ダーク・ファンタジー小説
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- Amnesia
- 日時: 2015/08/19 13:26
- 名前: のれり (ID: R4l9RSpR)
はじめまして。のれりです( ^ω^ )
今回が初投稿なので、いろいろとびみょーな箇所が
あるとは思うのですが、アドバイスなど、
いただけると、❀.(*´▽`*)❀. 嬉しいです
ぜひぜひおねがいしますです。
お願い☆
→荒らしとかはやめてください。とろけて蒸発してしまいます
→僕は言葉使いが微妙な時がありますが、
生温かい目で見まもっていただけるとさいわいです。
おkな方は、よんでもらえると、嬉しいです。
☆お客様
→miru様
→まかろん様
→顔無し@様
→りりたん様
→桐花本舗様
☆目次
第零章 『彼女』
「はじめまして。こんにちは?」>>1
覚えていてくれませんか?>>2
アムネジア>>3
第壱章 『私と姉さん』 第弐章『僕と妹』
義母>>6 舞と怒り>>18
2人>>7 舞と親友>>21
秘密>>8 舞と僕のパシリ>>22
泥ん子>>9. 僕とケーキ>>26
舞>>10. 僕と咲ちゃん>>28
名前>>11 . 僕と告白>>29
豹変>>12 僕と記憶>>30
不安と安堵>>13 僕と日記>>31
舞が来る>>14 僕と舞の友達>>32
僕等が今に至る訳>>35
第三章『姉さん』 第四章『僕と静さん』
舞と恐怖>>37 ハジメマシテ>>57
翔太という人>>40 忘却>>60
姉さんと翔太さん>>41 笑み>>63
私と不審>>42 舞の哀しみ僕の痛み>>66
姉さんの事故>>43 クリスマス>>68
なんで…?>>46 期待>>73
私と花瓶>>50 電話>>77
姉さんと入院>>54 涙>>78
姉さんと忘れられたもの>>55 星々>>79
翔太さんのホンキ>>56
最終章『Amnesia』
期待そして絶望>>86
検査>>87
Amnesiaの脅威>>90
そして——…>>99
番外編
Part.1~さえかver~>>72
Part.2~舞ver〜>>82
Part.3~静ver〜>>93
Part.4~翔太ver〜>>94
- Re: Amnesia ( No.31 )
- 日時: 2015/06/12 20:06
- 名前: のれり (ID: R4l9RSpR)
中学校に入学してから、3度目の夏が来て、僕たち兄妹も3年生になった。
中3の夏、ということで、僕たち兄妹も勉強に明け暮れていた。
そんな夏休みのある日のことだった。
その日は、僕以外の家族がみんな、出かけてしまっていた。
おなかの底からぐぐぅっと、重低音が部屋の中で響き渡ったことで、僕は、自分の空腹に気がついた。
いい子な僕は、クーラーをガンガンに利かせた部屋で一人勉強をしていたのだ。
時計を見ると、もう1時を回っていた。
僕は勉強を一時中断して昼食を取ろうと、階下へ降りようとした。
ちょうど階段へ差し掛かろうとしていたときだ。
ふと、何かが目にとまった。
それは、桜色のかわいらしいノートだった。
僕はそのノートを手に取り、中を開いた。
日記のようだった。
文字は舞のものと見て間違いないだろう。
僕は、ほんのいたずら心で中を、少しだけ、読んでみることにした。
○月△日
咲ちゃんって子が友達になった。
かわいい子だ。双子の兄がいるというと、
驚いたようだった。
笑顔が、すごく似合っていた。
○月×日
咲は、翔太と出会ったみたい。
顔が真っ赤だった。
咲は私に翔太のことについて
しつこく聞いてきた。それから今日は、
翔太の話ばかりだった。
○月△○日
今日も翔太の話ばかり。
ずぅっと翔太の話ばかり。
翔太翔太翔太翔太ー…。
咲は、私と翔太、どっちがスキなのー…?
風でページがペラペラとめくれ、日記は、昨日のところに飛んでしまった。
×月○日
また、友達が翔太が好きだ、と言ってきた。
紹介して、と頼まれてしまった。
でも、
紹介なんて、絶対しない。
紹介したら、また私から離れて行ってしまう
でしょう−…?
そんなこと、絶対許さない。
私の友達を盗らないでー…?
翔太………。
日記はここで終っていた。
僕はノートをそっと、元の位置に戻した。
舞がこんなことを思っているなんて、知らなかった。
舞h−…。
ピルルルルルル
びくっと、僕の体が跳ねる。
ピルルルルルル
どうやら、電話が鳴っているようだ。
僕は急いで階下へ降りて、受話器を取った。
「はい」
「あ、こちら、○○病院のものですが、花井舞さんのご家族の方ですか?」
落ち着いた男性の声が聞こえてきた。
「は…はい」
「至急、こちらに向かってください」
突然のことで、頭が真っ白になる。…病院…?
舞に何かあったのだろうか?
