜はねぇ、人の魔法の真似が大好きなんですぅ」
 案内人さんが口を開く。
 「ネイトの才能は計り知れないんですよ、どんな上級魔法も真似してねぇ」
 「今日はじめて、ワタクシが再現出来ない魔法を見ました」
 「それで…お願いがあるのですが」
 ネイトが少し俯きがちに声を発する。





 「皆様、噂では旅をされているようですが」
 「ワタクシもその旅に連れて行って頂けませんか」



 「ネイトが?本当に?」
 一応、確認。
 「__はい」
 さっきとは180度違う、不安そうな顔を浮かべて答える。
 「私はむしろ歓迎っていうか…」
 「僕は良いよ?シャノも良いね?よし!これからよろしくね!ネイト!」
 「は?ちょっと待て!___まぁ、このレベルの魔法使いなら構わないが」
 「じゃあ決定だね!よろしく、ネイト」
 「…はいっ!」






 魔力の無い雷魔法使い トワ・マディカ

 明るい笑顔の炎魔術師 フィア・リエイム

 冷静な天才氷魔法使い シャノ・フローズ

 真似好き風魔法回復師 ネイト・ウィンガ



 これから、私達4人の長い旅がはじまる。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.9 )
日時: 2024/03/10 07:52
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 夢を、見たんだ。

 雷村に4人で走って向かって、私が魔法を使えた事を話しに行った。
 でも村の人達はそんな訳ない、よりによってお前が、とにまともに聞いてもらえず、
 フィア・シャノ・ネイトにも嘲笑われる、そんな夢を。






 がばっと目を覚ます。
 「調子に乗りすぎた、かなぁ」
 そう言い捨て、宿の外に出る。





 『魔法のろくな知識もないお前に、そんな事できるか」
 雷魔法は一通り覚えたし、属性どうしの相性も把握してる。
 『魔力検査を舐めているのか。お前に魔力なんて、無い』
 分かってる。そんなの分かってるけど___!!




 『お前は何もできない』




 私の頬を、涙がさらりと伝っていく。
 「誰よりも勉強して、誰よりも努力した。のに、何で私は…いつもこうなの?
  中途半端で苦しむくらいなら、魔力が無いって思ってた方が楽だったのに」
 次々と私を締め付ける物を思い返す。

 『ローズ姫が好き?貴女みたいな魔界の落ち溢れが?無理、諦めて」
 『女じゃないの?何で女が女を好きになるの』
 『やっぱりあの子変だよ。気持ち悪い』







 今もその苦しみから逃れる事はできていないけど、前よりは平気になったと思う。
 魔法、改めて学び直そうかな。
 宿の階段を駆け上がり、ただいま、と扉を開ける。
 「トワ!どこ行ってたの?目、赤いけど大丈夫?」
 「もしかして、泣いてたんですか?」
 「お前ら質問攻めしすぎだろ。トワ、無視しろ」
 「あはは、やっぱり4人で居ると賑やかだね、楽しいよ」

 「ねぇ、私もう一度魔法について学び直したくて。みんなの事、もっと教えてほしい」
 「……」
 「僕もやりた~い!魔法って範囲すごいから、勉強するの渋ってたんだよね~」
 「そうだな、百聞は一見にしかずって言うし、村を知る良い機会かもしれない」
 「トワさんがやりたい事を聞かないなんて、ワタクシはそんな事しません」
 「みんな、ありがとう!」
 ローズ女王、もう少しお待ちください。いつか必ず、私達が助けにいきます。



 <お知らせ>
 毎週日曜日に更新を続けていましたが、
 このままだと永遠に終わらないのでは、と判断したため、
 不定期更新に戻そうと思います。
 一応、二日に一回くらいを目安に執筆させて頂きます。
 (平日は主に夕方の更新となります。ご了承ください)

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.10 )
日時: 2024/03/12 20:02
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 トワが魔法を勉強したいと言って、もうすぐ一週間になる。
 「すごい!シャノは上級魔法も簡単に出せちゃうんだ!」
 「トワに比べたら、俺は大したことねぇよ」
 「ネイトもすごいね!ずっと座ってても全然疲れない」
 「トワさんにそんな事言わるなんて光栄です~!」

