ダーク・ファンタジー小説
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.74 )
- 日時: 2012/11/26 19:52
- 名前: 碧 (ID: OLpT7hrD)
【第八話 果てしない闇】
「着きました、光様」
光の専属と思われる黒い燕尾服の執事の優しい声に、私は目を覚ました。
光は、私の顔を見てニコリと笑った。
「葵、さぁ降りて」
光に優しくエスコートされて、私は降りた。
まだ、意識がパッとしない。
寝ぼけなまこのまま歩いていて、顔面を門にぶつける。地味に鼻が痛い……。
「あはは、あわてん坊だなぁ、葵はっ」
「なっ……ちょっと眠かっただけよ!」
私の意味不明な言い訳を聞きながら、光は明るく笑っている。
光の後ろにある太陽が風景によく似合う。
「入って、入って」
光が頑丈で重そうな門をこれまた重そうに押して開ける。
顔が苦しそうなのが面白くて、不覚にもクスッと笑ってしまった。
私に笑われたため、光は恥ずかしさで顔を赤くして、拗ねて目を逸らした。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.75 )
- 日時: 2012/11/27 18:00
- 名前: 碧 (ID: a5L6A/6d)
「さっきの、仕返しよっ」
私は、まだ笑いが止まらないまま、扉の前へ立つ。
光曰く、ここ全体が庭だと言う。
道の端には、びっしりと赤や黄、紫のチューリップが植えられている。
それに、真緑の芝生が生えている広場(私にはそう見えてしまうほど広い)には、滑り台や、ブランコなどの遊具が輝いてみえる。
それに加え、目の前にある赤い扉だ。細かい細工がされていて、輝いている。
「これ、何で造ったんですか?」と、執事に聞くと、執事は、
「金ですよ。少し銀も混じってますが」
と、微笑して答えた。
羨ましいものだ。扉だけに、一体幾らかかったのであろうか。
私が、そんなことを考えていると、また何かにぶつかった。
そして、そのものは言った。
「あら、貴女がお客様? 光が女の子を連れてくるなんて」
彼女は、クスクスと笑っている。
私は、後ずさりする。
「あの……貴女は?」
私は、怪訝な表情で聞く。
彼女は、
「あら、光の母よ」
とニコニコ笑いながら答える。
よくみると、薄桃のドレスを着ている光の母は、色白で美人だ。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.76 )
- 日時: 2012/11/29 23:13
- 名前: 碧祐 (ID: .wPT1L2r)
久しぶりに来てみたら参照が500を超えていました。
見てくれた皆様ありがとうございます。これからも宜しくお願いします。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.77 )
- 日時: 2012/11/30 09:10
- 名前: 碧 (ID: mnvJJNll)
私は、その綺麗な女性に見惚れていた……。
すると、後ろから鉄拳をくらった。
「母さんばっか見ないでよ!」
意味分からない言葉を吐く鉄拳の主ーーーー光は、腕を組んで目を逸らしている。嫉妬しているらしいが、何故かはよく分からない。
ズキズキと痛む後頭部を撫でながら、ふと光の母を見ると、面白そうにクスッと笑っている。
「ふふ、葵ちゃん。面白い娘ねぇ」
彼女が言った言葉に、私は目を丸くした。
…………葵ちゃん。私は、白咲 葵。つまり、彼女は私の名前を知っている。何故だ……私は、思考を巡らすが、分からない。只、混乱するだけだ。
「あら、ごめんなさいね。私の名前は、日子よ」
私の行動を読み取ったのか、彼女ーー日子さんは言った。
読心術出来るのか……こんな変な事を考えてしまった私は、馬鹿だろうか。
「母さん、多分奈保子さんから聞いたんだよ」
光が、私にコソッと言う。
光の顔は相変わらず不機嫌そうだ。未だに何故か分からないが。
「すげぇ情報網だから。何でも知っててこえぇんだよ」
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.78 )
- 日時: 2012/11/30 09:16
- 名前: 碧 (ID: mnvJJNll)
日子さんの笑っている顔を見ると、私の全てを見透かされているような気がしてきた。何というか……怖い、とても。
「葵ちゃん、今日食べてかない?」
日子さんは、いきなりそう切り出した。
「今日食べてかない?」……嬉しかった、何故か。私、さっきから何故かばかりだな。
「はい!お言葉に甘えて」
私は、日子さんに感謝を込めて答えた。
日子さんは、嬉しそうに微笑んだ、何故か。
光によると、今日は坂本家でパーティー兼、会議があるらしい。
そのパーティーに、ご一緒してという事だそうだ。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.80 )
- 日時: 2012/12/02 22:05
- 名前: 拓 (ID: .wPT1L2r)
【提案用紙】
貴方の名前、読み【拓 /たく 】
誰に【葵】
どんな服を【真っ赤なドレス(体のラインがそのまま表れる)爪は青く唇は血のような赤】(具体的に)
小物など【手にハサミ】
すっごく面白かったです!
