ダーク・ファンタジー小説
- Re: 死ぬ前にすべきこと。 ( No.7 )
- 日時: 2012/09/10 21:31
- 名前: 朱雀 (ID: P/sxtNFs)
- 参照: 二日目
私は黒板いっぱいに文字を書いた。それに集まる視線。
そうだ、私は今このクラスの王。一つの国ができたも同然だ。
すごく心地いいなぁ。委員長もリーダーもやれることなんてできなかったから、いい気持ち。みんながしたがってくれる。私の言うことを何でも聞いてくれる、ははははは、みーぃんな私の友達なんだっ!
「黒板を見てください」
うわ、すごい。みんなが見てくれる!私を恐怖に満ちた目で見てくれる。いい気味。笑えるよー?昨日までの私を見る目と全然違う!!みんなやっぱり自分がだぁーい好きなんだよねぇ?他の誰がどうなってもいいから、自分だけは助かりたいんだよねぇ、分かるよ、分かるその気持ち。
「身分制度を発足します」
ざわざわとひそひそ話が始まる。
あははは。
ちゃぁーんと見てたよ澤田ちゃーん。今私の声に震えたでしょぉー??ナニされるか怖くて怖くてたまらないんだねぇ、顔上げなよ?綺麗な顔が台無しになちゃうよ?
「話は簡単です。身分がつけられるだけの話ですね」
あー、おかしい。
どうしてそんなに震えてるの、みんな?
私が怖いのかな?今から何をされるのか、堪らなく怖いんだね。
黒板に大きく書かれたピラミッドに三本横に線を引く。
一番上に王。二番目に貴族、三番に平民、そして四番は奴隷。
「クラス合計三四人はこの身分にそれぞれ分かれます。私は王。貴族は既定として・・・そうですね、六人で。平民が二六人。奴隷が罰ゲームのターゲットに選ばれた一人です」
クラスのざわめきがしーんと静まりかえっていた。あれぇ?そんな黙ることないよ?ははは、そんな死にそうな顔しないでよ??
「私と貴族は傍観者です。奴隷が罰ゲームを受けるのを見ているだけ。・・・つまり、自分の手を汚さなくていいのです。分かりますか?」
おー、すごいすごい。
一気にみんなの目の色が変わったよー?そんなに、自分の手を汚したくないんだね、私のことはいやだといってもやめてくれなかったくせに、非常事態になると自分のことが可愛くてかわいくてしょうがないんだねぇ??
「一方平民は私が命令した通りに罰を奴隷に受けさせます。そしてみんなが気になる貴族と平民の関係ですが。
点数制です。平民たちの持ち点は二〇点。私に背く行為をした場合は点数を引かれます。んー、一〇点以下なったら、一緒に奴隷になってもらおうかなぁ?」
首を傾けてにっこり笑うと、彼らは皆一様に目を見開いた。
嘘だと思っている人がいるなら侵害だなぁ、これ。そんな人はもうそれが嘘じゃないってすぐわかるのに。
「一方、私が『喜ぶようなこと』をしてくれた人にはもれなく点数を上げちゃいます!貴族になるための点数は五〇点。早い者勝ちです」
あらあらみんな目の色変えすぎですって。怖い怖い。
「けど、私の中ではもう貴族は2人いるので、残りは四人」
あはははは、すごいすごい。三四人中の四人!誰がなれるか楽しみ♪
「そのひとは・・・」
みんなが息を止める。わぁーかってる、みんな助かりたくてしょうがないんだよね?ほらほらみてぇ?手を握って祈ってる人ばっか!
ばぁーか。神様なんかにお願いごとですかぁ?無理無理!決めるのは私だよ?神様じゃない、この私!そんな必死になった顔されてもなあ。
「静乃ちゃん。・・・それから、ハル君」
ふふふふははははははははははははははははっふふあはははははははははははあはははははは、ねね!今のみたぁ?ねえ、澤田の顔!!
顔真っ赤だよ。何そんなに涙ぐんでるのぉ?怖い怖い私を睨みつけてさ!
その顔が見たかったの!どんな気持ち?自分の好きな人が取られチャウ気持ち!ずぅーっと好きだったんだよねぇ。私がハル君好きなことも知ってたから、私を殴ったり蹴ったり隠したり言ったりしたんだもんねぇ。
取られるんじゃないかって、気が気じゃなくて私にいろんなことしたんだもんねぇ?あははははははははははは、取られちゃった、私に!
取られないためにしたのに、どうしたの?!私じゃん、前の私!そうだよ、私と同じ思いすればいいんだ。
私が感じたこと、私が悲しかったこと、私が死にたくなったことぜんぶ、全部思い知らせてやる。