「舞に…なにかあったんですか…?」
恐る恐る、尋ねてみた。
男性は落ち着いて聞いてくださいね、と前置きした後、
よく通る声で、僕に告げた。
「花井舞さんは事故に遭いました」
- Re: Amnesia ( No.32 )
- 日時: 2015/06/15 22:21
- 名前: のれり (ID: R4l9RSpR)
「はぁっ、はっ、は…っ」
病院内を走りまわり、やっとのことで集中治療室の前へとたどり着いた。
『治療中』というランプはまだついたままである。
「舞…」
僕がそうつぶやくと、近くの椅子に座っていた女の子が顔を上げた。
その子の目はうさぎのように真っ赤だった。
「翔太さん…」
その子は僕の名前をつぶやくと、顔をくしゃりと歪ませた。
「ごめ…なさい……ごめんなさいっっ」
その女の子は真っ赤に腫れ上がった目を、涙で満たした。下を向いたら、今すぐにでも雫が零れ落ちそうだった。
「君は…?…っそれより…っ舞は!?舞はどうしたんだ!?」
僕が激しくまくし立てると、その子は肩をビクッと跳ね上がらせると、震える声で、話し始めた。
「私が…私が悪いんです…。口論になって、私が、わたしが…舞をっ!」
「…!なにがあったんだ…?」
僕が女の子に詰め寄ろうとしたとき、集中治療室のランプが消え、
ゆっくりと扉が開いた。
僕とその女の子は、ドアから出てきた医師に詰め寄った。
「舞は…妹は…!どうなったんですか!?」
その医師は僕のことを落ち着かせようと、肩にそっと触れ、優しく語りかけた。
「大丈夫。手術は成功だ。だが、今日は目覚めることはないだろう。
数日入院するだろうから、着替えを持ってきてあげなさい。ご両親の連絡先を教えて貰えるかい?」
僕はひと通り医師と話をしたあと待合室へ移動した。もちろん、話を聞くためだ。
話を聞いてわかったことは2つ。1つ目は、この女の子が舞に怪我を負わせた張本人だということ。
そして、2つ目は、この子が舞と揉め合いになり、突き飛ばしたところ、舞が階段から落ちていってしまったのだということ。
僕はこの女の子を責めなかった。
否。責められなかった。
もめあった理由が僕自身の事だったから—…。
翌日、舞は目を覚ました。
でも、舞は見舞に来てくれていた両親を病室から追い出し、僕だけを残した。
舞が何を思っているのか、分からなかった。
舞は僕のことをしっかりと見つめると、突然、話し始めた。
『翔太—…聞いて—…?』 と…。
- Re: Amnesia ( No.33 )
- 日時: 2015/06/19 20:57
- 名前: 顔無し@ (ID: 0j2IFgnm)
こんばんは!のれり様の小説拝見させていただきました!
先日はありがとうございました。
のれり様って見覚えのある名前だと思っていたら、Amnesiaの方だったんですね!
まだ読んだことかなかったので、読めて本当に良かったです!
こんな文章力の高くて、文才な方だったとは…
タメ語とか無理ですよ!
文章に整いがあるというか、清らかさがあって凄く素敵です!
女性が書いたかのような…麗しさ、素晴らしいです!
6日かんで参照100突破とか、凄過ぎて眩いです
文章の構成とか、よく考えてらっしゃるのでは?
構成が、読者を引きつける鍵の一つになっているような気がします。
秘密を引きずって、気になってしょうがないじゃないですか!
面白かったし、凄く勉強になりました
お気に入りスレッドに追加いたします(笑)
また見に来ます!更新待機してるので!
執筆頑張ってください!!
- Re: Amnesia ( No.34 )
- 日時: 2015/06/19 22:01
- 名前: のれり (ID: R4l9RSpR)
顔無し@様…!
早速見てくださったんですね!
あ、ありがとうございます(〃>∀<〃)
でも、そんなに褒めるととろけちゃいますよ!
と、いうか、若干トロケてます(笑)
…っと、いうか、すみません。なんか、顔無し@様に
タメを強要しながら、僕自身が敬語でした!
あはは…(笑ってごまかす)
亀更新ながら、頑張っていこうと思うので、
ひまなときに見ていただけると嬉しいです。
ありがとうございました\(^∀^〃)
- Re: Amnesia ( No.35 )
- 日時: 2015/06/20 22:04
- 名前: のれり (ID: R4l9RSpR)
舞の声からは必死さが伝わってきた。
僕は無言で頷き、舞に話を促した。
舞は、深く息を吸い込むと僕のことをまっすぐ捉え、
僕にことばの槍を突き刺した。
「翔太。消えてください」
「…………………ぇ…?」
僕の口から吐息混じりの疑問の声が漏れでた。
「あぁ、ちがいますね。言葉が適切ではありませんでしたね」
舞は放心状態の僕の手をとり、強く握りしめた。
「私と一緒に私達を知らない私達も知らない地へ二人で消えましょう?」
舞の言っている意味がわからない。
舞…どうしたんだ…
「意味…わかりませんか…?ふふ、そうですよね…?いきなりこんなこと言われても」
舞は口もとだけを歪ませると、僕に厳しい視線を送ってきた。
「私達は生まれてきたのも一緒。育ってきたのも一緒。顔でさえも一緒。
なのに…翔太は友達がたくさんいて幸せ。
私は友達を翔太にとられて不幸せ。おかしいのよ。これだけが一緒じゃないなんて。だから、ね。私が不幸なとき翔太も不幸であるべき。そして、
翔太が、幸せのとき私は幸せであるべきだと思うの」
舞の声が震えている。
「だから、二人で、二人だけで、やりなおしたいの…。今度は今度こそは…!
友達が…私を見てくれる友達がほしいの…ッ
お願い…翔太…」
舞の目から涙が一筋流れ落ちた。
僕は舞を抱きしめた。舞の体温が触れたところからゆっくりと伝わってくる。
「舞…ごめん…。舞…僕は、舞に…妹に幸せになってほしい」
僕は、舞を抱きしめる腕に力を込めて言った。
「舞。やりなおそう。イチから…二人で。そして、幸せになろう?」
舞は僕にしがみつき声を殺して泣いていた。そっと、舞の短く切りそろえられた髪をなでた。それから、1時間位舞は泣いていた。
そのうち、舞は泣きつかれたのか、寝てしまった。
僕は、舞をベットに横にし、布団をかけた。
そして、僕は病室を後にした。
こうして、僕と舞の幸せを掴むための二人暮しが始まった。
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