小説頑張ってください!
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.81 )
- 日時: 2012/12/06 20:07
- 名前: 碧 (ID: sicBJpKD)
>>80
拓様、御参加ありがとうございます!
葵より
「ふふっ…見る目あるじゃないの」
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.82 )
- 日時: 2012/12/09 13:07
- 名前: 碧 (ID: 4wSB6Flg)
やったー、嬉しいなー、パーティーだ。
なんて、棒読みの冗談を言うのは、放って置いて、私でもやはり嬉しい。
「さぁ、着付けをするわよ」
なんだか、ニコニコ笑いながら日子さんが言う。
なんか、怖い。
(着付けってナニ?美味しいの?)
私が、世間知らずの名言(?)を言っている間に、日子さんは何やら沢山のドレスを持ってくる。
「葵ちゃんに似合うのは、これか、これね」
ニコニコ笑いながら日子さんが差し出したドレスは二種類。
さっき沢山持ってたのを選考したのだろう、瞬時的に。
ドレスは、赤いマーメイドドレスと、青いマーメイドドレスだった。
私的に、赤が好みだから赤を選んだ。(なんか、赤ってかっこいい事ない?)
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.83 )
- 日時: 2012/12/09 13:18
- 名前: 碧 (ID: 4wSB6Flg)
「ん、赤ね〜」
他のドレスを、放って置いて、ニコッと笑う日子さん。
なんか、怖い。
(ていうか、ドレスがカワイソー。あ、私がカワイソーって言うのもおかしいかも。まぁ、いいや。)
私の回想がどうにか終わる。この頃、よくこんな回想が始まるんだよな〜。
「うわぁ、可愛い」
とりあえず、女の子らしく感情を込めたような棒読み(それを棒読みと言うのかな)を日子さんに向けて言う。
御礼も含めて言ってみたが、伝わったのだろうか……。
「母さん、葵はまだぁ?」
着付けルーム(私が名付けたんだよ)の外から光の声がする。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.84 )
- 日時: 2012/12/13 17:06
- 名前: 碧 (ID: Cb0oSIti)
- 参照: http://pic.prepics-cdn.com/oekakikaki515/19276476.jpeg
Emi.様が描いてくださりました。
【拓様】提案の葵ちゃんです!
【アナログ】
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.85 )
- 日時: 2013/02/16 15:22
- 名前: 奈保子 (ID: 3h.gdFM2)
どーも、舞華です。その名のとーり「美空舞華」のモデルになった人です。碧、みてる?友達になろうよ!(現に友達だが)
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.86 )
- 日時: 2012/12/14 21:45
- 名前: 碧祐 (ID: .wPT1L2r)
よいっす!奈保子コメありがとう!明日あおうね!
碧へ
EMi.さんが書いてくれた絵もなかなかだね!(笑)
Emi.さんこのような上手い絵を描いてくださって誠にありがとうございます。今後とも些細な嘘から始まったよろしくお願いいたします。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照400越、イベント企画! ( No.87 )
- 日時: 2012/12/14 21:46
- 名前: 碧 (ID: EdfQYbxF)
奈保子きたぁー!なろう、友達に!
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照500越、イベント開催中! ( No.88 )
- 日時: 2012/12/15 19:51
- 名前: 碧 (ID: IqVXZA8s)
「終わったわよー」
日子さんは、私を扉の前に立たせた。
「さぁ、葵ちゃん。いってらっしゃい」
日子さんはニコニコ笑いながら、扉をあけた。
扉の向こうは……広い、広い、広い!
美しく着飾っている男女が踊っている!綺麗な人達ばかり、しかも金持ち。
これが、金持ちがやる「パーティー」か!
