ダーク・ファンタジー小説
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- 殺人事件実験
- 日時: 2017/03/12 17:49
- 名前: たーの (ID: ???)
「私ね、何回もしんだことになっているの。」
彼女のやけに落ち着き払った声が恐ろしかった。
- Re: 殺人事件実験 ( No.1 )
- 日時: 2017/03/12 18:23
- 名前: たーの (ID: ???)
第一話
いつも不思議な雰囲気を漂わせた彼女が気になって、私は彼女に話しかけた。
「史檻さん、友達になってくれませんか。」
「友達ってそういったらなれるものなの?」
彼女は訳がわからないといった風に聞いてきた。
「仲良くしたいんだけどさ、何を話せばいいかなって思って、友達になってくれる?」
彼女は意味がわかったようで彼女から話題を持ちかけてきた。
「あなたのお母さんって働いてる?それとも専業主婦?」
私は何故その話題を選んだのかわからなかった。今ではよくわかることかもしれない。その理由を考えるのは恐ろしくてできない。
「なんで?お母さんは普通の主婦かな?」
そう答えると彼女は少し残念そうにしてまた、私が羨ましいという視線を向けてきて、
「普通の仕事してるお母さんって羨ましいな。ちょっと変わった仕事してるお母さんがいる人いないかな。もしかしたら話が合うとかないかな。」
「史檻さんのお母さんはどんな仕事してるの?」
「変な小説家。殺人事件のトリックとかアリバイとか考えられなくていつも原稿が間に合わないの。なんで推理小説をずっと書いていられたのか謎でしょうがないよ。」
私は少し史檻が羨ましかった。小説家の娘なんてきっと普通の親の私とは違う体験ばかりしてきたんだろうと思ったから。お母さんの小説を読むという感覚も私には味わえない。
「お母さんの小説って読んだことある?それってどんな感じ?」
その時の私の目はすごくキラキラしていたと思う。けれどその後の彼女の答え方があまり明るい話題にはできないことがわかった。
「読むなって言われるよ。お母さんが例えると自分が恋愛小説を読んできゅんきゅんしたシーンを私に話す位に恥ずかしいって。それくらいならいいかなって思ってそれ読んだら、そんな話は抜きにしてもう私はお母さんの小説を読んじゃいけないんだなって思った。」
あとがき
はじめまして。たーのです。
これからよろしくお願いします。
こんなの夜に書いたら怖くて寝られません。感想などございましたらいただけると嬉しいです。
- Re: 殺人事件実験 ( No.2 )
- 日時: 2017/03/13 20:09
- 名前: たーの (ID: ???)
第二話
「史檻、旅行行かない?」
お母さんがこう言う時、だいたいは小説でスランプに陥っている時だ。私が拒否しても強制的に連れていかれることになるので抵抗せずに旅行に行くのが常である。
「そう、どこ行くの?いつ行くの?」
もしかすると学校を休まないといけなくなるかもしれない。土日が無くなる位はいい方で、1週間以上行くこともあるから大変だ。
「近いわよ。史檻にもそんなに迷惑は掛けられないじゃない。」
「じゃあ土日?」
2日で終わるなら、ずいぶんいい方だ。まあ少し安い宿に泊まることになるだろうけれど、そんなことは全然気にならない。いつもそれ以上に変なことしか起こらない。
私の家はメイドを雇っている。しかし、旅行に行く度に書面だけの辞職願を出して居なくなる。お母さんは私にそれを見せて、
「メイドさん今日で辞めたから。新しいメイドさん探さないとなぁ。」
そんなことを言うときのお母さんはいつも狂気に満ちている。
- Re: 殺人事件実験 ( No.3 )
- 日時: 2017/03/16 16:23
- 名前: たーの (ID: .8PfC7U9)
第3話
きっとまた1人私の家のメイドが辞める。私には何が起こったのか分からない。今までは。
「幸乃さん、大丈夫?」
「突然なんですか、改まって。」
幸乃さんは今のメイドでそろそろ働き始めて1ヶ月になる。もしこのまま旅行に行って居なくなってしまったらと思ってしまった。
「もうすぐお母さんが旅行に行こうと誘うと思うの。こんなこと幸乃さんに言って良いのかわからないけど、今までお母さんの旅行について行ったメイドさんは揃って仕事を辞めていくの旅行に行くまでは普通なのに、だから幸乃さんにもなにか良くないことが起こるんじゃ無いかって思って。」
「心配してくれたんですね。その時はその時です。そんな簡単に辞めませんよ。」
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