ダーク・ファンタジー小説

死ぬ前にすべきこと。 変わり身編 ( No.17 )
日時: 2012/09/17 11:52
名前: 朱雀 (ID: P/sxtNFs)
参照: 変わり身



・・・・・・あ。
手がぴたっと止まる。いいこと思いついちゃったよ、ねねねねね、いいこと思いついた、私って天才だよっ!!ははははははは、もっとこいつには私の苦しみを知ってもらわなきゃ、それならもっといい方法があるじゃないかよ、ハぁアアアアああああああああアア、天才だ、私、天才だよ、しかもこれ、私ニハ実行可能ナンダヨ、コレッッ!




私は紅く頬にこびりついた血液を手の甲で乱暴にこすった。最悪だよ、こいつの血が付いちゃったよ、汚い、汚い、気持ち悪いッ!!蛆虫の血が付いちゃったよ。


あーあ。澤田、打ち上げされた魚みたいにぴくぴくして惨めになちゃってるよー。片づけが面倒だなぁ・・・。


ぐるりと見回す。あらら、どうしちゃったの、みんな。私のコト死神みたいな目で見ないでよ?あ、ハル君にもみられちゃった、どうしよう。嫌われちゃうかなぁ?あっははは、そんなことないよね?ハル君、だって私のことすきなんだもんねぇ???



「藤木と前田。前に出てきてください」


あれー?どこにいるのかな?あ、発見〜、いたいた。後ろの方で馬鹿みたいに肩震わせているのが2人いるよ。優しく優しくその二人に微笑みかける。


「早く」



あははははははははは、どうしちゃったの、キミらとっても膝が震えてるけど、トイレにでも行きたいのかな??ふふふふははははははっはははははは、ねえ、メノマエニいる私は数日前まで君らの前で泣きながら許しを請っていた私なのに、そんなに震えることないって!



「澤田」


振り返る。うわ、まだこいつ息してるよ。まあ、死んでもらったら困るんだけどねぇ。そっかそっか私の声を聞いても起き上がれないなら、私が起こしてあげるよ。汚い蛆虫の体を触るのは嫌だけど、しかたないよね、仕方ない。



「ねえ。許してほしいんだよね、澤田ちゃん?」


返事がない。

うん、分かってるわぁーかってるよ、こんな目に遭ったら誰だって助けてほしくなったりするよね、わかる、分かる。



「藤木と前田。貴方の仲のいいトモダチだよね?」


うわ、2人とも私が視線を向けただけで悲鳴漏らしてやんの。そんなに今の私って怖いかなぁ?はははは、怖くて怖くてたまらないかな?














「選んでどっちか。貴方の変わり身だよ、貴方の代わりになってくれる人。あなたが選んで?どっちがいい?」









息をのんだような顔で二人が、声を漏らす。嘘じゃないよ?ははは、恨むなら私よりキミらを選ぶ澤田ちゃんを恨んでねぇ。

この世の終わりみたいな顔しないでよ?これからなんだから、地獄の始まりは。



ゆっくり、震える澤田の手が2人に手が向く。



そして指差した方向は——