ダーク・ファンタジー小説
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- カブトライザー 未完成 1話 登山道を黒く染めた
- 日時: 2016/11/16 01:14
- 名前: ケン (ID: 7SGBWoB3)
ガルド王国。ガルド城。第三闘技場。
俺は左の腰に木刀をさして、右の腰に木刀をさした金髪の青年デュークと距離をとって向かい合う。
これから模擬戦をするのだがいまいちやる気がでない。
こんな俺を見てデュークを大きな声でいう。
「次平、手抜いたら承知しないぞ」
と言われてもやる気はでない。だがデュークはかなりの実力者だから本気でいかないと怪我をする。
東側観客席の一番前には黒いマントを羽織って魔女帽子をかぶった。つり目の女。ハリナが天に向かってスターターピストルを構えている。あれが戦いの合図だ。
実際、戦いに合図はないけどな。
小さな鳥の影が巨大な鳥となって地面と俺とデュークの上を這り去った後それはなった。
パン!
デュークは木刀を抜き振りかぶりながら駆けてくる。デュークが近づくごとに体の感覚はまとまっていく。
「イヤァ!」
デュークが木刀を降り下ろしたと同時に右斜めに進みながら木刀で抜いた。
デュークは膝まずき。笑いながら立ち上がり振り向いた。
「ハハハ、さすが次平。斬られたところが熱い」
デュークは左の脇腹を抑えている。
「大丈夫なのか?」
デュークは襟を前に引っ張り体を見た。
「特に問題ない。次はお前が斬りかかって来いよ」
俺たちはまた距離をあける。
木刀を右上段に構える。
両手を寄せて持ち、脇を半分開く。木刀は寝かせない。木刀の先より五センチ後に意識を置く。
周りからは変な構えだと言われるがあまり気にしていない。
この構えでデュークに近づき木刀を降り下ろす。デュークが防ぐために出した木刀が当た寸前に体全体で木刀を左に切り返し右の二の腕を斬った。
- カブトライザー 未完成 1話 登山道を黒く染めた ( No.1 )
- 日時: 2016/11/19 19:48
- 名前: ケン (ID: 7SGBWoB3)
俺とデュークとハリナの三人で城の食堂で昼飯を食べる。
しかし食事中だというのにデュークはとても興奮し俺とハリナは冷静だった。
「しかし次平すごいよなあ。本当に魔法使ってないんだよなあ?」
「ああ」
「俺はホルンの魔法で速くなったりドラゴンの力で幻影を見せるけど本当に何にも使ってないんだよなあ?」
「ああ」
ホルンとは俺たち三人とパーティーを組んでいる魔法使い。パーティーにはもう一人、ナムディという女がいる。
ギィー!バタン!
今さっき名前のでたホルンが入ってきた。薄い紫色の髪をしているが染めてはいない。いつも手には先っぽにひし形の宝石が埋め込まれた杖を持っている。
ホルンは俺たちを見つけると速歩きで近づき席に座った。デュークはホルンに話しかけた。
「なあなあホルン」
「知ってるよ。その話。次平と模擬戦があるたびに言ってるじゃないか」
「なんだよ最後まで聞けよ」
「聞き飽きた」
ハリナが呟くとデュークは黙った。
「中木次平はおるか」
名前を呼ばれたので立ち上がった。食堂の扉の前に兵士が立っている。
「何かようか」
「国王がお呼びだ。至急、王室に来るように」
「わかりました」
王室に向かうために廊下を歩いていると兵士達がチラチラと俺を見る。名前からしてわかるかもしれんが俺はこの国の者ではない。七年前に訳あってこの国に来た。
他国から移民してきた人間が自国のトップが擁護を付けないで会うのだから仕方ない事だ。
ドンドン。
王室の扉をノックした。
「中木次平ただいま参りました」
「入りなさい」
扉を開けて入ると山のように本を積んだ机の前で封筒をもった。白髪の中に少し金髪が残った老人が立っている。この人がガルド王国の国王のカンジェル・ライド・ガルドである。口調は柔らかいが昔は業火の国王と呼ばれるほどの実力で無法者を灰にし、周辺の国から恐れられていた。
「次平、よく来た。お前に頼みたいことがあてのう」
カンジェル国王は
Page:1