ダーク・ファンタジー小説
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- マーダー インパルス
- 日時: 2016/11/25 16:16
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
どうもフクロウJr.です。
今までは主に コメディ・ライト版 にてギャグやパロディの部類に属するような物語ばかり書いていましたが、今回初めて ダーク・ファンタジー版 に投稿しますので、至らぬ点も多いと思いますがアドバイスや感想等よろしくお願いします!
ちなみに題名の『マーダー インパルス』ですが、英語で 『murder impulse 』。
直訳すると『殺人衝動』と言うことですね。ネタバレになるのでこれ以上は言いませんが…
どうかよろしくお願いいたします!
コメディ・ライト版にて↓↓↓
『平和過ぎて何が悪い!』『悪魔が恋のキューピッド!』
…の2作品を投稿していますので、そちらの方も良ければ見てください。
- Re: マーダー インパルス ( No.1 )
- 日時: 2016/11/25 17:43
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
1. 必要な物
「…で今回の報酬は?」
サクラは依頼人が差し出したターゲットの写真の女の首の部分に爪で傷を付けた。
街の外れの空き家。暗殺の契約をするには意外とありがちな場所だ。
「100万でどうだ。」
白髪で白髭、殺ろうと思えばすぐに殺れるような無防備な老人の依頼人は100万という金額を軽々しく口にした。
「よし」
サクラは一言だけ言うとすぐにターゲットの写真を持って倉庫を出た。
依頼人の事情やターゲットとの関係に興味は無かった。
金が入ってくる。それだけでよかった。
外に出て一度深呼吸をする、サクラはこの空気は好きではなかった、乾燥している日向の空気だ。
上着の右ポケットからナイフを取り出す、普通の果物ナイフだが入念に磨がれている。
サクラはそのナイフを太陽に向けて傷がないか確認した。刃こぼれはもちろん、傷一つない。
「待ってて」
サクラはそう言うとナイフをしまって依頼人の言っていたターゲットの居場所へと向かった。
- Re: マーダー インパルス ( No.2 )
- 日時: 2016/11/25 17:44
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
「安いよ安いよー」
ターゲットの家へと行く途中サクラは市場を通った、本当ならこんなうるさい所通りたくない。
しかしターゲットの家へはここを通らないと行けないのだからしょうがない。
ああ、全て…ここに居る全ての人間を殺してやりたい…サクラはポケットのナイフを握り締める。
市場を抜けると急に静かになった、さっきの凶暴な思いも無くなりポケットから手を出す。
気が付くともうターゲットの住むマンションの下に到着していた。
さて、問題はここから…どうやってターゲットに接触するかだ。たとえ接触に成功しても一目の多い場所では殺せない。やはりターゲットの部屋が一番殺りやすいか…。
サクラがそんな事を思っているとターゲットが入口から出てきた。写真と全く同じ金髪の長い髪が風に揺れる。
サクラはポケットのナイフを握り締めて自己暗示をかけるように呟いた。
「必ず殺す」
ターゲットがこちらに歩いて来る。
今周辺に人の気配は全く無い。今なら絶対殺れる!
ターゲットが曲がり角を曲がってきた瞬間、ターゲットの首目掛けてナイフを降り下ろした。
「何っ!」
止められた、素手で。ターゲットの女は顔色一つ変えずにナイフの刃の部分を握り締める。
サクラは力を入れ女の手に刃を食い込ませた。女の手から血が垂れる、サラサラとした血。
女はサクラの手からナイフを奪い取った。
「そんな…」
暗殺には自信があった、今回も一瞬の間だったが完璧だったはずだ。なのに止められた。サクラは悟った。殺されるのは自分だ、と。
しかしその女はサクラを攻撃しなかった、それどころかこう言ったのだ。
「あなたのような人を探していました」
「えっ…」
サクラが驚いて顔を上げると女は続けた。
「けれどあなたには殺しに必要な物が一つ足りてないわ」
「殺しに…必要な物?」
敗北感を感じて落ち込んでるサクラにナイフを向けると女の目付きが変わった。
「そんな事もわからんのかっ!殺しを…楽しむ事だよっ!」
- Re: マーダー インパルス ( No.3 )
- 日時: 2016/11/25 21:10
- 名前: フクロウJr. (ID: yV4epvKO)
2. マーダーインパルス
「着いてこい」
殺すべきターゲットだった女にそう言われ敗者であるサクラは大人しく着いていった。
サクラは女に港の近くの倉庫ばかり並んでいる所に連れてこられた。
女は中でも一番小さな倉庫のシャッターを半分だけ開けて中にサクラを入れた後自分も入りシャッターを勢いよく閉めた。
倉庫の中は照明で照らされ明る過ぎるくらいだった。真ん中にテーブルがありそこで三人の人が暇そうにしていた。
一人はパソコンを凝視し、もう一人は拳銃を磨き、その隣でゴツい男が居眠りをしていた。
「マリカさん、お帰りっスー」
パソコンを凝視している少女がそう言うと拳銃を磨いていた少女も手を止めて
「お帰り…」
と呟いた。
「この方は新入りよ、この私を暗殺しようとしてきた凄腕の暗殺者」
マリカと呼ばれた女はサクラの背中を押してそう言った。
「えっ、新入り?そんな事は一言も聞いていないぞ」
サクラがそう言ってナイフに手をかけるとマリカの目付きが変わった
「死にてぇのか?」
マリカにそう言われてサクラはナイフから手を離した。
「凶暴なんスねー」
さっきまでパソコンを凝視していた少女は充血した目でサクラを見て言った。
「止めとけエミ。怒らせたら殺されるぞー」
マリカが冗談混じりにそう言うとエミと呼ばれた少女は何も言わなくなった。
こいつ等何者なんだ。そんな疑問だけがサクラの頭には浮かんだ。
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