ダーク・ファンタジー小説
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- ヒューマン・ワールド 乱れ咲くは真紅の桜
- 日時： 2016/06/22 23:18
- 名前： 東雲 絵日香 （ID: eVM80Zyt）
前書き
はいどうも。東雲絵日香です。
さて、この小説は構想に二年かけた、オンラインゲームが舞台の物語です。物語中バトルや友情、葛藤や激突など、“ゲーム×人間性”がテーマのお話です。ゲーム好きなら興奮すること間違い無しでしょう。
…あとちなみに、この物語はかなりグロテスクなシーンが存在します。ご了承下さい。それと、サブタイトルの意味は後々わかると思われます。
プラス、私は台本書きなどといった素人レベルのことは致しません。
登場人物
ケンジ(島橋剣児)
ミカ(命蓮寺美香)
ワルバ(悪馬亮太)
ダイト(坂本大斗)
ジョン(ジョン・パーカー)
スフォルツァンド
カイ(道崎介)
プレリュード 仮想の世界
澄み渡る空、緑豊かな大地。大草原を駆け巡る動物達、水中を優雅に泳ぐ魚
達。
この世界はMMORPGの世界、すなわち仮想現実“VR”の世界だ。
それにしても、なぜこの世界はたかがゲームなのに素敵なのだろうか。もはやここは現実よりいいところではないのだろうか。
この世界は『CROSS』と呼ばれる世界最小のゲームハードによって構成されている。
これを開発した会社が元コンピュータ産業を営んでいた企業『ホムンクルス』というわけだ。もちろんこの仮想世界も『ホムンクルス』が開発し、それはまた世界的大ヒットとなった。
だが、この世界は決して安全ではなかった。“クリーチャー”と呼ばれる化物共
や、地震や天災などの数々の災害が襲いかかってくる。
そんな過酷な状況のなか生きる、という設定のプレイヤー達は“生存者”と呼ばれ、時には協力し、時には敵対することもある。
そしてこの極楽のような地獄のような世界を生存者達はこう呼ぶ。その名も、
『ヒューマン・ワールド(人間世界)』、通称“HW”。
- ヒューマン・ワールド 乱れ咲くは真紅の桜 ( No.1 )
- 日時： 2016/06/22 23:20
- 名前： 東雲 絵日香 （ID: eVM80Zyt）
第一話 剣を持つ者
僕はひたすら剣を振り回し、相手の攻撃をガードしていく。くそ、全く反撃の機会が伺えないなんて。今、僕と戦っているのは“裂虫”と呼ばれ、恐れられている“スティンガー”という蜻蛉に似た巨大虫だ。軽く二メートルはありそうな体格で、そのサイドに備わっているかぎ爪は肉をも裂き、骨をも砕くといわれるほどの怪力の持ち主だ。とてもこんな細い腕からは想像もできやしない。
「もう少し…もう少し…」
あと少しで奴も体勢を崩すだろう。そこを狙って斬り込む、というのが僕のシナリオだ。
「グルルルルアアアアアアァァァァァ…」
奴も息があがっている。さあ、今すぐその息を“虫の吐息”に変えてやるよ。
さあ、来たぞ。ここで決めてやる。
「長剣技【スピニングカット】！！」
たくさんの閃光エフェクトと共に僕の剣の刃が奴の爪をも弾き、体もろとも斬り刻んでいく。虫とは思えないほどの紅の血がガソリンのように吹き出す。奴のHPゲージの緑の部分が1ピクセルも残さず無くなった。
奴がいたと思われる所にはスティンガーの死骸のみが残った。すぐさま僕は奴の落とした金とドロップアイテムを回収した。今回は、『裂虫の羽』と『裂虫の触角』か。まずまずだな。僕は思わず溜め息をつき、血まみれの剣を背中に納め、奴の死骸を後にした。
にしても、こんなミッションが課せられたのはいつだったか。確かそうだ、１週間前のことだ。