 …あーあ。
 この中で僕は、僕だけは、魔術師。
 卜ワに出会ったときは気にしないって言ったけど、気にしちゃうんだよね。

 だって僕、鬱陶しい程諦めきれなくて、村の人達を困らせたから。
 一個諦めて一個頑張った。
 本当はどっちも大切な事なんだけど、みんなには片方しか言ってないんだよな。


 トワのリアクションを木陰で静かに眺める。
 一個、頑張った。
 魔法が使えないから遠く感じた村の景色を近くで見たくて、
 必死に勉強して魔術師になった。
 努力の塊である僕の魔術が認められた時は、何にも変えられないぐらい嬉しかった。

 一個、諦めた。
 僕がなりたかったものでいる事を、諦めた。
 魔法使いだとか魔術師だとか以前に、それ以上に大切なものを諦めた。
 周りに見えてる僕の姿は、自分が追い求めている姿ではない。
 今も、ね。
 自分らしく生きる事を諦らめた僕だからこそ、自分らしさを殺されかけても諦めない卜ワに心を動かされたのかな。
 ちょーっと前の僕が卜ワに会ってたら、こうはなってなかったかもね。


 「トワ~!!」
 「___フィア!どこ行ってたの?」
 「っへへ、ちょっとね~?」
 今の自分がどうであれ、僕の居場所はここだ。もう二度と失わないように、大切にしよう。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.11 )
日時: 2024/03/17 08:00
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 ある日、ネイトが俺に変な事を聞いた。
 「氷村って、雷村ほどじゃないけど魔法社会ですよね」
 「まぁ、そうかもな」
 「じゃあ、実力で妬まれるって何か、変じゃないですか?
  あ、温厚で穏やかな風村出身のワタクシが言うのもですけれど」
 「___確かに、な」


 トワやフィアなら騙せると思ったんだが、流石、ネイトにはお見通しか。
 嫌、魔法使いなら誰もが疑問を抱くだろうな。
 ドライで薄情な氷村のヤツが妬むなんて、と。
 まぁ、な。
 アイツらが嫌うなんて、よっぽどの理由が無いとあり得ない。
 その『よっぽどの理由』を俺が持っている。それだけの事だ。
 「はぁ…」
 ただただ自己嫌悪に呑み込まれる。
 変な奴には近付かない、何をされるか分からない。
 俺に対する冷えきった心を持ったのが何人か居て、それが次第に広まっていったのだろう。
 別に、俺は孤独である事に苦しみを感じたりはしなかった。
 何なら、永遠に孤独だったって構わない。


 ___なんて、思ってた程なのに。
 あの日、俺は孤独に解放された。
 俺と同じ、それ以上の孤独を抱えた奴らに。
 今も変わらず馴れ合う姿を見ると、はじめて出会ったとき見た笑顔とは印象が違う。
 正義感しか無いと思っていたトワ、意外と馴れ合いを嫌う傾向がある。
 ただただ馬鹿だと思っていたフィア、寂しそうで依存しているようにも見える。
 ネイ卜の事はよく知らないが、俺達同様、決定的な何かが足りていないのだろう。

 「シャノさん、卜ワさんが呼んでますよ」
 「…あぁ、今行く」

 変に模索するのも、良くないか。

 俺達は互いに、足りないものを分け合って、補い合って進んでいく。
 誰に何て言われたって、もうきっと孤独を感じる事も無いだろう。
 だって、ここが俺の本当の居場所だからな。


Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.12 )
日時: 2024/03/19 18:50
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 明日には、風村を出るらしいです。
 ずっとこの優しい村の外に出る事は無かったので、凄く不安です。
 「ネイト、大丈夫?荷物まとめてちょっとしたら出発するよ~!」
 「…わかりました!」

 今日は役場に挨拶に行って、一晩中パーティーして、明日には出発。
 今はある程度の持ち物をまとめて、明日すぐ村を出られるように準備している段階です。
 村を出たら、氷村、炎村の順に挨拶しに行くらしいのですが、
 当然、雷村には行かないみたいです。