……そして、光がいた。
そう、大金持ち家御曹子「坂本 光」様が。私を待っていたのだ。
今や、会場の全視線が私達の方へ向いていた。
同級生なのに、貧富の差でこんなに変わってしまう。
あぁ、金持ちに生まれたかったなぁ。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照500越、イベント開催中! ( No.89 )
- 日時: 2012/12/17 19:38
- 名前: 碧 (ID: vJF2azik)
私だって、母さんさえしんでなきゃ……まぁ、こんな悲しい話はやめて、パーティーに私も入っていった。
目に映るのは、豪華な食べ物ばかり。
毎日食べている、貧相な梅干付きの白飯と、焼き鮭とは違うなぁ。まぁ、当たり前だけど。でも、梅干付きの白飯も美味しんだけどねー。
私の辛いアルバイト生活では、この食事だって豪華な食べ物だが……まさか、こんな豪華な食事が出来るとは。嬉しいが、驚愕だ。
私が見て美味しそうだと思ったのは……なんとも言えない緑黄色野菜のサラダだ。ハムや、トマトも盛ってある。すごく美味しそうである。
私がサラダに目を輝かしていると、光は言った。
「葵、あれ食べないの?」
といい、七面鳥の照焼きを指差した。
おぉ、豪華だ。でも、私は断わった。
自分で言うのもなんだが、私は貧乏人だからサラダで十分です。まぁ、でも折角だから今日は贅沢しよう。
七面鳥の照焼きは要らないけど……あっ、あれ美味しそうだな。名前は分からないけれど、蛤に赤いソースがかけてある。私は、貝類好きだから目に止まった。それと…今日の昼の一斗の血……いや、いまは忘れよう。
「ん、これが食べたいの?」
光が、私の視線をたどって言う。うん、と光の顔をみて頷いた。
すると、光はすぐに私用にこれまた豪華な細工がされた大きな皿に蛤を盛った。綺麗に盛ってくれたせいか、さっきより美味しそうに見えた。
早く、食べたいなぁ。でも、せっかちはいけないからゆっくり我慢する。
光の横で待っていると、日子さんが私に近寄ってくると、私に、透明のグラスに入った赤い飲み物を渡した。
……血!? なんて馬鹿な考えは放って置こう。多分、これは……えっと……名前忘れたけど、私が飲んでいいのかな…飲酒にならないのかなぁ。
でも、隣の光も受け取っていたから私も貰った。今日くらいは…特別だよね。しかも、20まであと、3年だし!
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照500越、イベント開催中! ( No.90 )
- 日時: 2012/12/17 19:48
- 名前: 碧 (ID: vJF2azik)
私は、その赤い液体を口に流し込んだ。
なんか……不思議な味だ。美味しいっていうか、苦い。とにかく、苦い。
あまり飲みたく無い味だった。人生初だったからかな。不味かった……。
とりあえず、全て流し込み、日子さんにグラスを返した。日子さんが、
「お代わり、どうぞ?」
とグラスを渡してきたが、私は断わった。もう、飲みたく無い。
暫くすると、皆が席に着き出した。私も、黄色いテーブルクロスがかけてられている高級感溢れるテーブルの前に座った。この椅子、木製だから座りやすい。
「皆様、今日は一日お楽しみください」
日子さんの声が会場に響き渡る。
私は、豪華な料理を前にいただきます、と手を合わせた。
美味しそうだなぁ。さっきからこれしか言ってない気がする……。
一口、蛤を食べてみる。口全体に甘みが広がったあとに、少し苦くなる。
さっきの飲み物……(あっ、ワインだ!)に似ている味だが、ワインとは違い、嫌な感じはしない、美味しい。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照500越、イベント開催中! ( No.91 )
- 日時: 2012/12/19 12:30
- 名前: 朝日奈 音 ◆.X5MoWW7kY (ID: mnC5ySyz)
リクのスレに来てくれてたんで・・・探しました!こわいーけどとっても面白かったです。とくに葵が一斗の足に鉛筆をさすシーンがドキドキしました。赤い液体って・・・血なのかな?とにかくものすごい怖かったです。
続き楽しみです!!o(^o^)o
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照500越、イベント開催中! ( No.92 )
- 日時: 2012/12/19 16:35
- 名前: 碧 (ID: UcGUlfNK)
朝日奈さん、ありがとうございます!o(^▽^)o
赤い液体は…血と言ったら怖いので、赤い液体と表記してあるんです…
読んでくれて、ありがとうございましたぁー!
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照500越、イベント開催中! ( No.93 )
- 日時: 2012/12/19 22:26
- 名前: 碧祐 (ID: .wPT1L2r)
朝日奈さんどうもありがとうございます。こんなに長い小説を最後まで読んでくださるなんて感激です!
あまりなにもやってないのでこんな出しゃばったことを言うのも憚れますが、今後とも頑張りたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします!
