ダーク・ファンタジー小説
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- おくすり飲むの。
- 日時: 2017/02/17 17:47
- 名前: めいりる (ID: XL6hbgia)
おもいだしたくないの。
おもいださなきゃしんじゃうのに。
きがくるいそう。こんなせまいへや。はやくでたい。
おくすり、のまないと。いつもの、アレ。
のみたい。のみたい。のみたい。のみたい。どこにあるの。どこにあるの。どこにあるの。どこにあるの。
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……………………………………。
……………………………………。
___みぃつけた。
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もくじ
>>0 ぷろろーぐ
>>1 でてくるひと
- Re: おくすり飲むの。 ( No.2 )
- 日時: 2017/02/17 18:12
- 名前: めいりる (ID: XL6hbgia)
おはようって言ったら無視されちゃうの。
まるで僕のこと見てないみたい。
「ねぇ、おとーさん。今日ね、てすとで100点だったよ」
「お父さんの仕事が終わったあとでね」
「ねぇ、おかーさん。今日ね、先生に褒められたの」
「えぇ、そう。じゃあ私でかけるわぁ」
誰も、見てないの。僕のこと。
_____しんじゃえ
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彼女___ノエルに取って、それはなんでもない1日だった。
両親が他界しても、何の感情も持たなかった。医者は【しっかりした女の子】として彼女の親戚の元へと送った。
ノエルの親戚は、まだ10になったばっかりの彼女の事を気味悪がった。
でも、ちゃっかり遺産は欲しかったらしい。彼女の両親の遺産は、保険金も合わせ全額ノエルに相続されていた。
彼女の親戚は、彼女に関わらないことを条件に、彼女と取引をして遺産の3割を受け取った。
残りの7割は全てノエルのもの。
(どうしよう)
それは、遊んで暮らしても余るような大金だった。
- Re: おくすり飲むの。 ( No.3 )
- 日時: 2017/02/18 21:11
- 名前: めいりる (ID: XL6hbgia)
「のえる、自分のこと【僕】って言わないとお母さんに怒られるの。
【のえる】って言ったり、【わたし】って言ったらお父さんに怒られちゃった。
お父さんは、きっと男の子が欲しかったと思う。
僕なんか、要らない」
ノエルは、貰ったお金でマンションを買って暮らしていた。
マンションに暮らしているのは、彼女を含めて4人だけ。
実質10歳の少女が経営するマンションなんて、警備も何もあったもんじゃない。
ノエルは、マンションに暮らしている一家族にしか心を開かなかった。
幸い家事は出来たので、そんなに困らなかった。
「じゃあ、お父さんとお母さんが居なくなって良かったね
ボクのお父さんとお母さんも、いないようなもんだよ」
ノエルの話し相手は、ウサギの人形か、あの家族の息子だった。
彼は、15歳。
病で、精神が、おかしくなっていた。
- Re: おくすり飲むの。 ( No.4 )
- 日時: 2017/02/19 17:56
- 名前: めいりる (ID: XL6hbgia)
ノエルは両親のことを忘れるためにと、道で出会った誰かに【おくすり】を勧められた。
それから彼女はずっと部屋にいる。
莫大な遺産と、少年と、ぬいぐるみと【おくすり】。
少年が買出しに行く以外に扉が開かれることはなかった。
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(喉乾いたな………)
どこにでも売っているような服装をしている20代の男はふらふらと道を歩いていた。
人混みにとても馴染んでいて、目を凝らさなくては見当たらないほどだ。
そんな平々凡々の男が【しょくじんき】なんて、誰が信じるものだろうか。
(あの館が空いてる)
男が都合よく発見したのは、ノエルの家だった。
- Re: おくすり飲むの。 ( No.5 )
- 日時: 2017/02/20 21:46
- 名前: めいりる (ID: XL6hbgia)
(らいと視点)
【ピーンポーン】
「………お兄ちゃん?」
チャイムを押したら、10歳に行ったか言ってないかの子供の声がした。
子供がいるということは、親もきっといるだろう。
(大丈夫、見つかったら【ころせば】いいんだから)
ドアが開く音と同時に、俺は出てきた少女にナイフを突き立てた。
少女は動揺することもなく、濁った青い目で不思議そうにこっちを見ていた。
「おじさんどいて。僕、おくすりの時間だから」
少女は何も読み取れない瞳でそういった後、俺に微笑んだ。
「おじさんも飲む???」
- Re: おくすり飲むの。 ( No.6 )
- 日時: 2017/04/16 00:17
- 名前: めいりる (ID: XL6hbgia)
薬に溺れる人間ほど、醜いものはない。
わずか10になるかならないかぐらいの少女がそれだとすれば、この家からは即刻立ち去るべきだ。
純粋……とはかけ離れた、濁った目でこちらを見てくる少女は、帰る素振りを見せると確実に泣き出しそうだった。
少女というものは、だいたい美味しいのだが、こういう病んでそうで細いのは食べ辛い。
「そういえば、おじさん誰?」
「……らいと。ちなみにまだ20だから。ピチピチだぞ」
「お兄ちゃんは?」
「……さぁ?。それより、ここ、大人の人いる?」
僅かに少女は首を降る。
……………沈黙。
「僕はお薬の時間だから、おじさんも飲みたかったら付いておいでよ」
ほとんどの人間が薬なんて断固拒否だ。人間食べてる方が美味しいし。
「溺れると怖いぞー?」
なんて言いながら、部屋の中に消えていこうとする少女を簀巻きにする。
どうせ大人が居ないんなら、貴重品の1つや2つでも盗んでやろうと考えたのだ。
まぁ結論から言うと、彼は愚かだった。
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