 卜ワさんは強い、そう思いました。
 ワタクシだったら耐えられない。そんな傷を負って、それでも前を向ける。
 そういう精神的な部分にも憧れて、着いて行きたいと思ったんです。
 きっと、トワさん達も疑問に思っている部分はあると思います。ワタクシの事。

 「トワ、良い意味でデリカシーに欠けてるよね」
 「え、フィアに言われたくないなぁ~」
 「でも分かるな。普通に俺と同じ部屋でも気にしねぇし」
 「そんなの気にしてたら、部屋割決まっちゃうじゃん」
 「え、トワさ、ネイトの事どっちと思ってる?」
 「私?私は…」

 ___どっちでも無い、なんて考えてもくれないですよね。
 どっちにもなりたくない、ワタクシはワタクシだなんて厨二病みたいな考え方。
 気持ち悪い、変だって言ってくれたら、はっきり区別できるんでしょうか。
 追いて行ってしまったら、しっかリ決断できるんでしょうか。
 すぅっと涙が頬を濁す。

 「私はね、ネイ卜にそういう壁は無さそうだな、とか思ってる」



 え?




 「私もそうだけど、壁があるから遠く感じるんだよね。みんなと仲良くするのに、そんな区別要らないと思ってる」

 部屋で立ち尽くしていると、ギィ、と扉の開く音がした。
 「わー!!勝手に色々ごめん!声大きかったよね、気を付ける!」
 「___卜ワさんは、優しいんですね」




 風村のみんな、ワタクシを育ててくれてありがとう。
 ワタクシは明日、風村を旅立ちます。
 絶対、帰って来ますから、そのときは笑顔で迎えてください。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.13 )
日時: 2024/03/24 10:48
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 「トワ・マディカ。そしてその仲間。絶対に帰ってきてな!」
 「トワさんいいの?魔法使いでしょう。杖の一つでも差し上げますよ」
 「あ、大丈夫なんです!本当に、重くて使いこなせないんです」

 風村とは、楽しく交流してすぐ去った。
 ネイトはまだ寂しそうな顔をしていたけど、そんな事言ったらシャノに怒られるので黙る。
 何だかんだ一番お世話になったから、実は私も寂しい。


 「次は氷村だね、シャノ。優しくしてくれるといいけど」
 「あー…頑張れとも絶対帰ってこいとも言わなそうだな」
 そういう所、ちょっと似てるかな、とか思って。
 「一応行くけど、無理にとは言わないからね」
 あの時のイメージからして、視線も氷点下だったしなぁ…
 「大丈夫だ。少し、確認したい事があるんだ」
 「そっ… か」



 氷村に着いた。が、そこは以前と違う熱気があった。
 嫌な予感。
 みんなとアイコンタクトをとって村の中心へと向かう。







 こういう予感とは、よく当たるものだ。
 「風村を守ってすっかり大人しくなったと思っていたのだがな」
 「兵士長、この人達ですか?私達の計画の邪魔をした人って」
 雷魔法使いの兵士長。と、隣に居るのは身長が高く声が低い女の人。

 「ちょっと…!何でいるの!」
 フィアはこの状況、混乱している。
 まぁ、ずっと平和に暮らしていたからね、混乱もするよ。
 「あの子…」
 どうやら女の人が何かに気付き小さく口を動かす。
 それにフィアは怯えだす。
 「フィアさん!ちょっと大丈夫ですか貴方!」
 ネイトが話しかけるが、フィアはまったく応答しない。
 女の人が唇で指をはさみ、キュッと音を鳴らすと、
 「大丈夫、私は何も知らないで~す」
 とフィアの目の前に立ちはだかった。

 「面白い。少しお喋りしませんか?」
 「ッおい、近寄るな」
 ずっと黙って立っていたシャノが声を上げた。
 「お前には俺が相手してやるよ」
 「兵士長…!
  ねぇ、他の村は?」
 「他の村…雷村とか?」
 「?!」



 これってもしかしなくても、まさかまさか…!






