ダーク・ファンタジー小説
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- 覚醒の意識を悟る者
- 日時： 2016/06/22 19:03
- 名前： ヨネモトユウジ （ID: CwXyXkbt）
空気中の微弱な電気を辿り、ネスロの脳が発するもう一つの電気信号に入り込んだ、連情。意識と電波の融合に成功した連情は、何も繋ぐものが無くても通信出来るのと同じ原理を、人間同士で行い、“電脳意識融合経験“など無いネスロの意識を、一瞬で奪い取った。
〜第一章,真実を悟る時〜
(まさかお前に撃たれるとは思わなかったよ。だが、そんなお前も、もう意識を取り戻す事は無いだろう。この身体、大切に使わせてもらうぞ)
足元に元々居た自分の身体が横たわっている。
(自分の亡骸を拝むのは変な気分だ。まぁそこまで出来る経験では無いがな。幽体離脱した奴はこんな気分なのか？)
残されたネスロの記憶を頼りに、ビルの指令塔へと向かう。
(証拠隠滅のためにも、ここを破壊しなければ。・・・そういえば、アイツ、組織のリーダーとか言ってたよな・・・)
指令塔のコンピュータに意識を集中し、なかを調べる。
(やっぱり！アイツには部下が居たんだ！こいつは使える。)
『我が組織“ヴィクシス“のメンバー達に告ぐ、敵の侵入攻略により急遽予定が変更となった！全メンバーはこの間施設を退避！これより90秒後に自爆装置を作動させる！
死にたく無ければこのビルから離れろ！その後集合場所を端末に送信する。全員、非難開始！』
照明が青から非常電源の赤に変わり、かくフロアで警報が鳴り響く。コンピュータ内の全データを頭にインプットした。
(今のインフォは何人位に届いたんだろう。そんなデータにアクセスしている時間は無い！急がないと。)
[15分後]
無事下山した連情は、山中に黒煙が昇るのを見つめていた。
(よし。軍のデータ書き換えた。後はメンバー達を集めるだけだ。)
「ねぇ、ネスロさん？何故ビルを破壊されたのかしら？」
そこには黒服を纏った十代位の少女が腕を組んでいた。
- Re: 覚醒の意識を悟る者 ( No.4 )
- 日時： 2016/06/22 23:28
- 名前： ヨネモトユウジ （ID: pvHn5xI8）
[ファミリーレストランにて]
「それじゃこの人はもともと能力者で、ネスロに殺されたから、脳ミソをジャックしたって訳か。たまげたな・・・」
「・・・ネスロ・・・あぁ・・・」
「へましたな〜ネっさんも！」
眼鏡の女が解説する。
「凄いですよね〜。んで名前が・・・」
リシバを無視して続ける。
「名前と言えば、自己紹介がまだだったね。私が戦闘員のモニペ.リブラアナ。で、この二人が・・・」
一見すると普通の痩せて目の鋭い意地悪そうな背の高い女子校生に見える。リブがつないだ
「ニツナ.フモです！ウィルス担当でーす！よろしくお願いします。」
コイツもまた無駄にうるさい奴だった。歳はリシバと同じ位で、黒髪が綺麗だった。
「・・・私クト。妹。よろしく・・・」
面白い位似ているが、性格が違い過ぎた。
どちらかと言うと静か過ぎる。
「そしてそして俺が？！21世紀のレオナルド.ダ.ヴィンチ、と呼ばれた男、キ.リェンチー様ダゼ！」
とても個性的な人だった。そしてうるさい。リブが訂正する。
「お前はただの迷惑変人だろ。まぁ、コイツはほっといて、これが我が組織、ヴィクシスのエリートメンバー達だ。ちょっと変わった奴もいるが、馴れるだろ。あ、ちなみに私が一番始めのメンバーだぞ。」
(ちょっとどころじゃない。うるさい、うるさい、無音、馬鹿だぞ。なれちゃ駄目だろ。)
リブが真剣に聞いて来た。
「そう言えば、シンは何の能力者なんだ？」
「何？能力に違いなんて有るのか？」
その場の全員が見ている。リブが訂正する。
「まぁ初めは皆そうだな。実はこの能力は個人差が有ってな。まず、リシバはセキュリティの微弱なサイトが一瞬で分かる。次にニツナ姉妹だが、姉のフモはウィルスを大量に散布できる。そして妹のクトは無限にウィルスを増殖させられる。二人が揃えば強いな。そしてリェンチーは、リアルな偽の情報をいくらでも作って、不自然の無いように公開できる。以外と役立つぞ。そして私は、自分達のウィルスをほぼ完全に除去出来る。これが私達の力だ。シンは何が出来る？」
