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ダーク・ファンタジー小説
- Re: やよいの過去屋 ( No.1 )
- 日時: 2024/01/22 18:02
- 名前: とーりょ (ID: J0KoWDkF)
この町には、ある小さなお店が立っていた。
そのお店の名前は『過去屋』で店長は カラスである。
なぜ私が『過去屋』でバイトすることになったのか?
それは一匹のカラスのせいである──
その『ノアール』という名前のカラスは あたしの目の前に 突然あらわれた。
どうやら戦争で死亡したカラスで 幽霊らしいが あたしはまだ信じてない。
だって、幽霊ならあたしが見えるはずないからだ。
あたしが霊感など持っていないことは自分がよくわかっている。
そのカラスに「僕の過去を見てほしい」と言われた。
けれど、あたしは過去が見えるわけではなかった。
その事をカラスに話すと「『過去屋』でバイトしろ」と言われた。
お客さんの過去を見れば、過去を見ることに慣れるから。
そうして慣れたら僕の過去を見てほしいと。
あたしは逆らうことができなかった。
なぜなら、その目が少し悲しそうな目をしていたからだ。
それに、理由は分からないが助けてあげたいと思ったから。
「過去を知りたい」と言うことは、何か理由があるはずだから。
あたしが協力できることがあるなら……と、あたしは少しカラスに感情を奪われていた。
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