 「お前、トワでしょ?久しぶり。死んでなかったんだね」
 「雷村の失敗作、大魔法王国の恥じ。ついに逃げたんだね」


 「_____!!」
 兵士長が雷魔法使いだから、もしかしたら~なんて思ってたけど。




 『大丈夫よ、貴女の事はきっと私が守るもの怖い思いをしたときは、私の事を思い出すのよ』



 そしたらきっと、もう何も怖くなんてなくなるわ。


Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.14 )
日時: 2024/03/31 14:09
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


      <遅れてごめんなさい‼︎>

 私の胸の暖かさは、女王に貰った大切な暖かさだ。
 絶望の底に居た私を、救い出してくれた。女王が苦しみをかき消そうとしてくれた。



 私はそういう、王族らしくないお茶目でポジティブな女王が大好きなんだ___!


 すると上空から黒く澱んだ液体のようなものが、私達を包み込んだ。
 うぉっと声を上げるのは束の間、兵士長達と私達を引き裂き、私だけはまた仲間の中から引き裂かれた。

 「どうなっている」
 兵士長が私達の言いたい事を代弁した。
 「わかんないですけど、これって多分…」

 あの兵士長でさえかなり戸惑っている。正直、私も。
 あの日の女王の優しさが今、呪いみたいに聞こえるんだ。


 「闇?って言うのかな、これ。誰の何だか知らないけど、邪魔はしないでよね」
 フィアが魔術を放った。全然関係無いけど、意外と好戦的なんだな、と感心する。
 でも、そんな思考は今ぶった斬られることになる。

 「え…」
 魔法が効かない。というか、吸収されている。
 「臆測だが、これは闇魔法だ。闇魔法は王族しか使えないはずだからな、これは…」







 「女王のものだと思われる」
 「そうだね」
 兵士長の馬鹿でも分かる考えに即賛同する。最近、疑問がたくさん浮かぶんだ。
 どうして私は魔法(仮)が使えたんだろう。
 そもそも、兵士が来ればよかっただけだった私の生態調査をわざわざ女王がやる必要あったのか。
 なんで、どうして。数々の疑問が消化しきれないままで残されている。
 でもこれで、まだわかんないけど多分、わかった気がする。
 兵士長と姫騎士、フィアシャノネイト、私。
 黒い液のような何かで仕切られ、動く事は不可だ。
 剣で切る事も、魔法で破壊する事も不可。これの持ち主だけが自在に操る謎の物体。
 これはきっと女王の魔法、黒く澱んでいるのは闇魔法。
 闇魔法というのは魔法の譲渡に失敗すると扱える魔法。
 譲渡とは、結婚などで違う属性の魔法使いを王族の魔法属性にするための儀式。
 点と点が繋がる。

 と同時に、黒い魔法物体がぐらりと揺らぎ、兵士長とシャノ、姫騎士とフィア・ネイトを大きな円で囲み、私は___
 「ん~?」
 ぶっ飛ばされた。私、現在進行形で空を飛んでます。
 「トワ~!?」
 「おい嘘だろ?」
 「ト、トワさん大丈夫ですか?」
 みんな、驚いてるように見えるけど楽しそう。ちょっ、フィアめちゃくちゃ笑ってんじゃん!
 「も~!なんで私だけ~?!」












 気が付けば私は床のある場所へと飛んできていた。
 失礼の無いうちに撤退しなければと思い立ち上がると、
 「おはよう、久しぶりね.マディカさ……いえ、トワさん」
 すごく懐かしい声がした。

Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.15 )
日時: 2024/04/14 17:01
名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818


 こんにちは、のゆりです。
 今作に関する重要なお知らせです。
 本編の執筆ペースなのですが、今年4月より社会人となった為
 今まで通りのペースで執筆する事が難しく、月ー程度の執筆を目安にさせて頂きます。
 早まったり遅れたりする事もあると思われますので、ご了承ください。

 と、言いつつですが、本作品もあと3話での完結を予定しております。
 完結後は小説カキコを離れて、とあるサイトにひっそりと居る……かもしれません。

 次回更新は来週ごろを予定しています。
 それでは、長話失礼致しました。