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照500越、イベント開催中! ( No.94 )
- 日時: 2012/12/19 23:53
- 名前: 真夜空 羅斗 (ID: mSji5gd5)
今日は。真夜空 羅斗と言います。突然質問なのですが、碧さん達はお二人でこの小説を書いていらっしゃるんですよね?どうやって打ち合わせしているんですか?リアルですか?それともチャットかなにかですか?私は一人で書いているのでとても気になります。
あとよろしければの話ですか私とお友達になってもらえませんか?この小説サイトにはリアルで友達の子が一人(【祐輝】って言います!)なので小説を読んで意見を交換できる人が少ないんです。よろしくお願いします。
名前 真夜空 羅斗
【まよぞら らと】
キャラネーム 【一斗】
来てほしい服 【燕尾服】
小道具 【ナイフを燕尾服の上着の中にいっぱい隠し持っていてほしいです!】
書き方変でごめんなさい。では。
- Re: ■些細な嘘から始まった■参照500越、イベント開催中! ( No.95 )
- 日時: 2012/12/20 18:06
- 名前: 碧 (ID: TVgEc44v)
碧祐とは、リアルで相談させて貰ってます!
碧祐は、構成が得意で、私は執筆を主にやっています。
ご参加ありがとうございます!
もう暫くしたら、絵も募集しますので!
- Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.96 )
- 日時: 2012/12/21 22:28
- 名前: 碧祐 (ID: lgK0/KeO)
こんにちは。碧祐です。この些細な嘘から始まったを読んでくれたみなさまどうもありがとうございます。おかげさまでいい年になりました。また来年もよろしくおねがいします。
- Re: ( No.97 )
- 日時: 2012/12/25 12:49
- 名前: 碧 (ID: tRamSAT8)
……美味しいな。
あれ?なんか、眠い。みんながどんどんぼやけていく。どした、私の目は?
[翌日 6:00]
「おはようー!」
私が目を開けるとそこには大きな顔をした光が居た。正しくは、顔を近づけて居たのだ。
「わぁぁぁぁぁあ!」
私は、驚いてベッドから落ちた。
ん?……ベッド!?しかも、うちのベッドだ。
確か、私はパーティー会場にいたはず。さて、どういうことかな?
私が、光に問うと光が苦笑して答えた。
「葵ね、あのワインと蛤で酔っちゃったんだよ」
え?……あぁ、食べたね。
思い出した!
ーーワインと蛤で酔った私は光と日子さんに担がれて、あのパーティー会場に来た時の車に乗ってうちまで運ばれたんだ。
ん?なぜ、光はうちに入れた?
そこら辺は、考えたら怖そうだからやめておこう。
私の家は、二階建てで寝室は二階にある。つまり、光は一階を通った……或いは、窓から飛び込んだ。二つ目はあり得ないが、窓が開いていたからいってみた。
……やっぱり、気になるなぁ。
私は、光にどこから入ったか光に聞いてみた。私と光しか居ないし。
「窓だよ。そこのが開いてたから」
まさかの、冗談がヒットした。私、予知能力……改めて、当てる能力があるのかもしれない。超能力ってあるんだな。……いや、今のはまぐれだ。そう、まぐれ。
ていうか、一階通ってなくて良かった。一階の奥の部屋には、霞が居るからな。
- Re: ■些細な嘘から始まった■ ( No.98 )
- 日時: 2013/01/05 22:34
- 名前: nagi【依頼について】 (ID: j0x8WVaG)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode=view&no=6969
押しかけごめんなさいm(_ _)m
完了しました!
ぜひいらしてください。
- Re: ( No.99 )
- 日時: 2013/01/07 11:12
- 名前: 碧 (ID: 7KCfFUM.)
そう、霞のことはばれてはいけない。私は殺してないから悪く無いけど、警察に出してないから犯罪になるのかもしれない。私はそういうのは疎いから分からないけど。
まぁ、その話はまたいつか、ゆっくりと。
暫く光と談笑したあと、光は帰った。また、窓から出て行った。
さて、私もポストを確認して新聞とったあと、学校行かないと。……あ、一日休んじゃった。ま、親も居ないから責められないけど。
……あれ?よく考えると、霞が居なくなって、親が心配しないのか?そういえば、メディアによれば霞の母親って自殺して父親は逃げたんだっけ?……うちと同じだ。少し同情するなぁ。
こんなに都合の良いことあるんだなぁ。私の都合じゃないけど、ね。
葵は、自宅の前にあるポストの中を確認した。
いつも通り、新聞をとって家に戻ろうとしたが、ポストにはもう一つ手紙らしいものが入っていた。
表紙には……
「招待状 白咲 葵様」
と書いてあった。
招待状?私、さっきパーティー行ったばかりなんだけど。
もう一度、招待状を見てみる。
薄桃色の封筒で、薔薇のシールが貼ってある。
うーん、……怪しい。
とりあえず、開けることにした。
- Re ( No.100 )
- 日時: 2013/01/07 11:23
- 名前: 秀乃 (ID: 7KCfFUM.)