「そうだね、分かりやすく言うと相手のコンピュータに取り付いて、蝕み続けることができる。かな？」
丁度その時、また新たな仲間が現れた。
- Re: 覚醒の意識を悟る者 ( No.5 )
- 日時： 2016/06/23 17:21
- 名前： ヨネモトユウジ （ID: kr6JxJj2）
一人は連情と同じ位での歳の青年。もう一人は・・・警察だ。リブが説明する。
「ヨヒン、カウンセラーだ。後隣のがハ・・・HERDさん。偽警察の人だよ。」
(なんだ、偽か。驚かせるな。)
こうしてファミレスの中には、黒無地スーツの男女が8人集まった。連情が今までの事を簡潔に説明する。モニペ、ヨヒン、HERDが立ち上がって言った。
「僕らは調査が有るので、そろそろ失礼します。リシバ、ネスロさんが居ないからって無茶苦茶するなよ。じゃあシンさん、この馬鹿どもをお願いします。」
俺達5人を残して無責任に立ち去る。リェンチーがあくびしながら呟いた。
「ふぁあ。んでシンさんとやら。あんたもこの組織の一員になった訳だ。これからいろいろ厄介になるぜ。ははは！」
リシバが落ち着かない様子で言う。
「シンさん！皆が行っちゃったんですし、私達も何か行動しましょうよ！」
「行動って、何するんだよ。第一こんな面子で・・・」
リェンチーが空かさず反論する。
「何だよ！まるで俺達が役立たずみたいな言い方しやがって！」
「そういう意味じゃない」
「じゃあどういう意味だよ！」
リシバが割って入る。
「まぁまぁ二人とも！それよりシンさん。実は貴方がとっても気になりそうなネタが有るんですよ！知りたいですか？」
「何だ？早く言え。」
「フフフ。じゃあシンさん、一発ギャグをお願いします！」
リシバの脳に自動増殖ウィルスを送り込む。すると頭を押さえて悲鳴を上げた。
「わぁぁあぁあ分かりました！分かりましたから！止めてくだざいっ！」
フモが変わりに話す。
「すいまっせーん。でそのネタって言うのは〜。ねっ！」
クトが蚊の鳴く様な声で説明する。
「・・・私達の、力。・・・どうして、なったのか・・・」
「何？！分かるのか？！教えてくれ！！」
突然の大声にクトが驚く。
「ひぃい！知りません知りません知りません知りません。ごめんなさい。本当に知りません。全部元のリーダーが知ってますぅうぅ・・・！」
クトはうずくまって動かなくなった。
「元のリーダーって、そんなデータ残って無いぞ」
リシバがクトを撫でながら説明した。
「そりゃそうですよ。元のリーダーは辞める時にデータは自分以外絶対に見れない様にしたんです。・・・ヨシヨシ、シンさん！クーさんには大声出さないで下さい！多分嫌われましたね・・・」
「知るかそんなこと。それより、元のリーダーって誰だよ？」
今まで黙ってたリェンチーが口を開いた。
「・・・今の政治家だよ。納田関節規制大臣。あいつは俺達の情報を世間に売って名誉挽回。その時に得た圧倒的支持で、今の立場を得たんだ。仲間を利用してな。」
- Re: 覚醒の意識を悟る者 ( No.6 )
- 日時： 2016/06/23 22:57
- 名前： ヨネモトユウジ （ID: EI9VusTL）
〜第二章.遭遇のショッピング〜
「お！こここんな店入ってたんだな！」
はしゃぐリェンチーを盾に、リシバが連情にささやいた。
「今の内にクーさんと、仲直りして下さいね！じゃないと・・・まぁいろいろ大変何で。」
暇だ暇だと話している内に、フモがクトの頭を読んで、何か遊びに行こうと言うことになり、リェンチーが年頃の女子はファッションだと言うことで、新しく出来たショッピングモールに来た。
(・・・まぁここまで人が多ければ、珍しい情報の一つ位見つかるだろう。そう、納田とかいう元リーダーの事も。)
相変わらず黙ったまま、クトは手当たり次第に店を覗いては、不気味な笑みを見せていた。
リェンチーが野暮な事を呟く。
「あんなの女の子の顔じゃないだろ。いつも無表情だからか、見てると寒気がする。」
フモまで賛成した。
「確かに〜。クトは病んデレっぽい所が有るよね。」
(何処かに、納田と関係の有るデータは・・・！クソ、人が多すぎて処理に時間が！)
連情が意識を絞っていると、リシバが絶叫した。
「ぎゃぁぁああ！！ぬぅわぁぁあ！！」
「どうした？！何が有った？！」
「限定特注モンブランが、有った・・・！くぅう〜！！行きます！私は行き・・・ぐ、う、が、我慢じまずぅ・・・」
