ダーク・ファンタジー小説
- Re: 死ぬ前にすべきこと。 変わり身編 ( No.29 )
- 日時: 2012/12/07 17:55
- 名前: 朱雀 (ID: P/sxtNFs)
- 参照: 変わり身
「さっわだちゃぁ〜ん」
振り返ると、体力が回復したのか体だけは起き上がってる。
あらら、回復力だけは犬以上ってね。
そうだよね、そうだよね。自分はやっと裏切った相手に復讐できたんだもんねぇ?嬉しくてたまらないかぁ。
でもね……私、いい子じゃないんだよ。
「みなさん聞いてください。奴隷に変更があります。名前は藤木」
よかった、助かった。そう思ってる?ね、そう思ってるよね、分かるよ分かるよお友達裏切って助かったんだもんねぇぇ??
そう、誰も信じちゃだめなの。
それは、私も例外じゃないよ……?
「そしてもう一人……
澤田です」
ははははっはははははははははっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっはははははははははっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっはははははははははっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっはははははははははっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっはははははははははっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっはははははははははっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっはははははははははっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっはははははははははっはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっはははははははははははははっははははははははは!!!!!
腹がよじれる、壊れる、はははははっは、いたいいたい、ちょっと待って、痛い痛い、壊れるよ、はははははははははっは、ざまあみろ、ざまあみろ、ざまあみろ、ざまあみろ、ざまあみろ、ざまあみろ、ざまあみろ、ほら、だから信じちゃダメなんだって!誰も信じちゃいけないんだって!!ひっかかってやんの、ひっかかってやんの!!
「……な、なん…で……藤木が、わた、わたしの…かわ、代わりだって…………!!」
澤田が必死に藤木を指差して、プルプル震えてるよぉ?
はははははは、ねえ、誰が?誰が?教えて、誰が?
誰が、お前が助かるなんて言ったのかなぁ?
誰が、お前が奴隷から解放される、なんて言ったのかなぁ?
言ってないよね?
ほうら、言ってない。私は嘘なんて言ってないよぉぉぉ?お前が勝手に信じて勝手に裏切られた気持ちになっただけ、それだけなんだよ。
無様だねぇ、無様だねぇ。
ね、私殺したい?
殺したいよね?だって、私だってお前らを鉛筆で目玉を穿りかえして、ぐちゃぐちゃにして、神経ぶちぶちひもみたいに切って、指を一本一本恐怖と痛みとでじっくり味わいながら、釘で打ってやるの。きっと抜いた時だ痛いだろうから、ゆっくり時間をかけてもう一度丁寧に抜いてやって、神経と肉と血管と骨が貫通してぽっかり穴が開いた場所にふっとい棒入れて穿り返してやりたかった広がる穴を見ながら狂気に震えてやりたかった。
そうしてね、そうしてね、気が失わないように、ゆっくりゆっくりやさぁしくやさぁしくのこぎりで腕を切り落としてあげるの。でもきっと骨が邪魔でゆっくりして切るのは無理だから最後はガスって音が鳴るくらいのこぎりを振り上げて腕を切断してあげるの。それで、ぐちゃぐちゃになった腕をお前らの目の前にさらして、もうヤメテヤメテと叫ぶお前らの口にたくさんたくさん死んだゴキブリの死骸と殺した猫の腕をぐちゃぐちゃにしたものを入れてあげるの、そうして私はお前らを殺してやりたかった。ぐちゃぐちゃにしてやりたかった。
——でもね。
私、それじゃあ面白くないと思ったの。
だって、体はぐちゃぐちゃにできても心はぐちゃぐちゃにできないんだもん。
どうすればいいのか、私一生懸命考えたの、そしたら思いついたんだ。
裏切られればいい。
信じていたものに裏切られてしまえば、いいんだって。