ダーク・ファンタジー小説

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おくすり飲むの。
日時: 2017/02/17 17:47
名前: めいりる (ID: XL6hbgia)

おもいだしたくないの。

おもいださなきゃしんじゃうのに。

きがくるいそう。こんなせまいへや。はやくでたい。

おくすり、のまないと。いつもの、アレ。

のみたい。のみたい。のみたい。のみたい。どこにあるの。どこにあるの。どこにあるの。どこにあるの。

……………………………………。

……………………………………。

……………………………………。

___みぃつけた。

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆**◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*

もくじ

>>0 ぷろろーぐ

>>1 でてくるひと

Re: おくすり飲むの。 ( No.2 )
日時: 2017/02/17 18:12
名前: めいりる (ID: XL6hbgia)

おはようって言ったら無視されちゃうの。

まるで僕のこと見てないみたい。

「ねぇ、おとーさん。今日ね、てすとで100点だったよ」

「お父さんの仕事が終わったあとでね」

「ねぇ、おかーさん。今日ね、先生に褒められたの」

「えぇ、そう。じゃあ私でかけるわぁ」

誰も、見てないの。僕のこと。




_____しんじゃえ




*:,.:.,.*:,.:.,.*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.*:,.:.,.*:,.:.,.*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.。*:,.:.,.。

彼女___ノエルに取って、それはなんでもない1日だった。

両親が他界しても、何の感情も持たなかった。医者は【しっかりした女の子】として彼女の親戚の元へと送った。

ノエルの親戚は、まだ10になったばっかりの彼女の事を気味悪がった。

でも、ちゃっかり遺産は欲しかったらしい。彼女の両親の遺産は、保険金も合わせ全額ノエルに相続されていた。

彼女の親戚は、彼女に関わらないことを条件に、彼女と取引をして遺産の3割を受け取った。

残りの7割は全てノエルのもの。

(どうしよう)

それは、遊んで暮らしても余るような大金だった。

Re: おくすり飲むの。 ( No.3 )
日時: 2017/02/18 21:11
名前: めいりる (ID: XL6hbgia)

「のえる、自分のこと【僕】って言わないとお母さんに怒られるの。
【のえる】って言ったり、【わたし】って言ったらお父さんに怒られちゃった。

お父さんは、きっと男の子が欲しかったと思う。


僕なんか、要らない」



ノエルは、貰ったお金でマンションを買って暮らしていた。
マンションに暮らしているのは、彼女を含めて4人だけ。

実質10歳の少女が経営するマンションなんて、警備も何もあったもんじゃない。

ノエルは、マンションに暮らしている一家族にしか心を開かなかった。

幸い家事は出来たので、そんなに困らなかった。

「じゃあ、お父さんとお母さんが居なくなって良かったね

ボクのお父さんとお母さんも、いないようなもんだよ」

ノエルの話し相手は、ウサギの人形か、あの家族の息子だった。

彼は、15歳。

病で、精神が、おかしくなっていた。

Re: おくすり飲むの。 ( No.4 )
日時: 2017/02/19 17:56
名前: めいりる (ID: XL6hbgia)

ノエルは両親のことを忘れるためにと、道で出会った誰かに【おくすり】を勧められた。

それから彼女はずっと部屋にいる。

莫大な遺産と、少年と、ぬいぐるみと【おくすり】。

少年が買出しに行く以外に扉が開かれることはなかった。

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*

(喉乾いたな………)

どこにでも売っているような服装をしている20代の男はふらふらと道を歩いていた。

人混みにとても馴染んでいて、目を凝らさなくては見当たらないほどだ。

そんな平々凡々の男が【しょくじんき】なんて、誰が信じるものだろうか。


(あの館が空いてる)

男が都合よく発見したのは、ノエルの家だった。

Re: おくすり飲むの。 ( No.5 )
日時: 2017/02/20 21:46
名前: めいりる (ID: XL6hbgia)

(らいと視点)

【ピーンポーン】

「………お兄ちゃん?」

チャイムを押したら、10歳に行ったか言ってないかの子供の声がした。

子供がいるということは、親もきっといるだろう。

(大丈夫、見つかったら【ころせば】いいんだから)

ドアが開く音と同時に、俺は出てきた少女にナイフを突き立てた。

少女は動揺することもなく、濁った青い目で不思議そうにこっちを見ていた。

「おじさんどいて。僕、おくすりの時間だから」

少女は何も読み取れない瞳でそういった後、俺に微笑んだ。

「おじさんも飲む???」

Re: おくすり飲むの。 ( No.6 )
日時: 2017/04/16 00:17
名前: めいりる (ID: XL6hbgia)

薬に溺れる人間ほど、醜いものはない。

わずか10になるかならないかぐらいの少女がそれだとすれば、この家からは即刻立ち去るべきだ。

純粋……とはかけ離れた、濁った目でこちらを見てくる少女は、帰る素振りを見せると確実に泣き出しそうだった。

少女というものは、だいたい美味しいのだが、こういう病んでそうで細いのは食べ辛い。

「そういえば、おじさん誰?」

「……らいと。ちなみにまだ20だから。ピチピチだぞ」

「お兄ちゃんは?」

「……さぁ?。それより、ここ、大人の人いる?」

僅かに少女は首を降る。
……………沈黙。

「僕はお薬の時間だから、おじさんも飲みたかったら付いておいでよ」

ほとんどの人間が薬なんて断固拒否だ。人間食べてる方が美味しいし。

「溺れると怖いぞー?」

なんて言いながら、部屋の中に消えていこうとする少女を簀巻きにする。

どうせ大人が居ないんなら、貴重品の1つや2つでも盗んでやろうと考えたのだ。

まぁ結論から言うと、彼は愚かだった。


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