ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

幻想少女
日時: 2016/11/22 19:21
名前: †病みかわ系魔法少女† (ID: V8/FVK78)

初めまして

 attention
  О誤字脱字があるかもしれません
  О異世界モノ
  О主要キャラ全員少女

宜しくお願いします。

Re: 幻想少女 ( No.1 )
日時: 2016/11/27 14:18
名前: †病みかわ系魔法少女† (ID: V8/FVK78)

 円ノ小路和華は少女を偏愛している。この十八年の人生で上手いストーキングの仕方、髪のくすね方、スカートの覗き方、全てを極めた。成長期の子供に親は少し大きめの服を買い与える。その服で屈むなど背中を丸める様な姿勢をとると丁度胸の谷間が見えるのだがこの少し膨らんだ成長途中の小さな胸が和華はたまらなく好きだ。家に帰れば二人の妹がいる。年の離れているという事もあり和華に懐き、未だに一緒に風呂に入る仲だ。
 自分はなんて幸せ者なんだろう。和華は思う。あどけなき少女に誘拐や性的暴行などの悪事を働くのは普通男で和華が夏休みのプール講習を眺めていても駅のホームやバス停のベンチで少女の隣に座っても不審な目で見られる事はない。それに二人の妹にも恵まれた。こんな幸福があっていいのだろうか。表向きは文武両道、絵画コンクールでは毎年賞を取り、人脈が広く教師からの信頼も厚い。かと言って妬み僻みの対象になり、陰で口汚く罵られたりという事もない。異性からの人気はそこそこあるが同性から嫉妬されるほどではない。和華の思う完璧なポジションだ。
 和華は制服の上から学校指定の黒いダッフルコートに腕を通した。鞄を肩にかけ、ローファーを鳴らし校門を後にする。一月の終わり、三学期が始ってすぐのこの時期、吐いた息は白く消え、雪が積もり、池は凍っている。
 早く帰ろう。そして妹二人に癒されよう。和華は足を急がせた。




円ノ小路和華エンノコウジワカ
 

Re: 幻想少女 ( No.2 )
日時: 2016/11/28 21:00
名前: †病みかわ系魔法少女† (ID: V8/FVK78)

和華が家に帰ると、リビングには部活で帰りの遅い姉を律儀に待つ妹二人と夕飯を作る母、仕事帰りの父、それにまるまるとした大きな猫の姿があった。妹は二人とも小学生で、上が華憐、下が華凜。華憐は無愛想で少し捻くれており、あまり人に心を開くタイプではないが打ち解けると懐き、すり寄ってくる。一方華凜は利発で明朗快活と言った言葉がよく似合い、裏表が無く無邪気で実に子供らしい。二人とも可愛い和華の妹だ。
「———んでね、華凜今日5回も手上げたんだ」
 華凜は学校であった事をとても楽しそうに、自慢げにいつも話してくれる。
「へぇ、すごいじゃん」
 頭をなでてやると嬉しそうに目を細めた。
「うん。紀子ちゃんもすごいねって言ってた」
 小さな胸を張る姿がたまらなく愛らしい。そういえば華凜は最近胸が膨らんできた。少女の成長過程を身近に見られるというのはなんと素晴らしい事だろう。華凜の髪に指を通す。瑞々しくいい香りがする。
「華憐ちゃんはこの前のテスト帰ってきた?」
「うん。百点だった」
「お、勉強してたもんねー」
 リビングのソファの中心に和華、左側に華憐、右側に華凜というように腰掛けた。華憐の膝には三毛猫の珠が丸くなっている。
「あ、トイレ」
 華凜が唐突に弾む声で言った。
「ん、一人で行ける?」
 円ノ小路家のトイレは長い廊下の突き当たりにある。昼間ならまだしも夜は少し怖い。
「私が一緒に行ってあげる」
 華憐は静かに立ち上がった。
「うん!」
 華凜は元気に頷いた。
 華憐も姉ぶりたいお年頃なのか。手をつないで歩く二人の姿は実に微
笑ましいものだった。これが噂の百合ってやつなのかもしれない。

———————————————————————————−

————おかしい。
 華憐と華凜が戻ってこない。二人揃ってリビングを出たっきり姿を見せない。手洗い場はあまり長居したくない場所なのだがと和華は思う。
「和華ちゃん、あの子達呼んできてくれない。もうご飯なんだけど」
 母の呼びかけに和華は腰を上げた。—みしみしと軋む小気味の悪い音を立てながら廊下を進んで行く。築百二十年という歴史を刻んだ家は壁や天井に所々シミがあり、一部剥がれ落ちている。廊下は狭い癖に漆喰塗りの大きな土間があり伝統と格式がなんたらという以前にただただ邪魔だ。廊下の突き当たり、手洗い場には電気が付いていた。二人で中に入っているのか。いや、そんな訳は無い。
 2回ノックした。返事は無い。
「開けるよー」
 開いたドアの先には——
「…誰」
 少女がいた。見た事の無い、美しい少女だ。大正浪漫を思わせる軍服を身に纏い風車を持って立っている。
「円ノ小路和華。貴女だった。ちょっと間違えた」
「…誰、なんですか」
「改めて円ノ小路和華。言語能力、身体能力、コミュニケション能力、その他全ての知性において幻想少女育成ゲームへの参加資格があると見做した。」


華憐カレン 華凜カリン


Page:1 2



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。