ダーク・ファンタジー小説
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入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 死後の世界
- 日時: 2017/01/15 21:28
- 名前: わんころ (ID: oEQnR9WT)
プロローグ
なんだか、とても体が軽い。音も聞こえない。
なぜだろう。
ふと、目を開けた。
するとそこには、私がいた。信じられないことに、死んだ自分自身を見下ろしていたのだ。周りには誰もいない。静かな空間の中、眠るように横たわっていた。
夢なの?それとも現実?
……私、死んだの?
そんなことを思っていると、吸い込まれるように上へ、上へと体が引っ張られていった。
真っ暗な闇から、急に光が差し込む。眩しくて、思わず目を閉じた。
凄まじい音と寒さに怯えながら、私は震える腕を抱きしめた。
- 死後の世界 ( No.1 )
- 日時: 2017/01/15 21:24
- 名前: わんころ (ID: oEQnR9WT)
どのくらい経っただろうか。音も消え、体が暖かくなった。
恐る恐る目を開けると、私はお花畑にいた。
美しい花の香りが、私を包み込む。
ほっとして、立ち上がった。
一体ここは何処?私はどうして、こんな所に来たんだろう?
見渡す限り、美しいお花だらけだった。色とりどりの花。
これが俗にいう、パラレルワールドだったりして。
にやりと笑って、歩き始めた。
こんな綺麗な場所、今まで本で読んだことも、聞いたこともないなぁ。
「写真……撮っとこ」
そう思いボケットに手を当てたが、中は空っぽだった。
あーあ、携帯があれば撮っておけたのに。残念。
ずっとこの先に、何かがある気がする。
でもこの道であってるのかな?
後ろを振り返ろうとしたその時、何処からか声がした。
「こっちにおいで」
確かに、前の方から女の人の声が聞こえた。
「あなたは、誰?ここが何処か、教えて下さい!」
そう言うと、またその「声」は聞こえた。
「こっちに来たら、教えて上げるわ……」
なんだか聞き覚えのある声。でも、誰かは思い出せない。
とりあえず、その声の方へと向かう。
夢にしてはリアルすぎるなぁ。
何分か歩き続けた頃、きらきらと輝く川が見え始めた。
水は透き通っていて、虹がかかっていた。
「その川を渡るのよ」
さっきの声が、また聞こえた。さっきよりも近い。
なんだか、怖くなってきた。
この川の向こうは、どうなっているのだろうか?
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