ダーク・ファンタジー小説
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- アコナイト 海の涙はいつか届く
- 日時: 2017/01/09 03:37
- 名前: チーター (ID: IWz3oOE/)
イントロ
一匹の猫が海辺沿いの一際高い石に立っていた。
アコナイト色の目は、水平線を遠い目で、見ていた。
哀しそうな目を、涙して。
(この物語はフィクションです)
これは、一匹の猫の話。
遠い、遠い、地を目指す一匹の猫の話。
アコナイト。
アコナイト色の目をして、少し汚れたその毛は、風にゆれることも無く哀しみに満ちていた。
行こう。戻ろう。私がいるべき場所へ。
行くんだ。戻るんだ。私がいるべき場所へ。
この海ともお別れになる。でも、そんなことは思いもしない。
行くんだ。
幸せを、楽しみを、自らの足で手に入れるんだ。
音をたてずに岩からそっと飛び降りた。
波が静かに浜辺を打っている。人気のない、透き通るような海が、
さようなら、と言っているようだった。
太陽が昇る方角へ、ゆっくりと歩き出した。
赤くそまった空は、砂浜に反射して輝いていた。一歩、一歩、ゆっくりと、地面をふんでゆく。どれだけ、長い旅になるかは、分からない。それでも、
少しだけでも、前にゆきたい。
まだ、赤色の日差しが差し込んでいる森へと入った。落ち葉が赤色に色づき一面真っ赤な世界になった。落ち葉の絨毯の上を駆け足で進んでゆく。
やがて、日が暮れても終わらないこの道は、暗くなってきた。
えさを捕まえなければ。そして、ネズミを捕って食べた。
また、暗い道を走り始めた。
皆が、私がいない間にいなくなっていたら、どうしようと思うと、急がずには、いられなかった。やがて、夜になった。
- Re: アコナイト 海の涙はいつか届く ( No.1 )
- 日時: 2017/03/04 04:29
- 名前: チーター (ID: IWz3oOE/)
ニャーーー
朝日が染まる空に向けて鳴いてみた。
そしたら、カケスが応えて鳴いていた。
また、歩き出した。
そして私は一つ歌を歌った。
秋〜の 朝〜は 空に揺れている〜
木の実は 哀しそうな〜 面影があった〜
空〜の 青〜は 木々に囲まれて散る〜
我ながらとても良い曲だと思った。
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