こんにちは、秀乃です!
とても怖いですが……面白いですね!
更新頑張ってください!
- Re: ( No.101 )
- 日時: 2013/01/22 20:19
- 名前: 碧 (ID: eUekSKr/)
中を見ると、薔薇が添えられてあった。便箋は、綺麗な桃色だ。
『シザーキラー 様
今日は、私はーーーーと申します。
今度、光様宅でパーティーを開く主催者です。そのパーティーに貴方も参加してください。
行く時は、明日です。時間は、一日中。
あ、それと……鋏だけは持ってきてくださいね?
ーーーーより』
意味のわからない手紙であった。
まず、相手名前が黒く塗りつぶされていて読めない。
そして、パーティー?昨日、私は行った筈なのに……
それに、明日の一日中?とりあえず、明日に一日中パーティーをするってこと?
シザーキラーと言う名前と、鋏……を持って来いだって!?
……こいつ、私の過去を知っているのか?
何故だ!?あの過去はなかったことになったはずだ!
私は、手紙を床に叩きつけた。何故、知っているんだ?
不安と疑問。怖い、怖い、怖い。
私には、過去があった。それは、中学の時である。
「Die」
私は、そう呟くと、今目の前にいる彼の右手を鋏で思いっきり切った。彼の目は引きつっていた。
切ると、彼は力なく倒れた。周りに赤い綺麗な血が流れている。地面が染まる、真っ赤に。なんて、綺麗なの……
私は、「シザーキラー」と呼ばれた女。
そのなの通り、鋏で人を殺す、または病院送りにした。周りは皆が私を怖がり、警察は私を捜した。だが、私は見つからない。何故って?だって私は、上手く逃げているし、必ず相手を殺した。ただ、一人だけは死ななかったけれど。だから、私のことがバレる可能性は極めて低い。人を殺す理由があったわけでもない。ただ、この鋏の切れ味を確かめたかっただけ。
この鋏は……誰かからもらったものだ。
母親が死に、父は逃げてしまい、引き取り手もいなかった時、私は一人ぼっちの子供だった。
ある日、私が前に住んでいた家のポストに手紙が入っていた。
赤い薔薇が添えられた桃色の手紙だった。
その手紙に書いていた住所の所へ行くと、私が今住んでいる家があった。表札には「白咲 葵」と書いてあった。
中に入ると、玄関には赤い鍵が置いてあった。この家の鍵だった。
そして、居間には二つのプレゼントがあった。
一つは、総額1億円はありそうな金だった。もう一つは、……鋏だった。刃の部分まで真っ赤な鋏。綺麗だった。
その鋏には手紙が添えられていた。その手紙は、一文だけ書いてあった。
「この鋏の、斬れ味を確かめてみましょう。by.Die」
Die……?死、ぬってことなのかな?純粋な女の子だったあの頃は、意味はよく分からなかった。それで、私はこう解読した。
「人を斬り、この鋏の斬れ味を確かめてみましょう」
これをこう解読した時、私は純粋ではなくなった。なぜ、こう解読したのかは私でもわからない。私は、穢れてしまった。この、目の前にある赤い鋏のせいで。
私は、五人……いえ、六人を鋏の斬れ味を確かめる為に斬った。さっきも話したけれど。一人は死ななかったが、後は死んだ。可哀想?そんな気持ちはない。だって、彼らは……私を虐めた人達なのだから。別に、仕方ないことだわ。
六人を斬り……この鋏は、殺人器へと変わった。
鋏は、紅さを増し、なんど洗っても色は失せなかった。
もしかしたら……これをくれた誰かも、この紅さを望んでいたのかもしれない。
だが、私はこの過去を忘れたかった。
誰だって、嫌だ。だって、殺人だよ。
でも今。この手紙のせいでまた思い出してしまった。
あはは、あはははははははははははははははははははははははははははははははははは!
なんなんだ、この世界はぁ!この世は狂っている!そして……私も狂っている!
この手紙が届いた日。つまり、光の家でパーティーを楽しんだ次の日。私は……家で一人で過ごしました。お腹も空いたけど、我慢しました。苦しかったけど、我慢しました。今、外に出たら私の全てが壊れそうだったから。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
そうして過ごしていたら、今日は終わりました。
そして……極悪パーティーの日になってしまいました。
【第八話 END】