ダーク・ファンタジー小説
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- 離島の悲鳴
- 日時: 2017/03/18 17:01
- 名前: サディスティック・エア (ID: bmJ5BkM0)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=444.jpg
全てが遮断された絶海の孤島、ヴュイヤール島。
そこは、ヴュイヤール家が領有する島。
島には、ヴュイヤール家、ビューレル家の人間と、使用人のエリーザ・マスが住んでいる。
そこで、悲劇が起こった。
ヴュイヤール家の当主、エティエンヌが、何者かによって殺されたのだ。
エティエンヌは温厚で、ジェルマンとローズの結婚も彼が許した。
エティエンヌは、自身の書斎の机に伏せるようにして倒れていた。
手元には、「n0h 3^07 1」と記された謎のメモ用紙が一枚だけあった。
遺体の第一発見者はイングリド=ヴュイヤール。ヴュイヤール家で最年少の少女だ。
この絶海の孤島で起きた事件の解決のため、呼び出された探偵が、テーオドリヒ・シュタイベルトだ。
「えー、では、まず事件についてお聞かせ願えますか?」
テーオドリヒは早速、聴取を始めた。
「おいアンタ。ちゃんと現場は見たのか?」
フィルマンが苛立たしげに言うが、テーオドリヒは笑って答える。
「ええ、見ました。で、実は犯人も分かってしまいました。フィルマンさん、貴方です」
そのテーオドリヒの言葉に、フィルマンは一瞬凍りついた。
が、
「な.....ははは!何を馬鹿なことを!唐突に冗談は言うものではない!」
「えぇ、そうですよねぇ。くっくっく。.....な、る、ほ...ど」
と、テーオドリヒは徐にメモを取りはじめた。
そして、
「まずは、第一発見者のイングリドちゃん。書斎には何か落ちていなかったかな?」
「....これ」
舌ったらずなイングリドが、例の暗号メモを渡す。それをテーオドリヒはポケットに入れる。
そして、
「さて。ではヴュイヤール家、ビューレル家の皆さんには、私の現場検証にお付き合いしてもらいます」
こうして、奇妙な家族と奇妙な探偵による、奇妙な物語が始まった。