ダーク・ファンタジー小説

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.7 )
日時: 2012/12/25 12:55
名前: 碧 (ID: tRamSAT8)

第三話【思わぬ勘違い】
「俺は……何をしてしまったんだ」
一斗は、ぼんやりとセットへ戻ろうとしていた。
「きゃー!一斗よ」「え、ホンモノ!?」
という、女子達の声が遠く聞こえる。
俺は、皆の前で、性格までも偽っているのか。
そう思うと、罪悪感が増すのであった。

セットに戻り、あとの時間をなにでやり過ごそう……と考えていた。
清水が紅茶を淹れてくれたので、それをのみながら。
清水の紅茶は正直いうと、薄い。ほぼ水に近い。どんな淹れ方をしたら、こうなるのか謎だ。

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.8 )
日時: 2012/10/11 19:18
名前: 碧 (ID: 6nOSsJSp)

「ん?待てよ……もしかしたら」
殺人をした後は、もしかしたらという考えがいくらでも出てくる。
もしかしたら、誰かに見つかるかもしれない。
もしかしたら、誰かに見られていたかもしれない。
『もしかしたら』には、共通点があった。
それは、必ず “誰か” が入るのである。
そんな事はどうでもよく、とにかく落ち着かない。
一斗は、橋へと引き返したーーーー

橋に到着する。
橋から下を見る。
そこには、霞の水死体が…………ない!?
ない!ない!ない!ない!何故だ?
「確か、ここに捨てた筈だ」
一斗は呟くと、周りを見回した。
霞は見当たらない。
一斗は、くまなくさがした。だが、ない。
そこにあった筈の霞が。
その時、一斗は、思い出した。

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.9 )
日時: 2012/10/11 20:05
名前: 碧 (ID: 6nOSsJSp)

あの時にぶつかってしまった少女の事を。
名前は分からない。だが、一つ分かる事があった。
制服。すなわち、学校だ。
たしか、白虎橋の近くにある学校は、丸菜学校ぐらいであろう。
あの学校の制服は、白がベースのセーラー服だ。
こういう時には、制服は役に立つモノだ。
「よし、行くか」
一斗は呟いた……が!どう侵入したら良いモノか。
勝手に入ったら、泥棒とか色々言われるし、怪しまれる事であろう。
ならば、大きく行こうではないか。
俺は、鈴木 一斗。俳優だ。
ステージとして行けば良いんだ。

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.10 )
日時: 2012/10/11 20:14
名前: 碧 (ID: 6nOSsJSp)

彼女が、霞を取って行ったとは限らない。
確認だ。ただ、確認するだけだ。
だが、まだ問題は一つある。
ステージとして行く『理由』だ。
人気俳優の俺が、いきなり平凡極まりない丸菜学校にステージとして行きたいなどといえば、おかしすぎるであろう。
だが、良い理由など見つかる筈がない。
頭がどんどん混乱してゆく。
複雑に意見が飛び交い、絡み合う。
分からない。どうしたら、良いのか。
とりあえず、セットに戻ろう。
………霞は?
どうしよう。確か、今から江戸時代のドラマ撮影だ!
霞が居ないとばれたら!

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.11 )
日時: 2012/10/11 20:39
名前: リリアン (ID: MIiIBvYo)  

あの…もし良かったらあなたの名前の読み方教えてくれませんかった?それと、読んで暮れてありがとうございます私もあなたの小説読みました。面白意です!!続きがきになります!早く続き書いて下さいね!

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.12 )
日時: 2012/10/11 20:57
名前: 碧 (ID: Fa9NiHx5)

>>11
みどり と読みます!
ありがとうございます!
頑張って書いていきます!

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.13 )
日時: 2012/10/12 23:58
名前: うなぎ (ID: ZEtdBFlK)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2a/index.cgi?mode=view&no=707

碧さんはじめまして
碧さんって「ひろz」さんの小説にコメント書いてた人であってますか?
でしたら、貴方も綺麗な文を書いていると思います。
私は下手すぎて、読み返してみても恥ずかしいようなものが出来てしまって、なかなか書き込めません。
愚痴すいません。
楽しみにしてます。頑張って下さい。

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.14 )
日時: 2012/10/12 06:00
名前: 碧 (ID: Z.r45Ran)

>>13
ありがとうございます!
頑張って書いていきます

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.15 )
日時: 2012/10/12 17:56
名前: ひまわり ◆5/rNZKEG2I (ID: Re8SsDCb)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi


初めまして。『リク・相談掲示板』で【あなたの小説の良いところ教えます☆ 】というスレのスレ主の『ひまわり』です。


碧様の作品についての感想が書き終わりましたのでお知らせしに来ました。


これからもスレ共々、よろしくお願いいたします。

Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.16 )
日時: 2012/10/15 18:28
名前: 碧 (ID: KZRMSYLd)

その時だ。
「タッタッタッ」
誰かが一斗の方へ走ってくる。
葵である。葵は、死体を橋から引き上げた時に落とした財布を取りに来たのだ。
勿論、死体は持っていない。それがいけなかったのである。
まぁ、葵が考えていた計画通りだったのだが。
「霞、生きてたのか……」
一斗が言う。
霞そっくりの葵にまんまと騙されたわけだ。
葵は、驚いた。まさか、本当に一斗が霞を殺したとは。
だが、直ぐに、
「え?私は生きてるよ」
と、猫撫で声で言った。
一斗は安心した様に、
「よし、セットへ行こうか」
と、私の手を引き出した。
「まさに、計画通り」
葵は、ニヤリと笑い、静かに呟いた。

《第三話 END》