ダーク・ファンタジー小説
- Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.13 )
- 日時: 2024/03/24 10:48
- 名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818
「トワ・マディカ。そしてその仲間。絶対に帰ってきてな!」
「トワさんいいの?魔法使いでしょう。杖の一つでも差し上げますよ」
「あ、大丈夫なんです!本当に、重くて使いこなせないんです」
風村とは、楽しく交流してすぐ去った。
ネイトはまだ寂しそうな顔をしていたけど、そんな事言ったらシャノに怒られるので黙る。
何だかんだ一番お世話になったから、実は私も寂しい。
「次は氷村だね、シャノ。優しくしてくれるといいけど」
「あー…頑張れとも絶対帰ってこいとも言わなそうだな」
そういう所、ちょっと似てるかな、とか思って。
「一応行くけど、無理にとは言わないからね」
あの時のイメージからして、視線も氷点下だったしなぁ…
「大丈夫だ。少し、確認したい事があるんだ」
「そっ… か」
氷村に着いた。が、そこは以前と違う熱気があった。
嫌な予感。
みんなとアイコンタクトをとって村の中心へと向かう。
こういう予感とは、よく当たるものだ。
「風村を守ってすっかり大人しくなったと思っていたのだがな」
「兵士長、この人達ですか?私達の計画の邪魔をした人って」
雷魔法使いの兵士長。と、隣に居るのは身長が高く声が低い女の人。
「ちょっと…!何でいるの!」
フィアはこの状況、混乱している。
まぁ、ずっと平和に暮らしていたからね、混乱もするよ。
「あの子…」
どうやら女の人が何かに気付き小さく口を動かす。
それにフィアは怯えだす。
「フィアさん!ちょっと大丈夫ですか貴方!」
ネイトが話しかけるが、フィアはまったく応答しない。
女の人が唇で指をはさみ、キュッと音を鳴らすと、
「大丈夫、私は何も知らないで~す」
とフィアの目の前に立ちはだかった。
「面白い。少しお喋りしませんか?」
「ッおい、近寄るな」
ずっと黙って立っていたシャノが声を上げた。
「お前には俺が相手してやるよ」
「兵士長…!
ねぇ、他の村は?」
「他の村…雷村とか?」
「?!」
これってもしかしなくても、まさかまさか…!
「お前、トワでしょ?久しぶり。死んでなかったんだね」
「雷村の失敗作、大魔法王国の恥じ。ついに逃げたんだね」
「_____!!」
兵士長が雷魔法使いだから、もしかしたら~なんて思ってたけど。
『大丈夫よ、貴女の事はきっと私が守るもの怖い思いをしたときは、私の事を思い出すのよ』
そしたらきっと、もう何も怖くなんてなくなるわ。
- Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.14 )
- 日時: 2024/03/31 14:09
- 名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818
<遅れてごめんなさい‼︎>
私の胸の暖かさは、女王に貰った大切な暖かさだ。
絶望の底に居た私を、救い出してくれた。女王が苦しみをかき消そうとしてくれた。
私はそういう、王族らしくないお茶目でポジティブな女王が大好きなんだ___!
すると上空から黒く澱んだ液体のようなものが、私達を包み込んだ。
うぉっと声を上げるのは束の間、兵士長達と私達を引き裂き、私だけはまた仲間の中から引き裂かれた。
「どうなっている」
兵士長が私達の言いたい事を代弁した。
「わかんないですけど、これって多分…」
あの兵士長でさえかなり戸惑っている。正直、私も。
あの日の女王の優しさが今、呪いみたいに聞こえるんだ。
「闇?って言うのかな、これ。誰の何だか知らないけど、邪魔はしないでよね」
フィアが魔術を放った。全然関係無いけど、意外と好戦的なんだな、と感心する。
でも、そんな思考は今ぶった斬られることになる。
「え…」
魔法が効かない。というか、吸収されている。
「臆測だが、これは闇魔法だ。闇魔法は王族しか使えないはずだからな、これは…」
「女王のものだと思われる」
「そうだね」
兵士長の馬鹿でも分かる考えに即賛同する。最近、疑問がたくさん浮かぶんだ。
どうして私は魔法(仮)が使えたんだろう。
そもそも、兵士が来ればよかっただけだった私の生態調査をわざわざ女王がやる必要あったのか。
なんで、どうして。数々の疑問が消化しきれないままで残されている。
でもこれで、まだわかんないけど多分、わかった気がする。
兵士長と姫騎士、フィアシャノネイト、私。
黒い液のような何かで仕切られ、動く事は不可だ。
剣で切る事も、魔法で破壊する事も不可。これの持ち主だけが自在に操る謎の物体。
これはきっと女王の魔法、黒く澱んでいるのは闇魔法。
闇魔法というのは魔法の譲渡に失敗すると扱える魔法。
譲渡とは、結婚などで違う属性の魔法使いを王族の魔法属性にするための儀式。
点と点が繋がる。
と同時に、黒い魔法物体がぐらりと揺らぎ、兵士長とシャノ、姫騎士とフィア・ネイトを大きな円で囲み、私は___
「ん~?」
ぶっ飛ばされた。私、現在進行形で空を飛んでます。
「トワ~!?」
「おい嘘だろ?」
「ト、トワさん大丈夫ですか?」
みんな、驚いてるように見えるけど楽しそう。ちょっ、フィアめちゃくちゃ笑ってんじゃん!
「も~!なんで私だけ~?!」
気が付けば私は床のある場所へと飛んできていた。
失礼の無いうちに撤退しなければと思い立ち上がると、
「おはよう、久しぶりね.マディカさ……いえ、トワさん」
すごく懐かしい声がした。
- Re: 魔界にうまれた僕達の、 ( No.15 )
- 日時: 2024/04/14 17:01
- 名前: のゆり (ID: 7NQZ9fev)
- 参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=13818
こんにちは、のゆりです。
今作に関する重要なお知らせです。
本編の執筆ペースなのですが、今年4月より社会人となった為
今まで通りのペースで執筆する事が難しく、月ー程度の執筆を目安にさせて頂きます。
早まったり遅れたりする事もあると思われますので、ご了承ください。
と、言いつつですが、本作品もあと3話での完結を予定しております。
完結後は小説カキコを離れて、とあるサイトにひっそりと居る……かもしれません。
次回更新は来週ごろを予定しています。
それでは、長話失礼致しました。