ダーク・ファンタジー小説
- Re: 死ぬ前にすべきこと。 【主人公 キャラデザ完成】 ( No.49 )
- 日時: 2012/12/07 17:53
- 名前: 朱雀 (ID: P/sxtNFs)
- 参照: 変わり身編
ガラ。
教室のドアが開いた。
反射的に私は振り返ってしまう。
あっ!
来てくれた、来てくれたぁっ!! やっぱり来てくれたんだ。私のために!
「来てくれたの!? 嬉しい、ありがとうッ」
「……」
ねえ、暗くて顔をよく見えないよ? ねえねえ、伏せないで私から顔を伏せないで。 ……あれ。どうして、足が震えてるよ? どうしたの、どうしたの、怖い目にでも遭ったの!?
誰、そいつ教えて?
許せない許せない許せない許せない、そんなに体中が震えるぐらい怖い目に遭ったの、許せない、許せない、そうしたやつ私が殺してあげるよ?
この世に生まれてきたこと後悔させるぐらい、じっくりじっくり爪から剥がしていってあげる。私だけ許して許してと懇願する声を聞くのは惜しいからちゃぁーんと録音するから、あっ、なんなら私と一緒にいてもいいんだよぉ?
大丈夫、私がそんなことしてたなんて事実、消してあげる。
なかったことにしてあげる。
誰も疑わない、疑わせない。警察なんてただの役立たずだから安心して? だって、私がガラスの刃で手首を切り裂かれた時ね?
ガラスを深く突っ込まれたせいで、奥入り込んで痛くて痛くて泣きそうで死にそうで、必死に反対の手の指で穿りかえして、そのガラスと取ろうと黒い塊がぼとぼと流れ落ちて、痛くて痛くて、痛くて、痛くて!
駆けつけた警察は……アイツらなんて言ったと思う?
迷惑な女だな。
私が、私が、私が、どんな思いで、誰かに助けられるんじゃないかって、信じてたのに、嬉しかったのに、安心したのに、なのに、なのに、なのに、なのになのに、なのに!!
アイツらは裏切った、ようやく助かるんだって、これでもう解放されるんだって、思ったのに、信じてたのに。
ははははははははははははははははは、アイツらは敵だって気づくのが遅かったの。そう、みぃーんな敵。
誰しもが私のことを蛆虫でも見るような目で、声で、体で、思っていたんだよ。
なら、私の敵なの。
敵は、殺さなきゃ、排除しなきゃ。
アイツらは悪い悪い鬼なの。私を食い殺そうとしてくるの、逃げ回ろうとしても、その視線で、その声で、私を食べつくそうとしてくるの。
悪いのはアイツら。
私は悪くない。
私はアイツらのせいですべてめちゃくちゃにされたの、なら私は排除しなくちゃ。
いつもいつも優しいオトモダチ。みんなで恋バナとか、先生の悪口とか、たくさんたくさんお話して。笑いあうの。
お休みの日はね。服買いに行ったり、途中で見つけたかわいいカフェでお茶したり。
そんな、私の日常を戻すために。