リシバを完璧に放置して連情が進む。
リェンチーがクトが居ない事に気が付いた。
「おい！あの病んデレ娘何処行った？！」
「全くいい加減にしろ。誰か位置情報をアクセスして呼び寄せろ。」
連情が面倒臭そうに指示したその時、またリシバが絶叫した。ゲームセンターだ。
「今度何だ！お前の頭ログアウトさせっ・・・何だ？」
リシバが震える手で指差した先には、人だかりが出来ていた。
「あ、あれ・・・ちょ、超ヤバイですよねぇ！」
- Re: 覚醒の意識を悟る者 ( No.7 )
- 日時： 2016/06/24 19:00
- 名前： ヨネモトユウジ （ID: Y023kLiG）
テレビゲームの画面が赤と紫のタイルの様にグチャグチャになっている。全てだ。連情が指示する。
「よし。クトは居ないが仕方ない。俺達だけであれを止めるぞ。」
リェンチーが続く。
「よぉうし！俺の出番だぜ！」
しかし、フモだけがアクセスしようとしない。連情が急がせる。
「何をしてる！あんなのは放って置くと、周りのセキュリティが無駄に高くなるだけだ。早くダウンさせないと！・・・クトは諦めろ。」
シンの冷たい言葉にフモが答えた。
「・・・分かりました。でも本来の力が発揮出来るか分かりませんよ。」
そういうと全員がアクセスした。
まず始めにリェンチーが周りに偽の情報を散らし、他に誰もアクセス出来ない様にする。次にフモがウィルスを流し、相手のセキュリティとブロックを弱らせる。そこへリシバがトドメを刺そうとしたその時。
「う！この人、バックアップデータが多すぎて、私達のデータ要領をが・・・」
「何？！待ってろ！今コイツのコンピュータに取りついて落とす。」
しかしあまりにバックアップデータが多すぎて、シンでさえ時間がかかる。リェンチーと二人でやっとの抵抗も、押されていた。その時、フモのデータ要領が限界が来た。リシバも助けられない。
「私、の、データが、書き換えられ・・・」
「うぅ、ごめん！助けたいけど、ウィルスの量が足りない。追い付かなく・・・！」
(クソ、このままだと俺達がコイツにデータを変えられるのも時間の問題！)
その時、今まで勢いが強かったバックアップデータが少しづつウィルスに感染して行った。フモがを飲み込もうとしていたデータがウィルスの処理に回っている。フモが驚いた様に言う。
「あれ？ウィルスの増殖が良くなったよ。」
その言葉に答えるかのように、叫び声が聴こえた。
「ひぃぃいやっほぅぅー！！！潰せ潰せ潰せ潰せ潰せー！！！このカッスカスの雑魚データどもがぁあ！！お前ら何てなぁ！所詮プログラムの不具合から生まれたバグに過ぎねーんだよぉお！！」
あまりの恫喝にシンが驚く。
「く、とうとう敵が正体を！何て運が悪いんだ！」
しかしリェンチーは以外に嬉しそうに言った。
「おぉ！ようやく来たのか。クト。さっさとコイツを始末しちまおうぜ。」
「何ぃ？てめぇ！誰に向かって口きいてんだぁ！こらぁ！」
(クト？だと・・・？は？クトは一人だよなぁ・・・可笑しい・・・このクトは俺の知っている奴じゃない。サブデータの方だ！)
ここからは途中参加したクトの独壇場になった。相手がクトを認識する前にクトは相手をダウンさせる。とてつもないハイスピードバトル。もちろん勝ったのはクトだった。
- Re: 覚醒の意識を悟る者 ( No.8 )
- 日時： 2016/06/24 19:19
- 名前： ヨネモトユウジ （ID: UUbzo1gV）
[5分後]
「ちくしょー！またクトに手柄を横取りされたっ！」
リェンチーがアイスコーヒーを飲み干した。ここはゲームセンターの近くにあるカフェ。リシバが言う。
「なに言ってんの！私達全部クトが助けてくれたんじゃない！あんた足引っ張っただけだし！」
クトが照れくさそうにうつむく。
「・・・ヘヘヘ。私、大して何もしてないすよ・・・」
そんなクトをシンが警戒する。
(・・・元に戻ってやがる。)
シンに聴こえない声でリシバがクトにささやく。
「クトさん。シンさんのことホントに許しちゃうんですか？」
「・・・うん。いいの。あの人の怯えた顔、とっても可愛いかったから。クフフ・・・」
その会話を聴いていたリェンチーがシンにささやいた。
「うわー・・・怖え〜。シン。気を付けろ。お前の一番油断してるとこ、一番危険。」
「は？何言ってんだ？」
警戒の解けたシンの顔を眺めながら、クトが静かにニヤヶていた。